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こちら覆面DI室

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「こちら覆面DI室」は休刊となった週刊approach誌に連載されていました。 そのコラムを少しだけ改編して掲載しています。
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#エッセイ

歓迎されていたのか? 【こちら覆面DI室 #049】

歓迎されていたのか? 【こちら覆面DI室 #049】

東日本大震災のときのお話しです。

筆者も当時、福島県の郡山市や田村市などに、
支援へ行かせていただきました。

いま思い出してみると「支援」なんてとんでもなく、
勉強させていただくことの連続でした。

災害の講演会で聴いたのですが、
過去の災害医療の現場では、医療従事者は重宝されていて、
どのような場面でも歓迎されていたとのこと。

しかし、東日本大震災では、
必ずしも歓迎されているとは限らなか

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BCPって知っていますか? 【こちら覆面DI室 #048】

BCPって知っていますか? 【こちら覆面DI室 #048】

「東京都の災害医療の現状とBCPについて」
という講演を聴講してきたとの話です。

災害などで企業や病院が被害を受けたときに、
できるだけ業務が中断されないように
短い期間で再開することが望まれます。

この事業継続に備える計画を
事業継続計画(BCP;Business Continuity Plan)
といいます。

詳細は東京都福祉保健局ホームページの
「医療機関による事業継続計画(BCP)の

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クローズドなプレミアムセミナー 【こちら覆面DI室 #047】

クローズドなプレミアムセミナー 【こちら覆面DI室 #047】

「先生、クローズドな研究会があるので、ぜひご参加頂きたいのですが。
1施設1名限定のプレミアムセミナーになります」

 もうすぐ新薬が発売される予定で張り切っているQさんが、
講演会の案内状とともにやってきました。

私の自宅に「ファミリーセール」と呼ばれるバーゲンの招待状が
定期的に届きます。

東京ビックサイトが会場の巨大な販売会です。

入れるのは招待状を持っている人のみ。
だけど大混雑です

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MRは医療チームの一員 【こちら覆面DI室 #046】

MRは医療チームの一員 【こちら覆面DI室 #046】

またまた、2013年頃の話です。

平成24年度第3回JASDIフォーラム
「病院DIにおける医薬品評価と安全対策」
に参加してきました。

「DI室」をテーマにした勉強会って少ないんです。
だから超満員でしたよ。
注目度の高い研究会だったと思います。

フォーラムでは4人のシンポジストがそれぞれの立場で、
新医薬品の評価、抗菌薬の評価、抗がん剤の評価、安全性情報への対応
などを講演されました。

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嫌煙運動の日 【こちら覆面DI室 #045】

嫌煙運動の日 【こちら覆面DI室 #045】

2月18日は「嫌煙運動の日」
(ちょっと季節外れですが)

昭和53年のこの日に
「嫌煙権確立をめざす人びとの会」が設立されたそうです。

当時、新幹線こだま号は16両編成のうち
禁煙車が1両しかなかったとのこと。

そういえば私が小学生の頃、
家族旅行で初めて乗った新幹線が1号車だったのをうっすら覚えています。

今思うとタバコ嫌いの父が禁煙車を予約してたのかも。

その後、当時の国鉄や専売公社

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目指せ!スポーツファーマシスト 【こちら覆面DI室 #044】

目指せ!スポーツファーマシスト 【こちら覆面DI室 #044】

薬学部4年生のP君は囲碁の学生チャンピオンです。

「アジア大会で囲碁種目ができるんだって?」

そう、P君は囲碁の日本代表に選ばれたのです
(2010年のアジア大会では、囲碁が競技種目になりました)。

Facebook上でも、薬剤師の応援団ができます。

しかし大会決勝戦前日、風邪をひいて体調をくずしてしまいました。

遠征先の薬局で、かぜ薬を買って飲みます。
でもそのかぜ薬は眠くなる成分を含

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ご存じ?スポーツファーマシスト 【こちら覆面DI室 #043】

ご存じ?スポーツファーマシスト 【こちら覆面DI室 #043】

日本アンチ・ドーピング機構(JADA)が認定する
スポーツファーマシストは、
ドーピングの正確な情報・知識を持ち、
競技者を含むスポーツ愛好家などに対し、
薬の正しい使い方の指導、
薬に関する健康教育などの普及・啓発を行い、
スポーツにおけるドーピングを防止することを主な活動としています。

簡単に言うと、
アンチドーピングの勉強をした薬剤師を認定したものが
スポーツファーマシストです。

ドーピ

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自転車がパンク! 【こちら覆面DI室 #042】

自転車がパンク! 【こちら覆面DI室 #042】

私は職場まで自転車で通勤しています。

先日、夜勤明けで帰宅していたら、
途中で突然前輪がパーンとパンクしてしまいました。
何か踏んでしまったんだと思います。

「発砲事件か?」
と周りの方々の注目となってしまいました。

そこから、一番近くの自転車屋さんまで押して行ったところ、
なんと休業日!

