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クボタのエッセイ 第一部

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クボタの800文字エッセイの第一部です。 2022年の4月から毎日投稿するつもりだったのに、ズボラがゆえにグダって9月に終わってしまいました。 ぶっちゃけ第二部から読んでほしい(…
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2022年8月の記事一覧

チュッパチャプスの禿げ山

家に物悲しく佇むチュッパチャプスのツリーがある。
よくあるヴィレッジヴァンガードやドン・キホーテで売っているアレだ。
だが、我が家の代物は、ツリーと言うにはあまりにも寂しく、まるで禿げ山だ。
おそらく数十本は挿せる仕様だが、数本しか挿されておらず、悲壮感が漂っている。
このツリーは、確か一年半ぐらい前に会社で貰った物だ。
年末に副社長がお得意先からプレゼントされ、全員に飴ちゃんのみ配り終えた後、ツ

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ひとでニャし

日中、仕事に出ている彼女から「実家の猫が亡くなった」と言う連絡が来た。
ご実家のご家族から話を聞かされた時、さぞ悲しかったに違いない。
ペットを飼った経験のないオレなんかでは計り知れないはずだ。
ただ、それと同時に、某大企業の創始者の訃報を取り上げるニュースが、写真と共に通知で入ってきた。
そのせいで、オレの頭にろくでもない発想が浮かんでしまった。
(この創始者のニュースをスクショして、「猫ちゃん

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スプラトゥーン三十路

『スプラトゥーン3』の前夜祭に参加した。
前夜祭と言っても、幕張メッセやら国際フォーラムやらで行われているイベントではない。
要は、発売前で唯一ネット対戦含め体験版を遊べる日のことだ。
リリースを心待ちにしているオレは、胸を弾ませてそれに臨んだ。
と言うのも、自宅で買う『スプラトゥーンシリーズ』は、これが初めてだからだ。
『無印』も『2』もプレイ経験はあるが、地元に帰省した際、弟が持っているものを

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ロード・オブ・ザ・マリッジリング

彼女と指輪を探しに行った。
指輪と言うぐらいなのだから、理由はお察しの通り、結婚するからだ。
まだ何が起こるか分からないので断言は出来ないが、そのつもりで色々な段取りの元、動いている。
さて、今回は指輪を買う前のリサーチとして足を運んだ訳だ。
いくつかの店舗を回ったが、最初は興味こそ無かったものの、見ていると段々楽しくなってくる。
共通項はハイブランドと言う点のみで、デザインやら着け心地やら、それ

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桃スメルの正体

会社のゴミ箱から桃スメルがする。
何とも香しい。
それも四六時中だ。
最初は、誰かが無造作に桃を捨てたのかと思った。
(ちくしょう、桃食ったなら教えてくれよ)
アホなオレは素直に悔しがってしまった。
だって、桃好きなんだもん。
好きだけど、値段も高いから、特別な時でもない限り買えないし。
もっと気軽に食わせやがれ、桃!
まったく卑しい男だ。
しかしながら、二日目になっても漂う桃スメルから、桃喰らい

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スーパーで絡まれる金髪

大学時代、バッキバキの金髪だった時期がある。
よくある小心者が虚勢を張って大きく見せようとしてのブリーチだ。
自分の性格にパンクさは微塵も無い。
また、田舎者の自分が都会に馴染みたかった節もあるだろう。
そんな見てくれをしていたある日、当時住んでいたアパートから近所のスーパーに出掛けた。
格好は、Tシャツ、スウェットのパンツ、サンダル。
まあ、自宅付近を徘徊する時のあるあるを詰め合わせたような格好

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お土産の馬

昔から忘れ物が多く、母親によく叱られていた。
思い返してみると、小学生の時なんて特に酷かった。
朝に差した傘も、帰りに晴れていたら置き忘れてしまっていた。
そんな多くの忘れ物の中でも、一番叱られた忘れ物が修学旅行の時だ。
小学校の修学旅行は、言わずもがなオレにとって初めての修学旅行だった。
それもあって、父方の祖父母、母方の祖母(祖父は亡くなっている)がそれぞれお小遣いを渡してくれたのだ。
「あん

