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【お礼とご報告】Amazon 売れ筋ランキング: 無料タイトル - 64位Kindleストア。教育学1位達成しました
3つのカテゴリで1位は達成出来ませんでした。応援して頂いたのに、申し訳ないです。 全体一位は及ばないけれど、教育学(生涯教育)で、1位を達成できて、励まされています。 ダウンロードしたり、気にかけて下さる皆様のおかげです。ありがとうございます! 僕自信はストライカーやアタッカーではなく、味方に支援魔法・強化魔法をかけることが向いていると考えています。 全力でお守り作りました。 今回の挑戦と失敗から学び、また挑戦者になります。そうすれば、より良いものをお届けできると信じ
前社長の訃報を知る【音声と文章】
会社の経理事務員の募集があり、面接を受けた。 入口付近の待合室は20代~30代くらいの女性で溢れていた。 どうやら面接の時間が長引いているようだ。 待っている人の中にミズハさんがいた。のり子たちは小さくお辞儀をした。 あー、彼女も受けるのか。 実務経験では私が負けるなぁ。 面接が終わり会社を出たらミズハさんが待っていた。 「久しぶり~。時間ある?ちょっとお茶しない?」 二人はミズハの行きつけの喫茶店に入り、あれからどうしていたかをお互い話し合った。 彼女とのり子はつい1年前まで同じ会計事務所で働いていた。 仕事では彼女の方が経験は長い。 「あぁ、一般事務ではなく、決算までできるから今日の会社を受けたけれど きっと、ミズハに軍配が上がるかも。ま、仕方ないか。次、探そう。」 彼女と別れて小物のショップに入ろうとしたら、携帯電話がなった。 それは、先ほど面接を受けた会社からだった。 面接官の真ん中に座っていた専務さんからだった。 そして、なんと、のり子が選ばれたとのこと。 やっと決算ができる。普通の事務では物足りなかったから嬉しさがこみ上げてきた。 しかし、電話口で、「では、来週の月曜日から来てください。」と言われた。 面接の時に、入社日のことは言われなかったので 3週間くらいの猶予はあると思っていた。 今のり子は会社に勤めている。突然、数日で会社を辞められるほど、半端な気持ちで仕事はしていない。 いくら就職したい会社からOKをいただいても、今の会社に不義理をする事はできない。 のり子は専務さんにお伝えした。 「申し訳ございません。入社日がそれほど早いとは思っても見ませんでした。 今の会社を突然辞めるわけにはいきません。 とても嬉しいお話ではございますが、今回のお話は無かったことにしていただけませんか。」 あーぁ、きっと、ミズハになるかもな。 落胆して電話を切ろうとしたら、電話口から次の言葉が出てきた。 「いやいや。私はあなたに来てほしいんだ。」 「今の会社をすぐに辞められないのなら、社長さんにお願いしてみてください。 なんなら、私から社長さんに話してもいいんだよ。」 いくらなんでもそれでは大人として恥ずかしいから、自分から言いますとお答えした。 次の日、社長へご相談をした。どうやら、社長と面接先の専務さんとは一緒にゴルフをされる仲のようだ。 そして、社長に快諾していただき、のり子は晴れて面接先の会社へ入社することができた。 人事や財務関係を担当されている専務は社長と同等くらいの権威がある方だった。 のり子は専務からたくさんの仕事を任され、たくさんの事を教えていただいた。 やがて専務は社長になられ、のり子は秘書的立場になった。 社長はお話が好きな方で、経営のことで思いついたことをよくお話されていた。 長い時は2~3時間、話が続いた。 たぶん、自分の考えをアウトプットするたたき台の段階でのり子に話をされていらっしゃるのだろう。 社長のお話が終わり、のり子が社長室を出る時、足が棒のようになり、ロボットのような歩き方をしていたのが今では笑い話になっている。 のり子は13年くらい社長にお仕えし、そして社長は退任された。 その後は社長にお会いすることはなかった。 毎日の慌ただしさに流され、あっという間に2年が過ぎた秋、社長の訃報を知った。 頑固な方で、怒ると頭からやかんの湯気がのぼっているようだった。 社長は旅行が好きで、社員旅行の行程には必ず社長のご意向が入っていた。 叱られたことも何度かあった。なぜか無視された冷たい期間もあった。 でも、今は丸いお顔に薄い髪が左から右に流れて、目じりにたくさん皺をよせて 微笑んでいる社長のお顔が思い出される。 良い時代だったと思う。 前社長のご冥福をお祈りいたします。 note毎日連続投稿2000日をコミット中! 1966日目。 ※聴くだけ・読むだけ・聴きながら読む。 どちらでも数分で楽しめます。#ad #66日ライラン
新入社員リョウスケ(ショートショート)【音声と文章】
またあの上司に叱られた。 上司はどうでもいいことで僕を非難する。 いつも渋い顔をしているが あんな冷たい言い方ないだろ。 あの冷酷な態度、直したらいいのに。 でも、僕が上司を変えることはできないよな。 朝、人事部の憧れのリョウコさんと エレベーターで一緒になった。 やったぁ。 しかも二人っきり。 彼女は右側のボタンの前に立ち、僕は斜め左を向いていた。 エレベーターは静かに上に吸い込まれていく。 まるで僕の天にも昇る気持ちを表しているようだった。 やがてエレベーターが開き、彼女はこちらに一礼し、ほのかな香りを残して下りて行った。 僕の身体の周りに彼女のエネルギーの輪が発生し、僕が動くと同時に その輪も付いてきている気がした。 まるで彼女と世界を共有しているような感覚だ。 たったそれだけで、僕は今日一日、良いことがありそうな気がした。 少しにやけた顔で営業二課のドアを勢いよく開けた。 すると丁度、上司と目が合った。 僕は満面の笑みで「おはようございます!」と元気に挨拶をした。 いつもは下を向いてボソボソ挨拶をするのだが 僕は今、リョウコさんと一緒に居るのだと思うと相手があの上司だろうが嬉しくてしょうがなかった。 朝礼が終わり、上司に呼ばれ仕事の指示を受けた。 僕ははきはきと答え、机に戻った。 概ね終わり一部不明点があったので僕は上司に確認をした。 上司は「おっ!」という顔をされ、目じりに皺をよせて優しいまなざしで僕を見ていた。 それはこれまでに見たことのない笑顔だった。 その後、出来上がった書類を上司に提出した。 上司は書類に目を通し、にっこり微笑みながら「良くできているね。ありがとう。」とおっしゃった。 あれ? あのいつも怒ってばかりの上司が僕にありがとうって言っている。 どうしたんだ? 人を変えることはできないって言われるけれど できるじゃん! 僕が変わるだけで、相手を変えることができるじゃん! note毎日連続投稿2000日をコミット中! 1963日目。 ※聴くだけ・読むだけ・聴きながら読む。 どちらでも数分で楽しめます。#ad #66日ライラン