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企画はこれ1枚。


こんにちは。

今日は、

【誰かと何かをやるときの考えかた】について書きます。

仕事でも、それ以外でもこんなふうに考えて組み立てている、ということなのですが、目新しいものではありません。

最近になって、必要に応じてひとに示したり、説明する機会が増えて、

もともと自分だけに適用できればいい、とおもっていた考えかたに、価値を感じるひとがいることがわかって
、書いておこうとおもいました。


なんのための企画か。


私自身がもともと独立しようとおもっていたことは何度か書きました

今年に入り、COVID-19の影響もあって迷っている場合でなくなったのと、できるところから始めていく、程度はともかく、【始めてしまう】ということで動きに緩急をつけたかったのとで、

まずはいちばん、ひとりで完結できそうなものという理由で、バリスタの出張サービスから始めることにしました。

これまで食に関することを中心に仕事をしてきましたが、コーチングをはじめたことで、コミュニケーションを軸にいろいろ改善、解決したり、普段の仕事や生活を明日からスムースにするための何か、を提供したいと考えるようになりました。

やりたいことの関連性をつけづらいため、説明をしにくくなってしまったのですが、これはこれでいいとも感じていて、誰にでもわかる方に寄せて、無理やり言葉で名前をつけて、というのはあまり望ましくないと考えているんです。

それよりは《既に知られている何かでなく、 自分が意味する”それ” 》として丁寧に説明することで、ゆっくりでも【ちゃんとわかってくれる】人の分母を増やしたい

自分が、すべての活動を通して伝えたいことは

《日常はもっとたのしくなる》

ということなんだとおもいます。

特別なときのみならず、もっと”日常”に選択肢を増やしたい。


「パイを大きくする」ための9項目

そういった自分の「こうしたい」があった上での話になるのですが、企画する段階、誰かと関わるときに考えるのは、

《自分も含めた全員》が【今よりぜったいに良くなる(と現時点で思える)】ことはなんだろう、ということです。
平たくいうと《三方ヨシ》なんですが三者を対象にしているのは、自分が二者とのあいだに立つことが増えてきているから。


この考えかたがデフォルトになったのはいつからなのか、思い出せないのですが

自分の非力さを思い知らされた時代と、
野外フェス運営時代に企業協賛をもらいたくて、たくさん考えた経験からきているのかもしれません。

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ちょっと拍子抜け感がすごいのですが、基本的にはこの9マスを埋める過程で中身を考えています。

注意したいのは《報酬》の意味づけで、これは明確にお金を指していません。誰かになにかを与えるというのは、物やお金だけでなく

《そのひとが喜ぶもの》

という認識にひろげます。
お金に関係なく ”報酬” があるかどうかを重視していて、逆にお金以外でここがないようなら、成立しないかもな、とおもいはじめます。


「報酬を得ることで変わる未来の部分」を《将来》の欄に書いていく

これがひとまず目的となり、どんなときも迷ったら《立ち戻る先》になり、起こる(と予測している)変化への期待になります。

(変化が起きなければやる意味がないとは思わないけど、そこを期待されていると感じることはおおいです)

《報酬》はあくまで未来の変化のための手段で、そのさらに手前の《提供》がさらに有効な「手段(この場合報酬)を得るための手段」です。

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とはいえ、

やってみないとわからず(将来)
他人(参加者・相手=共催者)がどう感じるかはわからないため、
不確定要素満載の1枚になるわけですが、、

ここは、わかるところから淡々と進めます。

” わかる” のは「自分」のところです。

他人のことはわからない、というより、わからなくてもいいとおもっているんですね。

すべての欄が相関関係にあり、どこにも接しない独立した項目がないのが特徴です。

GIVE&TAKEの概念でいうと、「パイ(の直径)を大きくする」ことで、個人のピースを大きくする、というもの。

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たとえばこんな使いかた。

いちばん最近、この9マスで考えた企画は

【目からウロコが落ちてほしい門仲ennラジオ】

私が運営メンバーとして関わっている江東区門前仲町のennというコミュニティスペースがあるのですが、内向け(コミュニティのメンバー向け)のコンテンツとして《コミュニケーション》をテーマに話ができないか、というところからはじまりました。

