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おりたらあかんの読書ログ

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年間100冊を15年間続けてきました。でも、本当に知らないことばかり!というかアウトプットがまだ少ないなあと感じています。過去に読んだ本は「読書ログ」としてまとめてきたので、それ…
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#アート

吉荒夕記「バンクシー 壊れかけた世界に愛を」美術出版社

吉荒夕記「バンクシー 壊れかけた世界に愛を」美術出版社

バンクシーに、はまった・・。知れば知るほど、ワクワク感がとまらない!

彼を生み出した土壌はイーストロンドン。いわばスラム街。ストリートアートやグラフィテイのあふれる「アンダーグラウンドでアナーキーな」街、プリストルで育まれた。多様性に溢れ、権力に媚びない街・・。そこを拠点に活動し続けた。だからこそ、バンクシーは覆面アーチストで居続けられるのだそうだ。「プリストルの英雄」バンクシーは市民が守ってい

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勅使河原純「アンリ・ルソーにみるアートフルな暮らし」ミネルヴァ書房

勅使河原純「アンリ・ルソーにみるアートフルな暮らし」ミネルヴァ書房

同世代のピカソやアポリネールをも唸らせた熟年アーチスト「アンリ・ルソー」。30年間のサラリーマン生活の中で週末アート修行を重ね、絵画だけでなく演劇、劇作、俳優、バイオリン、フルート、作曲とありとあらゆる才能を発揮したマルチエンターティナー!職場では異端視されながらも、セカンドライフでは一際輝き続けた男!ある意味「新たな分野」を開拓しつづけた男である。

俺は彼の生き様にかなり重なる部分を感じた。

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志村洋子「色という奇跡 母・ふくみから受け継いだもの」新潮社

志村洋子「色という奇跡 母・ふくみから受け継いだもの」新潮社

筆者の母、ふくみは「藍建て」の匠、重要無形文化財保持者志村ふくみである。30歳で母親の世界に入った染色作家。色に対する見方が違う。

「藍色の深い精神性と知性・・宇宙の摂理が言葉と同じように色彩で語られるのを待っている」

「濃紺から薄い水色までの濃淡を微妙な移り変わりで揃えると、神聖な世界が藍の色だけで立ち上がってくる。色彩のグラデーションによる聖別(境界)は他の色ではありえなく、藍にだけおこる

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和多利月子「明治の男子は星の数ほど夢を見た」産学社

和多利月子「明治の男子は星の数ほど夢を見た」産学社

副題は「オスマン帝国皇帝のアートディレクター山田寅次郎」とある。著者の祖父なのだそうだが国交もなかった時代にトルコと日本の架け橋になった人物なのだそうだ。実業家、茶人、茶道宗猵流の第8世家元であるが、明治25年(1892年)にエルトゥルールル事件の義捐金を届けにトルコに渡って以来、日本とトルコの交流に深く関わった人物としても知られている。日露戦争前の日本がトルコを重要拠点とみていたこともあるが、何

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内沼晋太郎編著「本の未来を探す旅 ソウル」朝日出版社

内沼晋太郎編著「本の未来を探す旅 ソウル」朝日出版社

5年前に呼んだ本だが、感覚はまだ新鮮!当時ソウルで流行った面白い本屋はいま全国でさらにユニークに展開をしている。

韓国の個性的な本屋が熱い!「本の逆襲」を書いた著者がソウルを訪れ、個性的な本屋を探検している。「韓国から学ぶ」という考えに乏しい日本人にはなかなか手がでない本かもしれないが、俺の目にはまっさきに飛び込んできた一冊だった。このムーブメントを日本ではほとんど扱ってない。「韓国の出版界は日

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