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フィギュア用のガラスケース

フィギュア用のガラスケースを組み立てた。
元々、『ウォーハンマー』なるミニチュアゲームを始めようと考え、それを飾る事前準備として購入したのだ。
だが、実際の所、『ウォーハンマー』のミニチュアは一体も集めていない。
それゆえ、作った所で何にもならないことから、一ヶ月ぐらい作業を先延ばしにしてしまっていたのだ。
また、このガラスケースが重過ぎたことも原因として多大にある。
コロナの後遺症やら腰痛やらで

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未知との遭遇

『ストレンジャー・シングス 未知との遭遇』をシーズン4まで観終えた。
元々、オレはシーズン3まで観ていたのだが、彼女がシリーズ通して未視聴だったこともあり、全て復習がてら遡った。
相変わらず面白い。
何より前回は一気見だったこともあって、記憶も朧げだった。
今回はしっかり定着させられた気がする。
また、彼女がファンタジー的な世界観への理解が深い点も非常に助かった。
オレは、フィクション作品でも変に

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ダシネ・デスシネ・ノ・シネとデスシ・ノ・スシ

先日、ツイッターで、人とのやり取りの文末について上げられた話題があった。
確か文末の「だしね」「ですしね」と言った返事が、「死ね」と含まれていて書きづらい的な内容だったと思う。
言われてみれば、自分もLINEやチャットで打つ時に、少しばかり躊躇してしまう。
「だしね」はまだしも、「ですしね」についてはご丁寧に「です」まで付いている。
「DEATH死ね」、コミックメタルバンドの曲にありそうだ。
オレ

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香水

オレは終わっている。
どこがどう終わっているかと言えば、簡単だ。
未だに『香水』を頻繁に口ずさんでいる。
『香水』の発売時期を調べてみると、この文章を書いている現在から約三年前の曲らしい。
割と前だぞ、三年って。
中学一年生なら高校一年生になっている。
高校一年生なら三年も経てば、今の日本だと成人扱いされる年齢だ。
そのぐらいの年月にも関わらず、オレは何にもアップデートされないまま『香水』を歌い続

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男が便所でひとりごつ

今回の内容は下品過ぎるので、嫌いな人は絶対に読まないでほしい。
内容は以下だ。
オレは、ちいかわが好きだ。
流行る前からSNSで追いかけていて、自宅も低所得の元ヤン家庭よろしくUFOキャッチャーの景品に溢れている。
そんなオレだが、最近ある物を買った。
ちいかわのトイレットペーパーだ。
本来こう言ったキャラ物の日用品には手を伸ばさないが、袋のデザインがあまりにも可愛く、つい買ってしまった。
これは

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ヤギはThis Man

『This Man』なるインターネット・ミームをご存知だろうか。
『This Man』は、存在しているか分からないのに、「夢で見たことがある」「どこかで会った気がする」なんて感じてしまう男性の写真だ。
個人的には、ある種、マンデラ効果に近いと思っている(マンデラ効果を知らない人はググって下さい)。
漫画アプリのバナー広告で認知している人も多いかもしれない。
とにもかくにも、この文章を読んでいる危篤

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ジェンガ欲

お盆休み最終日、何故かジェンガを買った。
スーパーの買い物中、陳列を誤って崩した彼女を見て、急に遊びたくなってしまったのだ。
(うわ〜、ジェンガやりて〜)
善は急げ、その思いが湧き出たと同時に、オレは買い物カゴを彼女に渡した。
「ジェンガ買ってくるから、残りの買い物よろしく」
彼女も意味が分からなかっただろう。
オレだって、ノリだけで動いているから意味なんざ分かっちゃいないのだ。
ただ、そのスーパ

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