なので《参加者》は、このラジオを聞いてくれるコミュニティ内のみなさんです。


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《共催者(相手)》は、そのひとでないといけない理由が《お互いにとって》ある、というのが条件になってくるかとおもいます。

(そのひとでなくても可能、ということはあるにせよ、そのひとであってほしい理由を、お互いに見つけているかどうか、という意味で重要)

ただおもっていることを話すだけではなく、自分たちには知ってほしいコミュニケーションの形や可能性や考えかたがあること。

それは、他人の頭の中を覗くような感じで、知らなかったけど、現物をみて初めて、自分が欲していたものだったとわかる、という類のもの(であってほしい=目からウロコ)

そこを一緒に考えたり、フラットに意見を交換して、三者それぞれの、「今よりは良い」未来に貢献し合うような場にしたいと考えています。

この話を共催の方にしたとき、本当に「アップルパイたべる?」くらいの気軽さで参加できて、みんなが考えをシェアし合うような場にしたいね、という結論になりました。
実際に受け入れてくれる人(参加者)がどのくらいいるかは予測しきれないけど、どんなひとに役に立って、どんなひとには響かないのかがわかればこれからの自分たちの活動にも活きるし、

できるところから始めることでコミュニティも活性化したい。

そして何より自らの報酬として、進行形、かつ試行錯誤が必要なコンテンツが生活のなかにあることは、やることは増えても精神的には自分を助けます。これだけでもやる意味はおおきくあります。

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一般化を避けるほんとうの理由


そして、先ほど述べた「自分でないといけないこと」についてもう少し。

この企画書?のポイントは、9マスの真ん中に《自分の報酬》がくることなのですが、これを真ん中に据えたのは、放っておくと、いとも簡単にそれを自分が手放してしまうからです。

報酬が ”お金かどうか” に関わらず、自分にとってあまりメリットがないことも「頼まれたから」というだけで引き受けてしまうんですね。



断れない、断るのが嫌(面倒)だからという理由なんですが。

それで「他のひとでも変わらないこと」や「私ではないほうがいいこと」をやってしまっていた時期もありました。

で、本当におもしろいと感じることや、自分からやりたいとおもえることに使える時間がなくなってしまう。
やっぱりこれではダメだと。

「自分でないといけないことか どうか」

というのは、やっぱり大事な要素なんです。



そんなことは、突き詰めれば無いのですが、だからこそ、気をつけていないとあっというまに一般化して埋もれてしまう。



私は基本的にみんなと同じフィールドで、同じ評価基準で自分が生きていけるとはおもっていないんですね。


その危機感からスタートしていて、その前提で「じゃあ、どうするのか」ということをずっと考えてきたし、いまも考えています。

みんなと ”同じが嫌だった” のではなく「そうしたかったけど、できなかった」から仕方がなかった。選ばないっていうか、選べなかったんですよね。

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でも、はじまりはそういう劣等意識ではあったけれども、《他》に目を向けることで、合うものを細かく選ぶことで「自分の場合はどうか」という情報をたくさん得ることができた。

考えかたも行動も、まずは適用してみて「自分がどう感じるか」を知る。

他の人と同じ条件でも、その人たちと同じ結果は出せないと、もともと感じていたから、みんなと同じやりかた、情報をコンプリートする意味がなかったんです


ただこれは、自分に価値がないとおもっているのとは少し違って、みんなと同じようにはできないなりに、違うやりかたができるかも、ということがいまはわかっている、ということですね。

他を見にいって、サンプルの母数が増えたことで問題だと感じていたことがそうでもなくなっていったのでしょう。

誰もが適用できる情報でなく、自分にしか適用できないけれど、自分にとってはとても精度の高い情報を得ていることが大事だと。

その一連の流れ、情報のとりかたがこれはこれで合っているかも、とわかったんでしょうね

その具体的な方法が、自分自身のモチベーションの扱い方というか、

やりたいことや、採用したいやりかたを、簡単には手放さない、理由もなく明け渡さないこと。

逆に、きちんとコミュニケーションができて、お互いに納得できれば、そこはものすごく柔軟にいようと努めること。

そのやりとりができるという状態が何よりも大事だとおもっています。

自分も伝えることができて、相手も受け取ることができる状態はどんな状態か、というのを、相手に合わせて考えて、それが成立するひとといっしょにやっていく。

自分を守ろうとすることは、結果的に相手との関係を守ることになります。

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《コラボレーション》の意味


最後に、共催者について。
これはつまり《いっしょに価値をつくってくれる誰か》です。

コラボレーションは単に【いっしょにやる】という意味ではなく、それぞれの価値を出し合ってあたらしい価値をつくる個々で提供するよりも価値を高めるために協力するというニュアンスです。

