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ちえのかたまり

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2020年11月の記事一覧

Aジェンダー・マニフェスト(2020)

Aジェンダー・マニフェスト(2020)

 私たちはAジェンダーです。私たちは世のなかの殆どすべての人が持っているジェンダー・アイデンティティ(gender identity)を持っていません。このような私たちの生の在りかたを指す言葉が「Aジェンダー」です。
 いま、日本語圏でAジェンダーを自認する人はほとんどいません。英語圏にはそれなりの数の当事者を見つけることができますが、それでも、「Aジェンダーであること」をきちんと当事者が言葉にし

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ひとつの応答として

この数年、ある種の正義を掲げる組織やシステムが、セクハラや性暴力の告発によって崩れ落ちるさまを見てきた。外部から閉ざされた「よきもの」とされた集団の中では、時としてさまざまな暴力が発生しがちであること、それは暴力とされず「被害」を訴える側に問題があるとされがちであることを改めて多くのひとに示すことになった。
長年アディクション臨床を通じて家族の暴力にかかわってきた私からすれば、それは遅きに失すると

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cakesのホームレス「取材」記事で考えた、「消費」する目線

cakesのホームレス「取材」記事で考えた、「消費」する目線

先日、「cakesクリエイターコンテスト2020」の優秀賞を受賞した作品、「ホームレスを3年間取材し続けたら、意外な一面にびっくりした」に、批判や違和感を訴える多くの声が向けられました。

「炎上」後の追記や修正などの経緯、問題点などについては、認定NPO法人自立生活サポートセンター・もやいの理事長である、大西連さんの記事に詳しい記載があります。

大西さんの記事で指摘されている通り、ばぃちぃさん

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毎日新聞の記事は間違い~愛名やまゆり園のミトンの人は、自分でドアを開けることができ、閉じ込められてはいない~

毎日新聞の記事は間違い~愛名やまゆり園のミトンの人は、自分でドアを開けることができ、閉じ込められてはいない~

1.はじめに何が事実か?
正しいと思っていたことが間違いだと知った時、間違ったものを間違っていると知ること・理解すること・認めることが大切だと、私は感じています。
ですから、事実を書きます。

このように書くと、「○○寄りだ」などという人もいますが、真ん中から両側を見た時に何が見えるか?というのが、私の視点になりますので、感情抜きにしつつ、両側を見るように心がけています。事実は事実なのですから。

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cakesの記事「ホームレスを3年間取材し続けたら、…」は何が問題だったのか

cakesの記事「ホームレスを3年間取材し続けたら、…」は何が問題だったのか

cakesの記事「ホームレスを3年間取材し続けたら、意外な一面にびっくりした」が炎上している。筆者も目を通したが、ホームレス・貧困支援に携わってきた立場としては到底看過できないと感じた。

(※元記事の拡散に寄与したくないので引用は控えます)

それでは当該の記事は何が問題だったのか。すでに多くの人が指摘しているように、ホームレスの人たちの居住空間を「異世界」と表現したり、その生活上の工夫について

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