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小柳とかげ
2021年8月31日 20:50
西日はまだ眩しくて、僕はただ一人でそこに立つのは避けたかった。そそくさと逃げるように少しだけ薄くなった影の中に入る。八月の中盤に雨が降り続いた時、その寒さに夏の終わりを感じて寂しくなった。終わられたら困るよ、僕はまだ何も出来ていない。どうしようも無い夏の孤独感は、冬を感じることでより濃くなった。だけど、夏という季語を使えなくなった日々にまたあの暑さが舞い戻ってきた。暴力的な日差しは、僕
2021年8月24日 20:20
もう終わるらしい夏休みの空を見ることなく部屋の中ひとりぼっちで吸う息にとくとくと輝いた愛のなさめぐる命の空き箱は何かを思わすことも無いさおさおさお竹の音がどこからか聞こえるのさおさおさおまた聞こえるそれは猫の悲鳴をかき消すためにマスクから開放され入ってくるのは青の音侵食していくその色はまぶたの裏に焼き付いた
2021年8月19日 19:16
大きな交差点で私は立ち尽くしたくなった。車窓から見えたその交差点は六叉路で、横断歩道なんてなかった。ただ、車が行き交う上を幾つもの歩道橋があるだけ。日頃から、私はなんてちっぽけな存在なんだろうと思っているけれど、夕焼けが赤く染っていたら綺麗だと思うし、海を見ると広いなぁと思うのだから何も考えていないも同然だった。ものとして運ばれる通勤快速は、私の一部となり得るだろう。地球の足の指の間みたい