日本では「ただ誰かといっしょにつくる」という使いかたがされていることもありますが、ほんとうは

1+1でなく、《相手がいることで自分も相手も1.5になれるような付加価値》や、特別な動機がそれぞれに必要になる。

ひとりでやる以上の効果が期待できる場合にのみ、組むということ。

では特別な動機とはなんでしょうか。

それは、「あなただから(お願いする)」という部分だと考えていて、ここに、手放してはいけない、個人的な理由が関わってきます。


私がこの夏開催したイベントでいうと

◎ジンジャーシロップ 持ち帰り×養生ごはんの会(畑とZoomあり)

これは、親しい友人が生姜農家になったことで、彼らに対する並々ならぬ思い入れが、ただ生姜を知ってもらいたいのでなく ”誰より自分が” それをやるほうがいいというつよい動機になりました。「友達だからこそ、できること」をやろうとしていた。


◎バリスタとめぐる「コーヒーショップ分解」ツアー

こちらは、自身がかつて店舗で働き、心底解決したい課題があったけれど、当時難しくて、今フリーになったことで可能になった!という動機がありました。

どちらも、他人事ではいられない部分だったんです。

まだ世に一般的になっていない(と自分からは見える)やってみたいことがあったとして、やるか、やらないか、ずいぶん迷っている。

そのような状況で、私が具体的によくする想像は、ほかのひとが先にそれをやったら、そのとき自分はどう感じるだろう?というものです。

仕方ないな、で済むならそれは他人事でいられる部分だろうし、うわーなんであのときやらなかったのか…とおもうとしたら、それは他人事でいられない部分なのではないでしょうか。

私の場合、冒頭の HELP BARISTA に関しては特にそれが強かったですね。

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こんなふうに、ほとんどすべての仕事を、この企画書1枚で考えています。
雇われて働いていたときもです。

これは私個人の考えですが、基本的に雇われていても、雇用主と「一体化しない」という前提で生きているので、

これをこの企画書に当てはめた場合、参加者=お客さんになり、共催者(相手)=会社(雇用主)になります。

(あるいは《同僚》と《会社》の三者で考えることもできます)

自分を取り巻くひとたちは《価値を提供される側》と《いっしょに価値をつくる相手》の立ち位置を変え、常に双方向性の関係がある。

この考えかたでやっていると《敵》がいなくなります。
いつか助けてもらうこともあるかもしれない、という視点を持って相手をみることになる。

こんなふうに、「《誰》に《何を》提供できるのか」と考えるとともに、「《自分》は《どうしたい》か」を強く持つこと。


難しい考えかたではないです。


既視感に満ち満ちた企画をみて、飲んでるコーヒーがまずくなる、ということは誰しもあるとおもいますが

これはこの《三方ヨシ》の視点がない、あるいはバランスが悪かったり、そのせいで「誰も本気になっていない」パターンが多いとおもいます。


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思うに、人は《自分として行ったことに着目されたいのではないでしょうか。

見落としてほしくないこだわりや、信念のようなもの。

「あなただから」頼まれることを増やしていきたいし、関係性があるひとに「あなたらしいね」と声をかけられたい。

子どもの頃から変わらない潜在的なものとして、それがある。
そのおもしろさを無意識に知っているし、求めているとおもいます。

今日は、自分の企画の考えかたについて書きました。
簡単にこうなったわけではないけど、今はこれを軸にしてきてよかったなとおもいます。

読んでいただきありがとうございます。

うまくいってもいかなくても、自分なりにやったぜ、という場合は、手応えや悔しさが残ることで次への糧になります。

やりたいことがない、わからない、と悩むひとが多いというのはこの1年ほどで思い知ったことだけれど、

そういうひとには《自分の報酬》を真ん中にドドンと据えて、だれにも言わなくていいし、見せなくていいから、自分なりの他人事にできない企画を考えてみてほしいなとおもいます。

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