相地

あいじ。もしくは、八ヶ崎 薫。コーヒーを淹れるもの書き。お仕事の依頼はこちらから(ka…

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あいじ。もしくは、八ヶ崎 薫。コーヒーを淹れるもの書き。お仕事の依頼はこちらから(kaoru.hachigasaki@gmail.com)

マガジン

  • cider.

    サンダー、サイダー、サバイバー。まっとうに生きるって、大変だ。

  • 目目、耳耳

    感想文。

  • 詩、まとめました。

  • 100etc.

    100文字で案外書ける小説は(5・7・5)

  • 短歌

    短歌、まとめました。

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「cider.」もしくは、その泡たち。(538字)

・僕相地。 もちろん、本名ではない。 「cider.」の語り手。 性別は、どっちつかず。 自称ライター。お仕事ください。 本と音楽が好き。 吉田篤弘さん、haruka nakamuraさんの作品をこよなく愛している。 憧れの人は、ロックバンド・女王蜂のアヴちゃん。 よく白湯をすすっている。 ・パートナー伴侶。 コーヒーが好き。 メガネがよく似合う。 僕のありのままを受け止めてくれる、唯一の人。 寝起きは、とびっきりかわいい。 (でも、これは僕だけが知っていれば

    • マーマレードと、あとコーヒーの話

      マーマレードは、大人になったら好きになると思っていた。 と、スコーンの店で、スコーンにマーマレードを塗りながら思った。 もちろん、食べるために塗った。 添えられていたから、塗った。 残そうと思わないくらいには、苦手じゃないから。 でも、苦手なものは苦手。あの苦みが。 まずいと思ったことはない。 食べたくないと思ったこともない。 ただ、進んで注文しようと思ったことはない。 大人になったら好きになると思っていたのは、あと、酒とかか。 好きになるどころか、そもそ

      • 眠って、食べて、そしてまた

        泣き出しそうだった。 終わってから、ずっと、ずっと。 涙は出なかった。 ただ、泣き出しそうな、2歩か3歩手前くらいにいた。 眠ろうと思えば眠れた(と思うけど)そんな気にはなれなくて、しばらくぼんやりしていた。 昨日は、知人の個展で、珈琲を淹れていた。 個展がメインなので、ぼくはおまけのようなものなのだけど、訪れた人が多く、その流れで、ぼくの方にも結構な客がやって来た。 ありがたいことなのだけど(今までで一番売り上げが出た。)ひとりでやっているし、要領が悪いので、

        • 夕方の憂鬱と、絵本屋での歓び

          夕方が近付くと、頭痛がする。 のは、考えてみれば、今に始まったことじゃない。 夕方は、気分が沈みやすいときもあるけど、抗不安薬のおかげか、ぼくはかろうじて浮いていられる。 また、EVEに頼ってしまった。常用するものではないのに。 でも、自分を責めるよりは、ましなのかもしれない。 わからない。 抗不安薬もEVEも、今日は忘れずに持ち歩く。 なにせ、人前で珈琲を淹れる日だ。 不安を軽くするものがあるなら、携帯するに越したことはない。 昨日は、リハビリも兼ねて、少

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        • それは、あまりにも小さなことだけど
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        記事

          なんとかなりそうな、一日目

          あらすじ:ここしばらく、立ったままや座ったままがむずかしかったけど、なんとかなりそう。 減らした薬を、元に戻して。 頓服に、抗不安薬をもらって。 それで、本調子ではないけど、ましにはなった。 もともとは、不眠が続きすぎて、ただでさえ狂っている自律神経がさらにおかしくなったことで、生活することもままならなかったけど。 それなりに眠ることができて、頓服のおかげなのか、少しは穏やかな気持ちでいられる。 プラシーボかもしれないけど、具体的な策が手元にあると、安心できる。

          なんとかなりそうな、一日目

          たぶん、おそらく、あるいは、解決編

          あらすじ:立つことも座ることもむずかしくなって、もうすぐ1週間になる。 正確には、立ちっぱなし、座りっぱなしが10分か15分以上はできなくなった、ということだけど。それ以上は、血の気が引いていく感覚に襲われる。 なんにせよ、日常生活に支障をきたす、といっても差し支えはないところまで来てしまった。 耳鼻科、循環器内科と巡り、血圧に大きな問題はないから、おそらく自律神経の問題だろうと言われ、かかりつけの心療内科を受診したのが昨日。 ぼくを心配して仕事を休んでくれたパートナ

          たぶん、おそらく、あるいは、解決編

          そろそろ、生活に戻りたいんだけど、

          12時だった。 起きたときには。 昨日の話。 一昨日は、なかなか眠れなくて、2時とか3時とか、いつ眠れたのかも、覚えていないほどだったから。 それからぼくは、その場でしばらく座って、だんだん気分が悪くなるのをたしかめた。 それで、病院に行った。 耳鼻科で、いつもの薬をもらうのと、今週に入ってから、立ちっぱなしどころか、座ったままでいることもままならないことを伝えた。 (なにしろ、原因がわからないので、何科に行けばいいのかもわからない。) かかりつけ医は、ぼくの

          そろそろ、生活に戻りたいんだけど、

          不眠の海で、きみと喋った

          20時になるころには、床についた。 睡眠薬も飲んだ。 でも、眠れない。 頭痛もした。 痛み止めを飲む。 頭痛は少しずつ治まり、不眠はまったく治らない。 いつものこと。 でも、慣れるわけじゃない。 あっというまに、0時を回った。 そう言って、アルネは小さく肩をすくめた。 ぼくにしか見えない、ぼくだけの女の子。 未だに、眠気はやって来ない。 来る気配もない。 眠るコツは、眠ろうとしないこと。 矛盾しているけど。 でも、ぼくにはそれができなくて、寂しさ

