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立ち位置を変えると、上手くいくかもよ!

こんにちは!  dnkspitz(ダンスクスピッツ)です。ここは京都と奈良の県境ですが、公園の桜が咲きだしましたよ。

今日は「自分の立ち位置を変えたら、お互いの理解が進みだしたよ」という話です。

10年以上前のことですが、私は、米国オラクル社(ソフトウェア会社です)の法人向け製品を日本語化する共同開発プロジェクトの日本側チームの責任者でした。

この製品は、既に米国と欧州では販売されていたパッケージ製品です。共同開発プロジェクトは、この製品を日本でも使えるようにするための機能変更や追加を行うことを目的としていました。

この製品は、製薬企業の薬事関連部門向け製品なので、各国の法規制に対応した機能が必要です。日本では、薬事法(現在は薬機法)という法律に対応させる必要がありました。

日本側チームは、最初に、薬事法の仕組み また、それに基づく製薬企業での仕事の流れを米国の開発エンジニアに伝えるために、説明資料を作成しました。また、日本企業で必要な機能や帳票の仕様の説明書なども作成しました。

その後、それらの資料を使って、米国のエンジニアに説明したり、疑問点・不明点について回答することを繰り返しました。

ところが、米国のエンジニアは、日本国内で必須である〇〇機能や△△帳票が必要な理由を、なかなか理解してくれませんでした。

どうも、お互いの話が噛み合わないのです。こちらは丁寧に説明しているつもりですが、いくつかの機能や帳票については、その必要性を認めないのです。

このまま、同じ議論を繰り返しても、前に進まないので、どうしたものか…… と日米双方のメンバが意気消沈しかけていました。

その時、ふと思ったのです。

「私たち日本のチームは日本人として日本で必要な仕組みを説明しようとしている。しかし、よく考えると、米国エンジニアの疑問や不明点というのは、米国エンジニアの置かれている環境や考えが根底にあってこその疑問や不明点だよな。」
ならば、「日本からの要望を伝えることを、一旦、中断して、米国エンジニアの立場になりきってみれば、米国エンジニアが困っていることか理解できるかも」と考えたのです。

そこで、日本対応のための開発であることを、一旦、忘れて、米国の法律、米国の仕事の流れ、米国でのパッケージ製品の使われ方を理解してみることにしました。

日本人も、米国エンジニアの開発者としての苦労を知ることに注力したのです。

例えば、日本では不要だが、米国では必要な機能も含めて、完全に相手のことを理解しようと努力してみました。

今度は、逆に、日本チームから米国チームに対して、質問を繰り返す状況になりました。

不思議なことに、しばらくすると、米国エンジニアの疑問点や不明点が共感できるようになり始めました。

なぜ共感できるようになったのでしょうか……

日本チームのメンバが、欧米人も日本人も共通に行っている仕事内容、欧米人だけが行う仕事、日本人だけが必要な仕事、これらの違いや、それらの違いからくる必要な機能。また、それらの多くの機能を世界中で利用されるグローバルシステムとして実装するための米国エンジニアとしての苦労を理解しはじめたからだと思います。

伝える側の日本人に、「なぜ、◯◯の仕事に関する機能を米国人に変更・追加してほしいのか」、「その理由やその機能のグローバルシステム内での位置づけや優先度」も含めて、丁寧に伝える努力が欠けていたのです。

相手の置かれた立場や役割を丁寧に理解しないまま、一方的にこちらの要望ばかり伝えても、相手は苦しむばかりです。

相手が何に困っているのか、その背景に何があるのか、そこまで踏み込むべきでした。

私としては、よい経験になったと思います。

ま・と・め

共同で何かを行う時に、自分が困ったときは、自分だけでなく相手も困っています。「相手が困っている背景を理解するために、一旦、相手の立場になりきる」そうすれば解決できることもありますよ! きっと……

では、また。

立ち位置を変えると上手くいくかもよ2

dnkspitz






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