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ラトヴィアから、女性の強さと脆さを学ぶ「ソビエト・ミルク: ラトヴィア母娘の記憶」

<文学(20歩目)>
バルト三国のラトヴィアから、女性の強さと脆さを学ぶ。(特に、女性の心の理解が不足する男性は必読です)

ソビエト・ミルク: ラトヴィア母娘の記憶
Nora Ikstena (原名), ノラ イクステナ (著), 黒沢 歩 (翻訳)
新評論

「20歩目」はバルト三国と呼ばれるラトビアのベストセラーから、「生き方」をしみじみ吸収して、祖母・母・娘の関係の強さを学ぶのに最適な作品です。

私ははずかしなら、この作品の前に、ラトビアの文学は一度も読んだことありませんでした。

何気に読みましたが、「すごい」作品だと感じました。この作品の舞台は旧ソヴィエト連邦のラトビア共和国。

浅学の私には、うかがい知れない世界なのですが、「才能あるも未来を閉ざされる人」の物語です。この「才能あるも未来を閉ざされる人」はどこの国にもいます。(決して、旧ソヴィエトだけの話ではない)

しかし、描き方がノラ・イクステナさんは秀逸です。

私は、この悲しい現実を生きる「母」に感情移入しながら、能力に秀でて強く生きる娘を見守りました。

特に「母」が感じた自由の無い国に生きて「ソビエトに生きる自分の体は毒されている」と感じて、母乳を与えない選択をした。

ここの一節に深く感じ入り、「自由」とは何かを考えさせられました。

また、現在ロシアとウクライナの戦争が起きていますが、「多民族」で民族に関係なく同じ時代を生きていくことが大切で「分断」により問題が浮かび上がったことがとても強く訴えられています。

何処の世界でも同じようなことがあるのでしょうが、娘2人を持つ父として、この様な才能の大いなる無駄遣いは、深みの無い言葉ですが「私の世代」でもう過去のものにして欲しいと痛切に感じました。

マイナーな作品ながら、「愛(love)」を強く感じる良品でした。著者の本をもっと読みたい(翻訳がない)と感じました。
マイナーながら、強くおススメです。

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