スプラトゥーン三十路

『スプラトゥーン3』の前夜祭に参加した。
前夜祭と言っても、幕張メッセやら国際フォーラムやらで行われているイベントではない。
要は、発売前で唯一ネット対戦含め体験版を遊べる日のことだ。
リリースを心待ちにしているオレは、胸を弾ませてそれに臨んだ。
と言うのも、自宅で買う『スプラトゥーンシリーズ』は、これが初めてだからだ。
『無印』も『2』もプレイ経験はあるが、地元に帰省した際、弟が持っているものをちょこちょこ触った程度だった。
彼女と同棲することでやっとNintendo Switchを手に入れたオレにとって、初めて腰を据えて遊べる機会なのだ。
そりゃワクワクだってする。
しかしながら、その前夜祭に参加して初めてあることに気付いた。
オレ、弱過ぎるぞ!
たまには活躍出来るが、基本的には人より多く死に、塗りも少ない。
それどころか、まったく関係無いタイミングで、「カモン!」を押してしまう。
TPOを弁えない痴女ぐらい、「今じゃないだろ」と言うタイミングで叫んでいる。
親の前でハニートラップを仕掛けているみたいだ。
本当に申し訳ない。
その結果、周りの人々も下手くそ具合を察してか、プレイする度に小学生ぐらい守られることとなってしまった。
「こっちはカバーするから安心して!」
「いくらでもミスしていいんだよ!」
初めてゲームを買ってもらった子どもをサポートするかのような、ホスピタリティ溢れる他プレイヤーの心の声が聞こえてくる。
違うんだ、みんな!
オレは小学生じゃない、ただの痔持ちで三十路のおじさんだ!
とっとと見捨ててくれ!
それでも心優しい皆んなは、このダーティーサーティーをカバーしてくれる。
何だったら手に持つブキがボラギノールにも見えてくる、きたねえなあ。
ここまで来ると、もうゲーム内で成長し続けるために、今の実力と守られる状況に開き直るしかない気がする。
まあ、いイカ。

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