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こちら覆面DI室

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「こちら覆面DI室」は休刊となった週刊approach誌に連載されていました。 そのコラムを少しだけ改編して掲載しています。
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記事一覧

細かい気配りと細かすぎる気配り 【こちら覆面DI室 #064】

細かい気配りと細かすぎる気配り 【こちら覆面DI室 #064】

「薬事委員会の書類を提出させて頂きたいのですが...」

製薬会社の方が「書類」を入れてくるクリアファイルには、
会社名か製品名が入っていますよね。
(注:今は製品名を入れることは禁止されています)

それは、たいてい院内で再利用されています。

こちらから「書類」をクリアファイルに入れてMRさんに渡すときは、
その方とは違う会社のものになってしまうこともあります。

これは特に意識しているわけ

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暑いのに大変ですね 【こちら覆面DI室 #063】

暑いのに大変ですね 【こちら覆面DI室 #063】

「毎朝、暑いのに大変ですね」

筆者の施設では
朝、MRさん達が「おはようございます」と並んでいる場所があります。

暑いときも、寒いときも挨拶のために並んでいます。

そういえば
小学校の前にも子供達が並んで「おはようございます」と挨拶しています。

「あいさつ運動」などと呼ばれているそうですが
挨拶が自然に交わせるようになるための練習だそうです。

朝、声を出して挨拶をすると脳も活性化されま

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次お願いします 【こちら覆面DI室 #062】

次お願いします 【こちら覆面DI室 #062】

「この薬の特徴は、・・・となります。臨床成績のご紹介です。・・・、DI情報ですが・・・」

20代外資メーカーMRのTさん、今日は新薬のヒアリングです。

スライドのハンドアウトを使いながら説明をしているのですが、
聞いているうちに、どのスライドを説明しているのかよくわからなくなってきました。

筆者が医療現場に出たての頃は、
学会発表と言えば35mmのスライドフイルムを使っていました。
学会の数

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特別講演1をお願いします 【こちら覆面DI室 #061】

特別講演1をお願いします 【こちら覆面DI室 #061】

「先生! 今度、弊社の講演会で特別講演をお願いしたいのですが」

筆者もときどき講演依頼をいただくのですが、
”特別”講演となるとちょっと身が引き締まります。

「喜んで! で、特別講演って何分くらいですか?」
「10分くらいでお願いできればと思います。」

ちょっと苦笑いです。
10分の特別講演って、どんな会なんでしょうね?

「え、それって特別講演なの?」
「はい、先生はこの領域の講演がお得

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ダッシュで坂道を駆け上がる 【こちら覆面DI室 #060】

ダッシュで坂道を駆け上がる 【こちら覆面DI室 #060】

今回も、2013年に週刊アプローチ誌へ掲載されたコラムからです。

ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー・ー

先日、小学生の娘がアニメの主題歌を歌っていたのですが、
その中の
「ダッシュで坂道駆け上がっていこう!」
というフレーズが、妙に気になるんですよ。

筆者の実家は、山の中程にあります。
麓から坂道を上がって、階段を上って、ようやく玄関、
という感じです。

小学校も、実家のある山をさら

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新・三大「オヤジギャクMR」 【こちら覆面DI室 #059】

新・三大「オヤジギャクMR」 【こちら覆面DI室 #059】

以前「マツコ&有吉の怒り新党」というテレビ番組が、テレビ朝日系列で放送されていました。

その中に「新・3大○○調査会」というコーナーがあったのですが、
今回のコラムはそれを意識したものとなっております。

2013年の週刊アプローチ誌にこれを書いたわけですが、
正直、読者は「怒り新党」を知らない方も多いと思われますので、
私のコラムは何のことを言っているのかを、
編集後記のところに編集長が説明し

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本当にどうでもいい予想 【こちら覆面DI室 #058】

本当にどうでもいい予想 【こちら覆面DI室 #058】

今回のこちら覆面DI室は、2013年の6月頃に書かれたもの
9年前ということですね。
医薬品・医療機器等安全性情報の発行日が、
毎月水曜日なのか、火曜日なのか、、、みたいな話ですが、
はっきり言って、どうでもいいような話ですね。

