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2023年3月の記事一覧

修羅の涙が

修羅が涙を流したならば
うつろわざるものではなく
うつろうものになるだろう
下賤な人に落とされて
持ちうる全てを失くすなら
修羅の儘死んでくれないか
誰にも汚されない様に
誰にも傷付けられない様に

行き過ぎた天国

外国を彷徨う異邦人は
行き過ぎた天国を探して
当ての無き道を進む
帰る国を失くしても
飛べない鳥の世に
空を羽搏こうと足掻く
虚しくて狂いそうな夜が
少しずつ心と體を蝕んでも

チープダンス

諫める夜に
チープダンスを
逃げ場のない朝に
チープダンスを
皆が渇いて
今にも崩れそうだ
言葉には出来ない
心を抱え過ぎて

ディズニー・パレード

夢の国で王様は
眠らない夜を進む
観客はその姿に歓喜して
なけなしの札束を注ぐ
まるでジャンキーみたいに
それを止められやしない
君も会員に為らないか
そうすれば下らない人生が
色を付けたよに輝き出すと
幸せな人は話し続ける
夢は必ず醒めるんだぜと
言い残し私は消えた
灼けた鉄の香りが残る君津へ

見えない銃弾

見えない銃弾に
撃ち抜かれ
地面へ倒れる
ならず者
何処までも不自由な
この世界で
彼は解放された
柵の無い場所へと

遠い夜明け

国に帰る事も出来んと
あんたは嘆くけど
それは俺も変わらんよ
何かに流されて
生きていくのはしんどい
だから遠い夜明けを
何時も待っているんよ
数え切れんほどの
自分ば押し殺してさ

氷の女王

永遠に心が
壊れない様に
氷の女王は
自らの魂を凍らせた
そうすれば
哀しみから
逃れられると
信じていたから
淡い願いは叶わず
その心は砕け散った
跡形すら残せずに

汝、罰無し

酸性の雨の中
傘を差さず踊る少女
それが自由だ
だから私は人を殺める
幾ら罪を重ねても
罰の見当たらない世界で
貴方達は何を求め
一体何に縋るのか
私は一切興味が無いんだ
さあ好きに生きようじゃないか
救い亡きこの世を共に

愚者の宴

愚かな罪を犯す者は
宴でその禊を
落とそうとする
鋳造された神に
赦しを乞うまで
愚者の宴は
終わらず回るのさ
命が一巡するまで

戯曲の死神

左目のジュリーは
過去を振り返らない
今しか生きれないから
偶像に祈る聖職者
その十字架は貴方を
救わずに眺めるだけ
それでも離れられない
人は弱い物だから
儚く脆い夢だから

ダンスシューズ

エナメルの
ダンスシューズが
ロックンロールを
奏でる瞬間
皆が震えるだろう
少女の魔法の様に
誰も動けず
凍り付くだろう
名前の無い
祈りに似た呪いの様に

メリーのチョーカー

メリーが首に付けてる
素敵なチョーカー
彼女は美人じゃないけど
何時だって優しくて
僕を助けてくれる
月日が過ぎ去って
何もかもを忘れても
君のチョーカーを思い出す
僕はそんな気がするよ
凍れ切ったこの街で
彼女をを抱き締めよう
左胸の鼓動が止まっても

クーリーレプリカ

自分の思想を声高く
街中で叫ぶ政治家
そんな事どうでも良いぜ
俺はクーリーレプリカを飛ばす
貴方の事は嫌いじゃないけど
お決まりの言葉で誤魔化す女
そんな事どうでも良いのさ
俺はクーリーレプリカを飛ばす
それはとても美しく
俺だけを震わせてくれるから
轟音の波に揺られて
ルート246を流すのさ

一欠片

夜を吐き出す白猫は
不敵なジルバを踊って
一欠片の思い出を
抱き締めて眠れない
夜を延々と繰り返す
朝焼けが眩しくて
何度自殺を繰り返しても
そのたびに生き返る
呪いを悪魔に掛けられた
罪を刻み続けた體に