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仲間はずれ記事

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どのカテゴリにも入らない「仲間はずれ記事」をまとめています。でも一番内容が濃かったりする……
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記事一覧

幼なじみ④(完結編)

幼なじみ④(完結編)

社会人になって最初の年のゴールデンウィークに帰省して以降、私は地元に帰ることを友人に知らせるのを辞めた。

連絡をすれば、必ず「じゃあ、みんなで集まろう」となるし、会えば当然それぞれの近況を話す事になる。

しかし私は就職して時が経てば経つほど、仕事に、というか自分に自信を失っていた。(この辺りの理由については過去記事に書いているが、この頃から私は自身の特性に悩み、現在に至るまで転職を繰り返してい

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幼なじみ③

幼なじみ③

特別、都会の生活に憧れがあるわけじゃなかった。

不満や不安や、そのほかいろんなものが入り混じって悶々と過ごしていた高校の頃、そこから早く抜け出したくて、どこでもいいから別の場所に行きたかった。

で、たまたま求人票で見つけて、運良く私を採用してくれた会社が東京にあっただけのこと。

『新生活に心を躍らせる』とか『フレッシュマン』なんてキラキラした言葉は、自分からずっと遠いところにあるような気がし

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幼なじみ②

幼なじみ②

卒業を間近に控えた私とK君に、ちょっとした事件があった。

事件、というと大袈裟かも知れないが……いや、「K君から告白される」という思ってもみなかったことが起こったのだから、やはり事件だ。

少なくとも私にとっては。

その日、いつものようにウチに遊びに来ていたK君から(前後の流れなど覚えちゃいないが)いきなり真顔で「実は、好きだったんだよね」と言われた時は、まるで予期せぬ方向から速球を投げ込まれ

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幼なじみ①

幼なじみ①

先日、中学の同窓会の通知が来た。

私の期の幹事は割とマメで、20歳の成人式以降、5年ごとに同窓会が開催されている。

今年がちょうど前回の同窓会から5年目。

今回の開催は微妙だな〜と思っていたのだが、どうやらやることに決まったらしい。

ただ私は、その日どうしても都合が悪くて参加できない。現在他県で暮らしているけれど、地元からさほど遠くないので今までの同窓会の出席率は割とよかった。でも、まあ仕

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星新一と素ラーメン

星新一と素ラーメン

人生において最初の読書体験といえば、たいていの場合絵本からだと思う。

私も例に漏れずそうなのだが、少しだけラッキーだったかなと思うのは母親が保育士で、めちゃくちゃ読み聞かせが上手かったこと。

我が子相手でも一切の手抜き無し、変幻自在の声色で物語のどんなキャラクターにもなってしまう母の読み聞かせは、いつも一瞬で私と妹を物語の世界に連れて行った。

例えば超有名な『ねないこだれだ』などは、出てくる

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ビリビリに破かれたポスターに涙した日

ビリビリに破かれたポスターに涙した日

現在無職、絶賛引きこもり主婦爆進中のねこ山ねこ子です。

仕事を辞めてからというもの、人付き合いは無に等しいですが(今日会ったのは夫だけ、という日もザラ)、この状況でなくても私はもともと友達が少なくて、あまり人と深く関わることなくここまで来ました。
年々その傾向は強くなり、今がその集大成という感じです。

で、ふと思ったんですよ。
そういえば、子供の頃は自分のまわりにもっと人がいたような気がするな

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