-・-・-・-・-・-・-・-・-・-・-

最近、全然来てくれないの。
彼はいつも月末の水曜日に来てくれたのに、、、
4月はいくら待っても彼は現れなかった。
5月こそ

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神がやってきた 【こちら覆面DI室 #057】

神がやってきた 【こちら覆面DI室 #057】

明日は3社のヒアリングを受けることになっているのですが、
中堅メーカー若手MRのRさんは、
その3社のヒアリング後に割り込んで、
どうしてもヒアリングを受けたいみたいです。

筆者の施設では、ヒアリング後に宣伝許可となるのですが、
ヒアリング日を決めて、先々まで予約を入れてもらっています。

明日は、既に3社予約が入っていて、
次回も埋まっているので、
ふつうに考えたらもう少し先になってしまいます

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レセプトデータの抜け穴 【こちら覆面DI室 #056】

レセプトデータの抜け穴 【こちら覆面DI室 #056】

「オペ室に払い出した注射本数と、
レセプトの本数が全然合わないんですよ…」

医療情報システムのSEをしているQさんと話しているときに、
嘆いていました。

聞くと、オペ室で使用した注射薬をカウントするシステムを構築して、
某施設で運用を開始したとのこと。

カウントした注射薬の総本数とレセプトから出て来た総本数を確認して、
請求誤差を追求したいそうです。

使った注射薬の本数と、保険請求した本数

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きんいは… 【こちら覆面DI室 #055】

きんいは… 【こちら覆面DI室 #055】

最近、担当交代となった、がん専門MRのPさん。

まもなく発売となる抗がん剤のヒアリングを行っていました。

「えー、この薬のきんいですが、
1番目は妊婦または妊娠している可能性のある婦人、2番目は授乳婦、
そして、きんいの3番目は本剤の成分に対し過敏症の既往歴のある患者、
となっています...」

この彼、禁忌を「きんい」と読むので気になって仕方ありません。

ヒアリングのときって、会社でプレゼ

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久々のネガティブキャンペーン 【こちら覆面DI室 #054】

久々のネガティブキャンペーン 【こちら覆面DI室 #054】

はい今回も2013年に書いたコラムの再掲になります。
あの頃は、販売情報提供ガイドラインとか無かった時代ですね。

ふと私の机を見ると、
週刊誌FRIDAYの記事のコピーが置いてありました。

記事の内容は
『ドル箱降圧剤の論文撤回「有名教授と製薬会社の闇」』

これはネガティブキャンペーンですね。
どこかのMRさんが置いていったものです。
久々にこんなプロモーションしているのを見ましたよ。
誰の

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やる気を現場で感じとる 【こちら覆面DI室 #053】

やる気を現場で感じとる 【こちら覆面DI室 #053】

先に書いておきますが、
今回のコラムも、2013年頃に週刊approach誌へ執筆したものに、
少し付け足しました。
古さを感じる部分が各処にありますので、
あまり参考にされないように。。。

春先は塾や予備校のCMやチラシをよく目にしますよね。

でも、なぜみんな塾や予備校に行くの?
学校だけでは合格できないから?
浪人したから?

勉強は家でもできます。
わざわざ塾まで出かけて行く動機って何

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小児の薬って大変 【こちら覆面DI室 #052】

小児の薬って大変 【こちら覆面DI室 #052】

「小児科領域における医薬品情報の活用」
という講演を聴講しました。

小児に適応のある薬は少なく、ドラッグラグも生じています。

改善に向けて
「医療上の必要性の高い未承認薬・適応外薬検討会議」
で検討しているそうです。

全国の基幹病院32施設の薬剤部が協力して
「小児薬物療法におけるデータネットワークの実用性と応用可能性に関する研究」を行って、
適応外として処方されている薬の小児薬用量を調査し

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術前休薬をチェック 【こちら覆面DI室 #051】

術前休薬をチェック 【こちら覆面DI室 #051】

前回は入院中でしたが、おかげさまで退院できました。
いやー、やっぱり自宅はいいですね。
もうすっかり元気です。

入院前の外来で主治医と話したのですが、
最近は術前休薬にとても気を遣っているとのことです。

血小板凝集抑制作用がある薬は、
手術時に出血量の増大のおそれがあるので、
術前に休薬しておく必要があります。

例えば抗凝固薬のリバーロキサバンは、
添付文書の重要な基本的注意の項に
「本剤の

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