          不眠の海で、きみと喋った

          だれかを弔うには、未熟すぎるぼく

          3月11日14時45分。 14時46分、の、1分前に、アラームを設定した。 黙祷を忘れないように。 アラームがないと忘れてしまうような黙祷なんて、いらないだろうか。 そう思う気持ちもあるけど、どうせ、ぼくがなにをしても、自己満足なんだとも思う。 14時45分までは(当たり前だけど)特別なことは、なにもしなかった。 少し遅く起きたぼくは、日課の短歌を詠んで。 それから、珈琲豆の焙煎をした。 のが、いけなかったらしい。 焙煎も終わりかけのころ、少しずつ、血の気が

          だれかを弔うには、未熟すぎるぼく

          あの日のぼくと、焼きついた白

          14時46分。 まで、ぼくは、覚えていられるんだろうか。 黙祷することを。 あの日のことを。 15時の、少し前か。 今のぼくは、具合がいいとは言えないから、もしかしたら、眠っているのかもしれない。 どうだろう。 ツイッター(と頑なに呼び続ける)のトレンドは、前日もいつも通りだった。 日付を見て、そういえばそうだった、と思い出す程度。に、なってしまっている。 よくはない、と思う。 でも、それほどの時間が経ったのか、とも思う。 ぼくは、大学に入学する前で。

          あの日のぼくと、焼きついた白

          影遊びと、なにもできない日

          空気清浄機の運転中のランプは、存外明るい。 四六時中点灯していて、もちろんそれは、就寝時も変わらず。 まぶしくて、眠れないほどじゃない。 小指の先くらいの、小さなランプ。 不眠のぼくは、天井と相対する。 毎晩形を変える影を映す天井と。 枕元には、ハンガーラックがある。 コートだったり、洗濯を終えた服が干しっぱなしになっていたり。 それを、ランプが下から照らすから、天井には奇妙な影が出来上がる。 毎日、必ずさわるところだからなのか、連日同じ形だったことはない。

          影遊びと、なにもできない日

          眠れないから、つかのまの朝

          眠れないから、これを書いている。 朝の日課にしているはずの、日記を。 不眠なのは、今に始まったことじゃない。 でも、いつもなら、なにもする気になれないけど。 なぜか、今は、日記なら書けるかな、と思ったから。 (ブルーライトを浴びるのは、よろしくないと思うけど。) 最後まで書ききれるのか、わからない。途中で、眠くなるのかもしれないし。 けれど、こんなときでも、眠れないぼくだから、暗闇の中でPCを立ち上げているんだよな、と思う。 パートナーは寝ている。健やかに。い

          眠れないから、つかのまの朝

          不安定なぼくと、水を見ること

          そうかもしれない、と思った。 思ったそのときのぼくは、電車にいた。 その、少し前までは、海がよく見えるカフェにいた。 電車とか、自転車を使って、1時間以上かけて行くところ。 (ぼくは、車を持っていないから。) 友人の店、ということもあるけど。 ぼくは、わざわざここまで来て(と、言われることがある)本を読むのが好きだった。 いつでも行きたいくらいに。 近ごろのぼく、近々引っ越しするぼくは、気が滅入ってばかりだ。 引っ越し自体、嫌なわけじゃない。 (転職とか、

          不安定なぼくと、水を見ること

          日に日に、時間が延びていく

          長い一日だったように思う。 どうしてそう感じたのかは、わからないけど。 配達を2つも待たないといけなかったので、自宅にいた。 いつのまにか、雨は止んでいた。けど、風が強い。 外に出にくい条件が、2つある。 そんなときに限って、外に出たくなるのだけど、おとなしくしていた。 配達は昼もしくは夜にやって来て、ぼくは、ごみ捨てのときくらいしか、夜気に当たることがなかった。 それはさておき、起きてすぐのぼくは、短歌を詠む。日課の。 でも、昨日は、2、3時間ずっと荷造りし

          日に日に、時間が延びていく

          春と冬を行き来しながら、(今朝は、ホットミルク)

          春は、もっとあたたかくて、明るいものだと思っていた。 でも実際は、そんなことはなくて。 今は、冷えて、暗くて、毛布をかぶっても寒い。 そもそも、今って、春なのかな。 春らしい陽気と、冬らしい寒々しさを、行ったり来たりしている。 頭が痛む。 ぼくの顔をのぞき込んで、アルネはため息をついた。 ぼくにしか見えない、ぼくだけの女の子。 ぼんやりしていると、いつのまにか、台所の方から、ゆるやかに立ち上る湯気が、ぼくの方までただよってきた。 ほのかな甘い匂い。 ぼくの

          春と冬を行き来しながら、(今朝は、ホットミルク)

          まるで、それが酸素だというように

          ここしばらくは、同じことのくり返し。 荷造りをするか。 寝込むか。 珈琲屋のことをするか。 また寝込むか。 先月から、来月の終わりまで。つまり、引っ越しの当日まで、ぼくは半端な部屋にいる。 あちこちがすかすかで、どこかしらに段ボール箱が積まれている部屋。 それはずっと、ぼくによくない影響を与えているみたいだった。 いつにもまして、不安定になっている。 不眠になる日が増えた。 じっとしていると手が震える。 なにもないのに、泣きそうになっている。 最近にな

          まるで、それが酸素だというように