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教員勤務にタイムカード導入 +

 本稿の題材。何年も前に話題にのぼったワードなのですが、勤労社会を見渡して関連事項を思い巡らせてみれば、追究内容として未だに看過できない要素を含んでいる実状が散見されるようです。「直接的な実態ヒアリング」や「追い掛け調査」的なことを最近したわけではないのですが、想起するきっかけがあったので、以前の記事を再掲します📖

 

 学校教員の長時間労働に関しては昔から問題視されています。
 そこで、『勤務時間を客観的に把握するために、タイムカードやICT/情報通信技術 を活用して退勤時間を記録できるシステムの導入などを促した』という事案がかつて報じられたことがあります。数年前のことで、それ以前は3割にも満たない程度だったそうです。
 ここでは、その「業務の重み」や「環境改善」方面の話ではなく、仕向けられた上記の『勤怠管理』について、気になる点について触れたいと思います。

 タイムカードで記録した結果がどう活かされるのか、〔目的〕や〔効用〕がモヤモヤとしませんか?

 

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 タイムカードの役割とは何でしょうか?

①(時給制の場合は賃金計算及び)時間外労働の手当の計算根拠とするため

と思いたいところです。

 しかしながら、実社会では異なる機能・目論見もあるようで、本件もただ単に「校内に滞在していた事実」の時間幅を計るために記録を残させようという意図がある、

②単なる”把握”

なのかもしれません。

 

 だとしたら余計に「そんなもので正確に計れるとでも思っているのだろうか?」という疑念が浮かびます。遅くまで居ることがよくないとされる”空気”であれば、タイムカードを押した後に業務を続ける人が現れることくらい予想がつきますね。

 目的が①には及ばずに②止まりであるにもかかわらず(*1)、上記の”虚偽タイムカード”をさせないためにICTツール(見出し写真は原始的な機器を載せましたが、今やPC筋での勤怠管理システムが拡充しています)を導入して余分なコストをかけるくらいなら、その分を「手当」に回してほしいものです。

 結局は、これまで(時間建てで算出する仕組みは無く)曖昧であったものが新たな管理システム導入によって手当が厳密に支給されるようにならない限り、本質不在で効用の無い”まわり道”でしかない/カタチを整えようとするばかりの空虚なものであるように感じざるを得ません😩

 

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《関連事項の思考拡張》

 タイムカード的な勤怠管理といえば、パートタイム勤労が主な対象ですが、特に「残業」に関しては限定的ではなく広く適用されます。

 その領域についての事例を見てみると、”ブラック”を含めた濃い色のものや、納得のいく説明がつかない管理方針や体系の企業が様々あるようで、世間の事例話を聞くと時々呆気にとられます😞

①終了時間は本人に押させなかったり(=雇用主や管理職が”早め”に押す)、各日の残業の端数時間をカットしてから集計したり(*2)といった、経営側の強引な「残業手当支払減らし」がされる例

②タイムカードが無くて自己申告方式の場合で、残業時間計算の基礎となる日々の終業時間を【10分単位】で処理することを指定している(つまり同等にキリがよいと思われる15分や45分でさえも不可とされる)例
⇒「計算管理が煩雑になるから」という、当初(手書き台帳管理時代)の理由が未だに遺存しているのは、勤怠管理業務手法が向上していない問題

③残業時間が所定のラインを超えると、その勤務の内容や以後の回避策などの報告文書作成を、「本人に」義務付けるような本末転倒な体制
⇒「虚偽申告を促している」と気付くに容易い

 これらが慣習や”企業文化”となっていて社員の誰も異議を唱えない(かつ表沙汰にされない)点はある意味で非常に深刻な社会問題です😰
 ミクロな目線での危惧を言えば、真っ当な思考をもった優秀な人材は寄り付かずに離れていくでしょうね。

 

 疑念の焦点が飛躍してしまいましたが、(当時、中央省庁により発動された)掲題の目論見・はたらきかけに関してもやはり、問題解決のためのプロセス・思考としては、何ら結実しないように思えるのですが、皆さんはメリットを見い出せますか?

 

(*1)部活の遠征等だとリアルタイムに打てない点でも厳密性に欠ける
(*2)月間の集計値を出した上で端数を処理する、という手順は不適切ではない

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