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ちえのかたまり

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#ジェンダー

「どうなってもいい」と新人女性記者に襲いかかる刑事課長を許してきた『男社会の異常な環境』はどこまで変わったか

「どうなってもいい」と新人女性記者に襲いかかる刑事課長を許してきた『男社会の異常な環境』はどこまで変わったか

あふれるニュースや情報の中から、ゆっくりと思考を深めるヒントがほしい。そんな方のため、スローニュースの瀬尾傑と熊田安伸が、選りすぐりの調査報道や、深く取材したコンテンツをおすすめしています。

きょうのおすすめはこちら。

モヤモヤしながら生きてきた【第1回】立派な「男」になろうとしていた私署長が下に住む官舎に夜回りにきた新人女性記者を部屋に招き入れ、「どうなってもいい!」と叫びながら襲いかかった

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「ジェンダー・クィア」日本語版出版に向けて (02)マイア・コベイブさんってどんな人?

「ジェンダー・クィア」日本語版出版に向けて (02)マイア・コベイブさんってどんな人?

著者のマイア・コベイブ(Maia Kobabe, b.1989)さんは漫画家、作家として活動し、『ジェンダー・クィア』は、初の長編作品です。
ノンバイナリー・ジェンダーでアセクシャル(無性愛)を自認し、Preferred Gender Pronoun(希望する代名詞)としてジェンダーニュートラルな代名詞である e/em/eirを用いています。本作品では、マイアさんが自分自身の「性」のあり方に向き合

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Aジェンダー・マニフェスト(2020)

Aジェンダー・マニフェスト(2020)

 私たちはAジェンダーです。私たちは世のなかの殆どすべての人が持っているジェンダー・アイデンティティ(gender identity)を持っていません。このような私たちの生の在りかたを指す言葉が「Aジェンダー」です。
 いま、日本語圏でAジェンダーを自認する人はほとんどいません。英語圏にはそれなりの数の当事者を見つけることができますが、それでも、「Aジェンダーであること」をきちんと当事者が言葉にし

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復興と女性(いなかったことにされないために)

復興と女性(いなかったことにされないために)

ここのところ、ジェンダー問題への言及を増やしている。大きかったのは、『こころと文化』に寄稿した論文で、福島事故後の復旧過程におけるジェンダー問題を考察してみたことだ。

自分でも考察してみて驚いたが、復興のプロセスにおいて、女性の存在(活躍)が「なかったこと」にされていく動きが鮮明に浮かび上がってきた。そして、このまま黙っていたならば、まちがいなく私もいなかったことにされるのだろう、と確信を抱くこ

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【はじめに全文公開】「あなたが1人で、トイレで泣く日が来ないように。」女子を困らせる人を撃退する言葉の護身術! アルテイシアさん最新刊!

【はじめに全文公開】「あなたが1人で、トイレで泣く日が来ないように。」女子を困らせる人を撃退する言葉の護身術! アルテイシアさん最新刊!

『モヤる言葉、ヤバイ人』アルテイシア著を2021年6月19日に発売します。

「いい奥さんになりそうだよね」「あなたは強いからいいよね」「おじさん転がすの上手いよね」「女子力磨けば結婚できるよ」「子どもを産めば、仕事の幅が広がるんじゃない?」……

モヤる言葉に出会った時、「自分が気にしすぎなのかな……?」と怒りを飲み込み、笑顔で受け流してしまった経験はありませんか? 相手の方が立場が上のため強く

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書籍『さよなら、俺たち』

書籍『さよなら、俺たち』

清田隆之 2020 スタンド・ブックス

こういう論を男性が語るようになってくれたのかと、新鮮な驚きと喜びがわいてきた。
男性自身が、どのようにホモソーシャルな社会を体験して、内面化しているのか、そこを自ら振り返りながら言葉にしたものに触れる機会は、私はまだ少ない。
男性がどのように男性性を体験しているのか、男性に語ってもらわないことには、私は一応、女であるのでよくわからない。
そういう男性が書い

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開成のジェンダー観について、、、(エシカル100考、71/100)

開成のジェンダー観について、、、(エシカル100考、71/100)

2020年元日のそごう西武の「ひっくり返そう」広告に賛意を送っていた人たちと、昨年の「女の時代、なんていらない?」広告を振り返る会とかやると面白いかな、、とかどうでもいいことを考えています。

というのも、新年早々なんだかなーーな記事が配信されたわけで、今年もジェンダーについては絶賛121位を満喫する年になるのかと暗澹たる思いを抱いたのですが、それを見ないふりするわけにもいかないというか、これはN

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