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長編自己啓発ギャグ小説

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#継続は力なり

夢を叶えた五人のサムライ成功小説【高木京子編】9

この作品は過去に書き上げた長編自己啓発成功ギャグ小説です。

混浴でも男女、人のいりは絶えない。

それはひとえにごもく旅館の実績はもちろん、広告手段に能力が長けていたし、何よりも顧客のニーズを汲み取っていたからでもあった。

そのもっともに口コミ効果やメディアの活用だった。

最近の若者は大胆なのか、モラルに欠けているのか、ごもく旅館の混浴温泉の効能も後押しして利用客は後を絶たない。

ふと声の

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夢を叶えた五人のサムライ成功小説【高木京子編】8

この作品は過去に書き上げた長編自己啓発成功ギャグ小説です。

啓太が眠りに就いて夢の第三幕あたりを味わっている頃、温泉では大ハプニングが巻き起こっていた。

京子は大胆にも混浴にはいった。
タオルで身を隠し、温まっていたとき、背後からひとりの男が声を掛けてきた。

『お隣に浸かって温まっても宜しいでしょうか?』
『はぁ、別に構いませんが・・・』
『有り難う御座います』

京子は思わず見とれた。

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夢を叶えた五人のサムライ成功小説【高木京子編】7

この作品は過去に書き上げた長編自己啓発成功ギャグ小説です。

数分後。
『ふぅ~。かなり勾配のきつい坂道だったな』
『ほんとですこと、あなた。さぞお風呂が気持ちいいかと思います』
『ここをくだれば到着だな』
『はい』

二人はゆっくりと石段をおりていく。
見渡せる眼下の海辺から押し寄せる香りが、ほのかに風に揺られて鼻にはいっていった。

しばらくすると女将であろう。

確かに美しい女性が派手な和服

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夢を叶えた五人のサムライ成功小説【高木京子編】6

この作品は過去に書き上げた長編自己啓発成功ギャグ小説です。

三時間の乗車時間を経て、ふたりはごもく旅館のある駅に到着した。

さすがに三時間の電車移動となると街並みは姿を変えていく。

本当に旅館に来たのだなと思わせてくれる風景が広がる。

座りっぱなしでもちろん、ふたりのお尻は筋肉痛に襲われ、このときばかりは京子の意識は自身のお尻の鈍い痛みに囚われた。

下車し終えた啓太と京子は、鈍痛を抱えな

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夢を叶えた五人のサムライ成功小説【高木京子編】3

この作品は過去に書き上げた長編自己啓発成功ギャグ小説です。

玄関の扉がガチャリと開く。
コツコツとハイヒールの音が壁伝いに鳴り響く。

すっかり部屋着に着替えた京子は、買ったばかりの食材で啓太の好物のカレーを作った。
書斎から一歩も出ていないようだ。

京子はカレーが煮込むまでの時間、洗濯を済ませ一段落をつけた。
出来上がったカレーを吟味して、二階の書斎へと続く階段をあがった。

『あなた、食事

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夢を叶えた五人のサムライ成功小説【高木京子編】1

この作品は過去に書き上げた長編自己啓発成功ギャグ小説です。

高木京子は作家である高木啓太の妻であり、結婚して十年の月日が経過する。

幼少の頃から日記を欠かさず綴っている。
そんな京子は高校を卒業と同時に、住まい近郊に構えるフィットネスジムでレッスン生として通っていた。

現在の夫と出会い、引っ越してからも一年のブランクはあるものの新しい環境にも慣れ、再びフィットネスジムに通い始め三十年にもなる

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夢を叶えた五人のサムライ成功小説【川端雄平編】18(ラスト)

この作品は過去に書き上げた長編自己啓発成功ギャグ小説です。

数日後。

『さぁ、今日は林と雄平くんのコラボデビューの日だ』
林と雄平は威勢よく柴田に返事をした。
『はい』

その声は自信に溢れていた。
『お前らはふたりでこそ、頂点に立てる』
『頑張ります。やります』

いつしか数日間、降り続けた雪もやみ、交通規制もすべてが解除された。

会場入りする四人。
楽屋から客席を覗き込む。
200名はい

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夢を叶えた五人のサムライ成功小説【川端雄平編】7

この作品は過去に書き上げた長編自己啓発成功ギャグ小説です。

センチュリー吉田の歌が終わるまで柴田は、マシンガントークを浴びせる雄平の気持ちを強く受け止めていた。

由里の叫び声が聞こえる。
舞台でセンチュリー吉田と何か言い争っている。

雄平は急いで舞台まで走りだし、由里のシャツの袖口をつまんで引き寄せた。

『こんな奴にかまうなよ。どうしたんだよ、いったい』
『身体を武器にして音楽と男心を弄ぶ

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夢を叶えた五人のサムライ成功小説【川端雄平編】6

この作品は過去に書き上げた成功自己啓発ギャグ長編小説です。

手枕昌平
彼は三歳からピアノを習い、音楽を学び、小学生の頃に父親の影響を受けて、演歌を口ずさむようになった。

学生時代はそのためか、友人たちからオッサンと呼ばれていた。
現在はニートらしく、歌は下手くそだが心に響くらしい。

手枕に与えられたのは二曲。
Aメロを歌い出す。
下手だ。
とてつもなく下手だ。
音痴もいいとこだ。

だが、ど

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