図1

「やる気を引き出す」から

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3点に注目したい。
 1.部下の”考える機会”を上司都合で奪ってはいけない
 2.あなた自身、職場、仕事、或いは会社の“これから”に対する対話機会
 3.ティーチング/フィードバック⇒ コーチング
関連代表記事 ベネッセ 2019/01/08 
 https://benesse.jp/kosodate/201901/20190108-1.html-----
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A これからは「人」の時代であるが、「人を重視することは、難しい」ということは既に述べた( https://note.mu/dialogue_of_j/n/na1091b659cdc )。企業経営に対して「人」という部分に注目すれば、最高の人財を獲得し、最高の人財が持続的にフルパワーで仕事できる環境整備が重要となるのは言うまでもない。


B 人の個性を活かし、人の持つ能力を発揮させ、人と人(チーム)としてのパフォーマンスを最大化する。いとも簡単に聞こえるが、聞くとやるとでは天と地ほどの違いがあり、特に大規模な「企業全体」として考えると、敢えて「ルール化」するといった仕組み化が必用となる。


A キーワードは信頼であり、特に、上司/部下間での信頼形成が重要となる。上司の仕事は、部下がイキイキと仕事をし最高のバリューを発揮し、チーム全体としてのパフォーマンスを最大化させる環境を整備することにある。


B 「環境を整備」というのは面白い。上司の仕事をマネジメントとして捉えて、目標・進捗管理やKPI達成へのコントロールと考えてしまうと、部下の力は開放されない。それは、常にコミュニケーションが、上司が知りたいことを中心に廻るためである。


A 上司としてチーム・個人のパフォーマンスを考えるのであれば、部下が1人1人、自分で考え学び進化しイキイキと仕事をしながら、チーム全体が一丸となる状態を目指す必要がある。この場合、上司部下間のコミュニケーションの基本形は、「部下の進化」という視点に立つべきである。


B 上司は基本的にニュートラルな立場をとり、部下が主体(主語)となった発言に対しては、(褒めなくてもいいが)否定はしない。ニュートラルな相槌や返答を駆使しながら、部下自身が思考し、悩み、独自の解に辿り着くことを支援する。


A このような、上司と部下が1:1で対峙する対話の機会を、しっかりと設定する必要がある。進捗管理などの会議は通常通り設けておけばよい。対話の機会をわざわざ、別途、設定する。「部下が本当はどう思っているのか」というスタンスをとり、目の前にいる部下を真に理解しようとする場である。部下がイキイキと過ごし成長することを目指す必要がある。


B 通常業務が忙しい中で30分程度の時間を部下一人一人に定期的に儲けるのは、抵抗があるかもしれないが、やってみればその効果を実感するハズである。四半期に一回飲み会をひらくのであれば、その時間を、隔月30分の対面での対話機会へと振り向けた方が、圧倒的に効果的であり、チーム全体の雰囲気までよくなる。


A 一部の部署や子会社で試験運用し、効果を確認したのであれば、経営陣コミットの状態で全社のルール化へと進む必要がある。この際に、目的をしっかりと「全員に」理解してもらうことを怠ってはいけない。特に上司向けの研修は有効である。更に、対話ボードのような共通フォーマットを準備しておくと、とっかかりやすい。このボードは、実行する中での意見を吸収し進化していく。


B 上司と部下の対話というと、話のネタがないようにも感じる。進捗管理に戻ってしまうような気もする。目的は「部下の成長、部下がイキイキと過ごすこと」であり、「部下主体の対話」であること肝に銘じる必用がある。上司が教えたり、命令したり、聞いているふりをしたり、過去の武勇伝をまき散らしたり…する場ではない。


A この対話の「ネタ」は部下が準備するのが基本だ。部下が何をもってきてもよい。ただし、視点は「あなた自身、職場、仕事、或いは会社の“これから”に対する対話」である。

 

B 上司の基本的役割は対話の中での、コーチングである。即ち、アクティブリスニングをベースとして、相槌、言い換え、オウム返し…などの適切な質問を駆使しながら、部下自身が考え、部下自身が道筋を切り拓いていく手助けをする。上司がどう思うか、上司が何を知りたいか、上司がどうしたいかは、まったく関係ない。グッと心の奥底に封印する。


A コーチングというのは手段であり、そうでなければならないわけではない。あくまでも基本スタンスである。会社のルールに対する質問のようなものは、考えるだけ無駄である。このようなものには、即回答をすればよい。


B 部下が考えるにあたり、不足した知識や視座が障壁になることがある。このような場合は、上司が部下に対して知識を提供したり、部下自身がどう見られているかを助言したりする必用がある。ここで終わるのではなく、この新しい情報をもとに、部下が考え、進化していく必要がある。即ち、ティーチング/フィードバック⇒ コーチングという流れが存在し、必ずコーチングによる部下の進化を目指すのが重要となる。


A 対話の締めくくりは、基本的には、「何を学んだかな?」である。そこから「では、どうしようか?」「何に活かせる?」「いつまでにやる?」といったコミットを引き出し、クローズするのがよい。


B 人の時代。思考力が武器になる時代である。自分が管理しないと不安になる気持ちはわかるが、部下を信頼し、彼ら/彼女らの能力を最大限に継続的に発揮させる仕組みを、考え、実験し、本格運用へと導く必要がある。 


/2018.01.18 JK

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