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エッセイ

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#ポエム

人はもとより安心して安定したいのだ、でもね・・・

人はもとより安心して安定したいものである。
と、最近こんなことを考えている。
あたりまえのようだけど、最近はじめて発見したような気もする。
人類の歩みも、人は安心して安定するように進化してきたのかもしれない。
不安やスリルを楽しむ、などと言ってみたところで、安心して安定していることが前提での楽しみなのだろう。
不安とスリルしかない世界を望む人は、、、きっといないと思う。
戦争、貧困、ホロコースト、

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佐野元春を聴いた夜

ふと佐野元春を聴いてみた夜。
自然と目を閉じる。
ずっと昔の日々が蘇る。
何もかもにイライラしていた。
夜中の海岸沿いに車を走らせカーステから流れる佐野元春を歌っていたハイティーンの自分に聞いてみたい。
40年近くさまよい続け踊り続けたオマエは、、、
つまらない大人になってないか?
歯車みたいな世界に、、さよならできているか?
汚れた世界の窓の外で全てのギブアンドテイクのゲームにさよならできている

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くよくよしちゃいけないの?

プ、思わず吹き出してしまった。
くよくよしている人に、、、
そんなこと言っちゃったの??、、、、
だってそれを言われても、、、
君、、さぁ、、、
一旦笑い始めたら、笑いが止まらなくなってしまった。
ヒィヒィいいながら、涙を流し、机を叩きながら笑いたい気持ちをぐっと抑えた。
傾聴の勉強会で仲間のひとりが実際に言ったというセンテンス。

くよくよしちゃいけないの?

そんなホントのこと。
実際に言っち

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ポエム「雑草と花壇の花」……からのその後

ポエム「雑草と花壇の花」……からのその後

「雑草と花壇の花」 2006.5今、むしり取られようとしている草花よ、君たちの名は雑草。

栽培者の支配を拒み、自由に生きる君たちは畏れをもって蔑まれる。

君たちを嘲笑するは、花壇で生きる大輪の植物たち。

栽培者の思うがままに生かされる、末端肥大な植物たち。

彼らは決められた花壇の中で生かされていることに気付きもしないまま、
彼らは彼ら自身を縛る花壇そのものまでも誇っている。

枠を拒み生き

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アスファルトのうえの蝶

アスファルトの照り返しに煽られ飛ぶ蝶
そんな蝶はアスファルトを知っている

アスファルトは熱いもの
アスファルトは硬いもの
アスファルトは水を弾くもの
アスファルトは地面を覆うもの
アスファルトは草を隠すもの
アスファルトはアリの巣を阻むもの
アスファルトは落ちる種を流すもの

アスファルトは人の造りしもの
アスファルトは人だけを繁栄せしもの
アスファルトは人を快適にさせるもの
アスファルトは人の

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保留できないヤツ

保留できないヤツ

いつか誰かに言われた言葉。
ずっと、もやもやが遺っている。
保留できないなんて自分でもわかっている。
保留せずに何度も繰り返している失敗。

一旦保留して、解るときが来るのを待て
一旦保留して、周囲をみまわせ。
一旦保留して、人の意見を聞け。
一旦保留して、よくよく考えてアウトプットしろ。

そうすれば、誰に対しても失敗も摩擦も迷惑もかけないかもしれない。
でも保留なんてできない。
するつもりもな

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溺れるものは… @メタファ

溺れるものは… @メタファ

必死で泳いでいる群れのなかで、
溺れている人がいる。
もちろんメタファである。
社会に溶け込みきれないときの、溶け込めない人のメタファ。
社会という水辺で溺れている。
溺れている、さてどうする。
メタファである、すぐに溺れ窒息死することはない。
選択肢はいくつかある。
泳ぎを覚えるか、溺れたままでいるか、いっそ溺れ沈んでみるか、、、
とりあえず、みな泳げるようになろうとする。
泳いでいる群れが自分

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街の闇の蛍火は儚げです

街の闇の蛍火は儚げです

にぎわう街、深夜1時のホタルは儚げです。
お堀の闇の草陰から1ドットの灯りがちらほらと点滅。
街灯さえ遮られる物影にひとつ、ふたつ、弱々しい光が数えられるほど。
はるか橋のうえから人々に嬉々と見おろされ指を刺されています。
街の闇の微かな灯火に人々はアレやコレやとを言っています。
お意見? 応援? ご感想? ごアドバイス? 存在の確認?
好き好きにワイワイと囃し立てます。
黙って見つめることはでき

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優しさに包まれたなら・・・

優しさに包まれたなら・・・

消え入るような声に耳を傾ける夢から覚醒めた朝
世界が違って見えた。
全てが輝いている。
全てが生きている。
虚ろなすべてに彩が着いた。
目に入るもの全てをなぜたくなり、
出会う人全てを抱きしめたくなる。
思えば暗く長く狭いトンネルを彷徨いつづきたセミのよう。
地上にでたくても石畳に阻まれもがいている幼虫。
とても小さな声に導かれて地上に這い出た。
光と風と彩に満ちた世界。
石畳の隙間のスミレが目に

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激しい雨の夜から目が覚めて

激しい雨の夜から目が覚めて

夜明けまえの雨、闇。
すべてに溶け込んでしまいそうな少女の声。
全力で耳を傾けないと聴き取れないないほど薄く途切れた「助けて」。
苦しそうな声がぼくのなかで尾を引きながら目が醒めた。
夢だった?
いつのまにか寝落ていた床の上のち小さなため息
消え入りそうな声をおいかけ、あてもないまま外に出た。
ふと気がつくといつもの散歩道。
雨上がりの公園。
昨日とはまるで違う景色。
耳の奥で夢のなかの声がリフレ

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