佐野元春を聴いた夜

ふと佐野元春を聴いてみた夜。
自然と目を閉じる。
ずっと昔の日々が蘇る。
何もかもにイライラしていた。
夜中の海岸沿いに車を走らせカーステから流れる佐野元春を歌っていたハイティーンの自分に聞いてみたい。
40年近くさまよい続け踊り続けたオマエは、、、
つまらない大人になってないか?
歯車みたいな世界に、、さよならできているか?
汚れた世界の窓の外で全てのギブアンドテイクのゲームにさよならできているか?
まごころはつかめているか?
信じる心をもててるか?

引き潮のようにすべてが遠のいていくなか、
その間違いとその正しさものりこえて、
理想の君を探し続けて何度朝がくるのを見つめていたか
今夜こそと思いたどり着けなかった夜がなんどあったか

結局、理想の君は幻で、たどり着く夢のゴールなどなかった。
でも落胆も失望をしたわけでも、ましてや諦めたわけでもない。
いまも日々踊り続けているから。
ずっとさまよい続けたこそ、日々踊り続けているを実感できるから。
理想の君はこの瞬間にいて、ゴールには毎晩たどり着くことができる。
日々を生きている。
どうだい、こんな大人は。つまらないか?
この感覚はハイティーンのオマエには分からなかったこと。

佐野くん、涙がでるよ、ほんとに。
どうもありがと・・・

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