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エッセイ

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#人生

写真(傾聴)に宿られ、写真自身(傾聴自身)が語る

森の底を歩き突然立ち止まる。
いや、立ち止まらされる。

まさに問題はここから始まる。
立ち止まったのか、立ち止まらされたのか。
アタシの意思なのか、モデルの意思なのか…
それとも他の何かの仕業なのか。

目の前にはモデルが在る。
立ち止まったまま凝視する。
胸が高鳴る。(これはアタシ自身)

そしてフィアインダーを覗く。
背景と光を確認する。
左右と天地のアングルを探る。
露光とシャッタースピー

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「介護物語の美談」なんて書けない(4)慣れか?諦めか?それとも

前回(3)から随分、時間が経った。
この間、介護から解放されたわけでも、問題が減少したわけでもない。
なにか書くことで、ププン、ププンプンという日常の追体験をしてしまい、また苛立ち苦しくなる気しかしなくて、あえて書く気がしなかった。
ところがどっこいの強迫観念。「テキスト芸人」としては、死ぬまで書きつづけてしまう、いちど書いたらもう止まらない誰か助けて赤いハイヒール♪状態というわけで、綴ることから

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そんなことをして何の意味があるの?

フォローさせて頂いているnoteに書かれていたセンテンスに目が止まった。
そのまま目を閉じると、30年も前の記憶が鮮やかに蘇った。
「そんなの練習して何の意味があるの?」
ギターで練習していたジ・エンターテイナーを、ちょっと気になっていた娘のまえで爪弾いたときに、その娘に突きつけられた科白。
え?意味???……、固まった身体でギターを抱えたまま、何故かあふれる涙が落ちぬよう堪えながら叫んでいた(心

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私が小さくなるということ、、(とあるコメントから感じたこと)

だんだん小さくなっていく、という言葉を聴き何かを感じた。
やっとこの感じを感知できるようになったのか。
ひたすら尖って自己主張と自己承認を求めていた頃はこの感覚は想像もつかなかった。
大きく、高く、鋭くなるため経験と言葉を重ねた。
それで一人になっても構わなかった。
誰にもわからないさ、我孤高也などといいながら自我が尽きた。
いつしか他者の存在に気づき他者そのものを受け入れられるようになった。

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アドバイスと自己満足

悩む人がいる。
悩む人に、他者からのアドバイスははたして意味があるのか?
たとえばピアノのレッスンとかテニスのコーチとか書の指導とかではなく、人生とか生きるとか存在とかに「アドバイス」など意味がないどころか害悪ではないだろうか?

そも自分の「生きる」は、自己の納得でしか充実しない。
得られた納得は自己にとっては「正しい」。
にもかかわらず、その「正しい」が見つからなかったり、その「正しい」に自信

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まわり道

まわり道

唐突だが今期の朝ドラ「半分青い」は、かなりお気に入りである。
いつものように朝支度のなかで惰性で観るのではなく、観たくて観ているという感じ。
別に何か為になるとか、考えさせられるというのではなくて、単に娯楽として面白いという理由なのだけどね。
でも今朝の内容には少しだけ考えさせられている。

岐阜の田舎で育った少女(すずめ)が人気漫画家(秋風)に弟子入りするという物語なのだが、すずめはあっさりくっ

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