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オキニ

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#エッセイ

【エッセイ】なんかビビッときたもんで。

【エッセイ】なんかビビッときたもんで。

たいていの人は、
自分が本当はなにが欲しいのか
心の中でわかっている。
私もあなたも、例外なく。

本当に手にしたいものが
目の前を通り過ぎようとしたとき
人はとっさに手を伸ばそうとする。

それが彼方100キロメートル先の
夜空を駆け抜けようと、
わずか20センチ先の
お寿司のレーンを駆け抜けようと。

いわゆるそれが「直観」であり、
その手を止めるのが「論理」である。

『あれが欲しい』
と直

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優越感のために彼氏をつくる

優越感のために彼氏をつくる

私は大学3年になるまで、
彼氏が出来たことがありませんでした。

大学の周りの友達は可愛いく、明るい子ばかりで、
大学に入る前から
告白されたことも彼氏がいたことも
もちろんありました。

そして、大学生の間も新しい彼氏ができたり、また別れたりを繰り返し、
私は
その愚痴やまたは惚気話を聞くだけでした。

私と同じように彼氏がいなかった高校の時の友達も
大学生になると
みんな恋人ができて、
私には

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【エッセイ】シャッターボタン

【エッセイ】シャッターボタン

今日も私は小走りをして、
生き急ぎながら、生きている。

私の目の前に広がるこの世界は、
恐らく誰のそれよりも美しい。

あまりに美しいこの景色たちは
一秒ごとに色や形を変え移ろうものだから、
毎秒シャッターボタンを押すのに忙しい。

ああ、この世界を完璧にフレームに収めて、
あなたにも見せてあげられたならどんなに素敵だろう

スマホのカメラはいつもバッテリーが切れそうだし、
一眼レフは少し荷物に

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【エッセイ】雨に降られて

【エッセイ】雨に降られて

木曜の午後5時過ぎのこと
車で帰路に着いていた私は
突然の雨に降られた。

瞬く間に水玉模様へと衣替えする
透明なフロントガラスと
ルーフを叩く水音のリズムの速さが
この雨の強さを物語ってる。

鋼板に守られた私は呑気にも
時速40kmで街中を走る車内から
傘を忘れた人々を眺めていた。

ランドセルを背負った少年は
雨が体を濡らすことなどものともせず
歩道を一人、闊歩する。
ランドセルに仕舞ってあ

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私は、自己承認欲求の塊なので。

私は、自己承認欲求の塊なので。

892人。これは、私のSNSの総フォロワー数。
Instagram、Twitter、Filmarks、note等
あらゆるSNSに私のフォロワーがいる。
私は有名人でもなんでもなくて、
ただの大阪在住のOL。
そんなただの一個人の私の自己表現は、
892人の人たちに届く。
892人の人たちに晒される。

SNS上に個人がアカウントを持ち、
写真や絵や映像、言葉など様々な表現を
世の中に対して自由に

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