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外添物語

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皆さんは日本人のお客様を対象する国内ツアーの添乗員は当然 日本人だと思っていますか。 普通ですね。 自分もそう思いました。 ところが、外国人なんてできないわけがないだろうと思いま…
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3-19. 歌いながらカステラを売る彼女

3-19. 歌いながらカステラを売る彼女



九州を周遊する観光バス旅の二日目、
今日泊まる予定の長崎へ向かう途中には
いつも一人の女性が合流しました。

高速道路PAでトイレ休憩後、
バスに戻られたお客様たちは驚きます。
僕からは妹ぐらい、
お客様達からは孫娘ぐらいの
綺麗な制服の女性、

彼女の正体は???

長崎の名物カステラ販売会社の職員でした。

旅行会社との契約で
バスは彼女を乗せたまま出発します。
長崎出身の彼女はバスに立っ

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3-18. 出入り禁止の添乗員

3-18. 出入り禁止の添乗員

「へえ?何か悪い事でもしたの?」

湖の水面上を余裕な顔で
エレガンスに浮かんでいる白鳥

しかし、その水面下には
必死の気で働く
足の苦労があります。

旅行業界の裏面もそうです。

添乗員なんて
基本的には
雇われる旅行会社側の
方針に従うのは
当然だが、

たまには、
人によっては
旅行会社の方針や傾向に対して
強く、繰り返して
反論を起こしたり、
改善を求める人もいます。

ケバケでもあり

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3-17.陥落

3-17.陥落

「全長798メートルで港区とお台場を繋げる吊橋で1993年完成されました。
ご覧の様に2階建てに構成されており…」

……

待ち合わせした、
地方からのお客様たちを乗せた
観光バスは都内観光の為、
羽田空港を出発します。

地元から東京まで
遠い旅を準備した
ワクワクさと
クタクタさが
バランス良く混ざり、

目の前に現れたのは
まさかの外国人添乗員さん

初対面の
気まずい重い空気は
例外なく

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3-16. ある錯覚

3-16. ある錯覚

僕がこの惑星に上陸して驚く一つは、

気候のスペクトル(幅)が多様ということです。

それによって自然環境もさまざ異なり、

生息する野生動物も多様ということです。

添乗員としてツアーに出ると

楽しみの一つは

神秘的な大自然、

そして、野生動物との意外の出会いです。

まだこの惑星すべてを回ったわけじゃありませんが、

もしかしたら、ここは神界ではないかというところもあります。

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3-15. 諦めた(?)二人

3-15. 諦めた(?)二人

2017年3月

富士山辺りはまだまだ冬でした。

日本で一番早くオープンするスキー場で有名な

富士山二合目のスキー場「イエティ」

青空に真っ白の世界がとても綺麗な風景。

「はあ~」

ドライバーさんと僕

同時に深いため息をしました。

その理由は寒さなのか嘆息なのか。

……

添乗員になってから3年目で

初めて外国団体のアシストを任せました。

アシスト?

一体、何をアシストする?

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3-14. 意外の洗足式(優しいドライバー)

3-14. 意外の洗足式(優しいドライバー)

「何か匂いますね。」

バスの空気に載った正体不明の強烈な匂いは

あっという間に出発を目前にした車内を支配しました。

やばい(?)匂いでした。

僕のコメントにバスのあちこちから

嘆声(?)が出てきました。

「臭い!」

「やばくない?」

???

何の心配もなく、

多くのお客様に付いて

一緒に出たツアーが

懐かしい感じを超えて

もう非現実的な話に感じる最近です。

一緒に観た美

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3-13.添乗員として決してやってはいけない!「3ミス4悪」

3-13.添乗員として決してやってはいけない!「3ミス4悪」

人間は生きている間

大きくて小さなミスをします。

人間だからです。

それは、見方によっては

人間らしさとも言えますが、

サービス業、

観光業界、

添乗業界では許せないミスと行為があります。

いわゆる、3ミス4悪といいましょう。(これは研修の時教えてもらった内容です)

