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エッセイ

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#思索

「介護物語の美談」なんて書けない(4)慣れか?諦めか?それとも

前回(3)から随分、時間が経った。
この間、介護から解放されたわけでも、問題が減少したわけでもない。
なにか書くことで、ププン、ププンプンという日常の追体験をしてしまい、また苛立ち苦しくなる気しかしなくて、あえて書く気がしなかった。
ところがどっこいの強迫観念。「テキスト芸人」としては、死ぬまで書きつづけてしまう、いちど書いたらもう止まらない誰か助けて赤いハイヒール♪状態というわけで、綴ることから

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オノレの言葉に酔いしれる

君さぁ、自分の言葉に陶酔してるんじゃない?
そう言われて、ボクは鏡を見る。
言われれば、確かにその通りだ。
自分のテキストを何度も読み直してニヤけているボクが映し出される。

傍から見れば気持ち悪いかもしれないな。
ナルシストかよ、と思われているかもしれない。
そうだね、確かに不気味かもね。

でもボクにとっては、生きることそのものだから。

ボクに降りかかる全ての「何故」に言葉で向き合う。
誰か

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♪山の子はみんな強いよ♪ なんて口ずさみながら、コロナをみつめる

少し前に雨降る山の写真をupしたときの歌。
タイトルになんてしたせいか、以来リフレインしている。
ずっと昔、子ども頃に聴き覚えた歌が身体に染み込んでいる。
あらためて調べてみたら「山の子の歌」というタイトルだった。
で、神経の中枢まで染み入り体得されているのは2番の歌詞のみだった。

♪雨が振りてるてる坊主が泣いても、私たちは泣かないで山を見つめる 山の子は山の子はみんな強いよ♪

あらためてテキ

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写真を撮ることと「生きる」ことは似ているかもしれない

写真を撮ることと「生きる」ことは似ているかもしれない

なんだか大袈裟な表題になってしまったが、カメラをもち森を歩きながらふと思ったこと。

今年の夏は蝶をたくさん撮ろうと考え、蝶を追いかけた。
季節が移りゆくとともにそんな考えが薄れ、本来の撮影に戻ってきているのを感じている。
森を歩き、感性にひっかかり思わず足を止めてしまった「生」や「光景」を撮りたいという本来に。

ここのとこ普段の生活のなかで、説明する気もおきないほどの細かいストレスが溜まってい

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支え合う、助け合う、という言葉の違和感

このnoteでは何度か登場した氷河期にネアンデルタールが滅び、ホモ・サピエンスが乗り越え繁栄した理由。
それはホモ・サピエンスが他者と繋がり、他者を支え、助けたから。
そうして絶滅を免れたホモ・サピエンス、つまり人間の本質は繋がることというのは実感としてもある。
当たり前すぎて気が付かず、敢えて言葉にして言ったり考えなくてもいいことなんだろうけど、敢えて言うのは、他者との関係が希薄になったときに「

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机上の思索……積み重ねた言葉が溶けて消えるとき

実生活では相変わらず傾聴を続けている。
普段はずけずけと物を言うが、傾聴では信じられないほど優しく他者に寄り添う。
発話者の苦痛をあたかも「自分事」かのように感受し、共感の限りを伝えるよう頷き、すべて肯定して聴く。
実生活では誰にも解ってもらえなかった発話者の苦悩が、傾聴で初めて他者に受け入れられる。
発話者にとって初めての「理解者」に出会う。
自分事のように聴いてくれる傾聴者である私は信頼され、

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たかが「机上の意識」……されど、そう生きることしかできない

明日で死ぬんだ、と意識すると居ても立っても居られなくなり森へむかった。死を了解した私には、森に存在するなにもかもが心を揺さぶり、光が眩しく感じた。
いつもより丁寧にカメラをむけて、最も魅力側にふれる計測針に合わせシャッターを切る。
映し出した森の存在のなかから最期の作品としてふさわしい写真を選ぶ。
明日までの“生きる”を森と写真だけで終わらせられないと感じ、傾聴をするために再び出掛ける。
いままで

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覚醒と解放、のち・・・@傾聴

タイトルだけを観てエヴァを思い出す人はボクと同じでちょっとヤバイ、笑
アニメ「新世紀エヴァンゲリオン」の初期の山場が浮かぶ。
で、なぜ「@傾聴」なのか?
別にふざけているつもりはないのですが、、、^^;
とりあえず、セリフだけ書き出してみます。

赤木リツコ「拘束具が、、そうよ、あれは装甲板ではないの、エヴァ本来の力を私たちが抑え込むための拘束具なの。その呪縛が自らの力で解かれていく。私たちにはも

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「人間」は誰? 「ニワトリ」は誰? 「良識派」は誰?

nuricoさんのnoteに安部公房の「良識派」というテキストが紹介された。
と、またしてもnuricoさんに絡むのかぁ、、とちょっとためらう^^;
よほど波長があうのだろうか。
でもストーカーと思われないようほどほどにしなくては、、ね^^
ま、今回はnuricoさんのnoteとはいえ、安部公房に絡むのだから少しは気が楽なのだが、、、笑。
安部公房は中高生の頃好きで、そのころまでに発表された半分ぐ

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