激しい雨の夜から目が覚めて
夜明けまえの雨、闇。
すべてに溶け込んでしまいそうな少女の声。
全力で耳を傾けないと聴き取れないないほど薄く途切れた「助けて」。
苦しそうな声がぼくのなかで尾を引きながら目が醒めた。
夢だった?
いつのまにか寝落ていた床の上のち小さなため息
消え入りそうな声をおいかけ、あてもないまま外に出た。
ふと気がつくといつもの散歩道。
雨上がりの公園。
昨日とはまるで違う景色。
耳の奥で夢のなかの声がリフレイン。
景色が違うのは雨上がりのせいじゃない。
昨日とは目に映るものが違う。
子どもの笑顔、幸せそうな家族づれ。
手をつなぐ恋人たち。
汗を流すランナー。
ゲートボールの老人たち。
みんな生きている。
生きているだけで幸せ,、と言っている。
昨日まできづかなかった当たり前な幸せな。
道のまんなかのたんぽぽ。
石畳の隙間のすみれ。
幸せが輝く、、、声のむこうで。
闇のなかの声、、、いつかこのスミレのように。
今は石畳という重しに阻まれ、声さえ途切れても、
いつか花が咲くことを信じている。
ぼくに君の声が届いたことを思い出して欲しい。
また夢のなかで語りかけておくれ。
幸せになろう。
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