 さらに押して行って、
2kmくらい離れた自転車屋さんへ駆け込みました。

「どうされました?」

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新年は大忙し 【こちら覆面DI室 #038】

新年は大忙し 【こちら覆面DI室 #038】

こちらは2013年の年始に書いたコラムです。
時期はずれなネタですみません。
このころは、コロナとか関係なかった時代ですよー

DI室の大切な仕事として、
製薬会社の方との新年のご挨拶があります。
「新年明けましておめでとうございます。今年も宜しくお願い致します」
と始まり、
「昨年は○○の件で大変ご迷惑をおかけ致しました」
(安全性情報で騒がせた会社や、供給が滞った会社)
とか、
「弊社は今年×

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ハイブリッドに仕事しよう 【こちら覆面DI室 #037】

ハイブリッドに仕事しよう 【こちら覆面DI室 #037】

筆者はときどき、医薬品情報や医療情報の分野で、
講演・執筆をさせていただいていますが、
そこで「ハイブリッドDI」を提唱しています。

電気とガソリンの両方で走るのがハイブリッドカーですが、
ハイブリッドDIはデジタルとアナログの融合です。

例えば安全性情報が発せられたとき、
院内情報誌などのお知らせを作成して情報伝達しますが、
最近は院内の電子掲示板やメールなどを使って伝達することが必至です。

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PMS重大ニュース2012 【こちら覆面DI室 #036】

PMS重大ニュース2012 【こちら覆面DI室 #036】

こちら覆面DI室、2012年最後のコラム
今は2021年ですので、9年前ですね。
懐かしく思い出してください。
ちなみにPMSとはPost Marketing Surveillanceの略で、
医薬品の製造販売後調査のことをいいます。

2012年、今年の最後の週刊アプローチ。
筆者のまわりではPMSの話題が多いので、
PMS重大ニュースを取り上げてみたいと思います。
といっても3大ニュースですけ

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機械屋はまだ大丈夫 【こちら覆面DI室 #035】

機械屋はまだ大丈夫 【こちら覆面DI室 #035】

週刊アプローチに連載されていた「こちら覆面DI室」を振り返って載せていますが、いよいよ2012年の最後の方の話になってきました。

忘年会シーズンです。
私も12月中に数件、予定が入っています。
皆さんはいかがでしょうか?

「今年はなかなかねー」
なんて声が聞こえそうですけどね。

(注:ここで言う「なかなかねー」はコロナ禍で忘年会ができないのではなく、MRさんが忘年会に出席することが規制される

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医療情報学会でもMRが 【こちら覆面DI室 #034】

医療情報学会でもMRが 【こちら覆面DI室 #034】

またまた2012年の話から

2012年11月15日~17日に新潟で開催された、
第32回日本医療情報学連合大会に参加してきました。

皆さんは、医薬品情報学は得意分野でしょうけど、
医療情報学はどうでしょうか。

そう考えてみると「医療情報って何?」と言う方が多いのでは。

医薬品情報は医薬品という「物」が中心の情報であるのに対し、
医療情報は「人」が中心の情報です。

患者情報を取り扱う処方せ

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薬が出てくる原点が見たい! 【こちら覆面DI室 #033】

薬が出てくる原点が見たい! 【こちら覆面DI室 #033】

最近は実習生や研修生が常に病院にいるような状況です。

DI室の実習で新薬のヒアリングに参加させているのですが、
MRさんには学生からの質問にも答えてもらっています。

学生ですので
「転勤多いんですか?」
「やっぱり給料いいんでですか?」
のような質問もアリです。

「なぜMRになろうと思ったんですか?」
こんな質問も多いのですが、
薬剤師資格を持つ女性MRのOさんは
「薬が出てくる原点を見たい

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