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がん と 生きること

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#闘病

Vol.6_【がん】治療と仕事。つらいときに頼れる場所や施策は?①

Vol.6_【がん】治療と仕事。つらいときに頼れる場所や施策は?①

がんになって思ったことそれは、病院の探し方や必要な手続きがわからないということのほかに、「同じがん患者さんと話したい。繋がりたい」ということでした。だって、わからないことが多すぎるから。そして、手術や術後の生活など、次々押し寄せる不安について、経験者の話を聞きたかったのです。

お金や仕事のこと、公的に利用できる制度はないか、知識がある方に相談できて、いつでもいける窓口が欲しい。そんな思いも持ちま

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病歴19:抗がん剤治療終了から1年以上

病歴19:抗がん剤治療終了から1年以上

抗がん剤治療が終了して1年以上が経った。
ちょうど1年ぐらいして記事を書こうと思っていたが、その頃は調子もよくなかったので今になる。
その後の髪の毛のことや体調のことを書こうと思う。

6クール18回の抗がん剤治療が終了したのが2020年4月中旬。
5月頃から髪が生え始め、去年の今(7月)頃には帽子で隠さないようになっていた。
なにしろ、帽子が暑かったので、まだ髪は短かったけれども、隠すのをやめた

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病歴18:抗がん剤治療終了から3か月

病歴18:抗がん剤治療終了から3か月

抗がん剤治療が終了して3ヵ月が経った。
その後の髪の毛のことを書こうと思う。

6クール18回の抗がん剤治療が終了したのが4月中旬。
終わってからの一か月が、一番、体毛が減った。
頭髪は、前髪とうなじの一部を残し、かなり、つるつるになった。
丸刈りした人と異なり、毛根自体が眠ってしまっているので、薄青くならずに肌色のつるつるの状態。
まばらに髪が残っていたところがあるので、自分で見てもみすぼらしく

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病歴⑧:抗がん剤治療開始

病歴⑧:抗がん剤治療開始

退院して、一週間もたたずに、再び入院した。
抗がん剤治療の初回のためだ。
新しい髪形は、病棟や緩和ケアの看護師さんたちが驚かせた。
それが結構、楽しかった。

入院した日に、薬剤師さんから使用する薬剤と副作用などの詳細なインフォームがあった。
初日には、まず、吐き気止めの経口薬が処方される。
点滴の内容は、抗がん剤が2種類、それに、吐き気止めと、過敏症を抑える薬が加わる。
抗がん剤には、アルコール

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病歴⑨:髪が抜ける

病歴⑨:髪が抜ける

1回目の抗がん剤治療で大きなアレルギー反応を示さなかったことから、続けてやっていくことになり、早くも次の週には2回目の点滴を受けた。
2回目であっても、2-3日前から不安感が高まり、過呼吸を起こすのではないかと思うことが何度かあった。
3回目の時には、パートナー氏が付き添ってくれたが、その時に抜け毛が増えていないかと指摘された。
それまで自覚はなかった。
ちょうどその頃から、脱毛が始まった。

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病歴⑦:抗がん剤治療に向けて

病歴⑦:抗がん剤治療に向けて

前回の記事に書き忘れたが、退院前の術後治療についての話し合いの場で、医師からは抗がん剤の作用と副作用の説明と、抗がん剤では腫瘍は減らせるが消えないことも説明された。
抗がん剤がどんな風に作用するのかと言えば、その時の説明を覚えている通りに書くが、細胞分裂が活発な場所に作用するのだそうだ。細胞分裂が活発な場所は3か所。1つはがん細胞、2つ目は毛根、そして、3つ目に骨髄である。
がん細胞の細胞分裂を、

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病歴⑤補記:入院前にしたことと世界とのつながり

病歴⑤補記:入院前にしたことと世界とのつながり

私の卵巣腫瘍の病歴は、前回書いた「病歴⑤」でひと段落つけようかと思ったが、ふたを開けてみると、私の一年分の健康への不安であるとか、医師への不満であるとか、怒りの供養のような文章になってしまっていた。
そのために、ありがたくも怒ってくださる方や心配して下さる方がいらした。
この文章を書いている現時点において、私は主治医とそこそこ良好な関係を築いている、と思う。私がだいぶ慣れてきたというのもある。なん

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病歴⑤:再々発

病歴⑤:再々発

2019年は、不安から始まった。
2018年12月に受診した時に、腹水が増えていると指摘されたのだ。これで一気に不安が高まった。
秋頃から急に体重の増加して気になっていた。食事量に変化はないつもりだが、じわじわと体重が増えて止まらなかった。
そういう時は要注意だ。
次の予約は4月と言われたが、1月に再度受診。主治医には心配いらない、体重増加は肥満だと言われた。
違う意味で、ちょびっと傷ついた。

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病歴④:更年期障害がやってきた

病歴④:更年期障害がやってきた

書くかどうか迷っていたことがある。
婦人科のがんというものは、ジェンダーやセクシュアリティと密接なつながりを持っている。
乳がんの人たちは手術が外見に及ぼす影響を苦にされるし、子宮や卵巣がんは妊娠出産に関わるものだ。たとえば、伯母はその夫から「女じゃなくなった」と言われたと嘆いていた。
この私自身のジェンダーやセクシュアリティに関わる部分は、とてもプライベートであり、ナイーブな話題だ。
書くかどう

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病歴②:再発まで

病歴②:再発まで

なにしろ、私は物知らずで、よく分からないまま治療を受け、よく分からないままフォローを中断していた。
私の病名は、顆粒膜細胞腫という。
最初の一年間は「卵巣嚢腫」と言われていたが、手術をして、細胞を調べて、顆粒膜細胞の腫瘍であると診断がついた。
それでも、私はのんきなもので、「まあ、いっか」としてしまったのだ。
手術を受けた病院ではフォローは近医でと言われたし、近医は来ても困ると言われたし、いいって

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病歴①:初発時のこと

病歴①:初発時のこと

腫瘍が私の持病となって、10年以上が経つ。
ある人が、がん患者はなんでこうなったかと後悔するということをツイートしていた。
私も後悔していることがある。腫瘍になったことは防ぎようがなかったかもしれないが、こんなに再発を繰り返す事態は避けられたのではないか。
自分自身の無知と臆病が、現状をもたらした。私はそう考えている。
だから、これまでの経緯を改めて文章にしておこうと思う。
誰かが、似たような状況

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