まず、添乗員として絶対やってはいけない最大ミス3つを挙げでみたいです。

何があるでしょうか。

<添乗員3大ミス

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3-12. 旅の裏(怪しいドライバー)

※写真は本文と関係ありません。

日常から離れて
くたびれた体も心もリフレッシュする為出る
旅ですが、
たまには不幸な事件や事故に巻き込まれてしまう事もあります。
お客様も、乗務員もできるだけ避けたいですが、
なかなか予測出来ない事が多いです。

重ねる仕事のせいか疲れては見えたけど
40代半ばくらいで大人しく見えるドライバーさんは
とこでも会える普通に良い印象の方でした。

添乗員になってから初

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3-11. 地元のお客様

3-11. 地元のお客様

添乗員として働くと様々なお客様と出会います。

自分の所属が東京なので東京のお客様たちを地方旅にご案内するケースが

一番多いですが、逆に地元から上京されたお客様たちを都内旅にご案内するケースも少なくありません。

もちろん、人にもよりますがやはり地元のお客様は割と純粋な方が多いです。(東京のお客様が純粋じゃないと意味ではありません。(+_+) )

おそらく、昔の日本人の心が残っている(?)感じ

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3-10.「一本目ツアー」花火大会

3-10.「一本目ツアー」花火大会

「夏」といえば皆さんはどんなイメージが浮かびますか?

何と言っても「花火」ですね。

全国規模を誇る新潟県「長岡花火大会」とかロマンティックな「諏訪湖花火大会」、前編「2-5.鞭も先に打たれた方が良い!」で述べた「ミュージック花火大会」など日本全国で数多くの花火大会があります。

夜の空を描く綺麗な花火は見るだけでロマンティックムードになり

恋にも落ちやすいし、それぞれのプライベートイベントに

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3-9. 添乗員の作業ー電車、地下鉄ツアー

3-9. 添乗員の作業ー電車、地下鉄ツアー

団体ツアーといえば大体、
観光バスや新幹線、特急列車、飛行機、船利用する
イメージですが、
場合によっては電車や地下鉄も利用します。

うん...
考えてみるとそ[りゃーそうだな。]
という納得する方もいると思います。
確かに、地元の観光地では美しいローカル線も走っているからですね。

海にそって走るローカル線はまるで
暗黒の宇宙を宝石の様にキラキラ照らす
流れ星みたいな存在ではないかと
僕は思い

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3-8. 意外の増員

3-8. 意外の増員

皆様、今晩は。

東京は今夜から明日まで大雨が降りそうです。

共に6月もあっという間で過ぎていますね。

今度は全く面白くない話(?)をしようと思います。

前回でも述べましたが、団体ツアーで人数確認は添乗業務の基本で命と同じ的な物です。

集合する度に、

出発の前に、

チェック!またチェック!

そして、チェック!

再びチェックです。

エピソード1

思われる最悪な場面は高速道路SA(

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3-7. 添乗員の作業ー航空機、船舶ツアー

3-7. 添乗員の作業ー航空機、船舶ツアー

そもそもツアーそのものが旅行者をわくわくさせる要素ですが、

陸上手段である、バスや鉄道とは違って

飛行機や船を利用するツアーは

ただ、搭乗、乗船し、青空を飛んだり、青い海を見るだけで

興奮します。

これは団体ツアーでも同じで、

お客様のその期待感を満足させるように

きちんと事前調査や頭中のシミュレーションをするのが大事です。

1.航空機を利用する団体ツアー

国内ツアーの場合東京基

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3-6. 期間限定の滝

3-6. 期間限定の滝

梅雨に入りました。

COVID-19以前,

添乗員の時代を振り替えてみると

こんなに熱い夏の時も、僕は意外と涼しく過ごしました。

そもそも、夏のツアーというのは

当然、暑さから避けて涼しいところへ向傾向があるからです。

北海道までは行かないけど、

思い出すのは富山県の立山アルペンルートです。

言うまでもない、黒部ダム

20メートルまで迫る「雪の壁」(これは春限定)

神様の領域、

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