相地

あいじ。もしくは、八ヶ崎 薫。コーヒーを淹れるもの書き。お仕事の依頼はこちらから(ka…

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あいじ。もしくは、八ヶ崎 薫。コーヒーを淹れるもの書き。お仕事の依頼はこちらから(kaoru.hachigasaki@gmail.com)

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  • cider.

    サンダー、サイダー、サバイバー。まっとうに生きるって、大変だ。

  • 目目、耳耳

    感想文。

  • 詩、まとめました。

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    100文字で案外書ける小説は(5・7・5)

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    短歌、まとめました。

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「cider.」もしくは、その泡たち。(538字)

・僕相地。 もちろん、本名ではない。 「cider.」の語り手。 性別は、どっちつかず。 自称ライター。お仕事ください。 本と音楽が好き。 吉田篤弘さん、haruka nakamuraさんの作品をこよなく愛している。 憧れの人は、ロックバンド・女王蜂のアヴちゃん。 よく白湯をすすっている。 ・パートナー伴侶。 コーヒーが好き。 メガネがよく似合う。 僕のありのままを受け止めてくれる、唯一の人。 寝起きは、とびっきりかわいい。 (でも、これは僕だけが知っていれば

    • ぼくの1日は、伸び縮みする

      強風だった。 らしい。 注意報が出ていた。 らしい。 この辺りは、常に強風なので、よくわからない。 風が強いと、安心する。 他には、何も聞こえなくて。 誰かが来るはずもなくて。 守られているみたいで。 寝不足だったせいかもしれない。 過食、までは言わないけれど、少々胃につめ込みすぎた。おおよそ、朝食にふさわしくない菓子とか。気持ち悪くなるまで。 まだ12時を回っていないか、もしくは、いたのか。ぼくは眠った。 夢を見たかどうか、覚えていない。見たんだろう

      • 淡々としている方が、いい

        朝から、胃が痛む。 痛む、というか、胃をぐっと掴まれている感じがする。 今日は、何もないのに。 今日も風が強い。 風が強くない日がない。 何日かは問題じゃなく、風の強い土地に住んでいるだけ。海が近いから。 すべての窓を開けて、換気する。 蟻が出入りしそうなところを、また見つける。殺虫剤を噴射。 パートナーの部屋兼寝室になっている部屋で、折りたたんだ布団の上で。 窓は2つあって、向かい合わせになっている。 いい具合に風が入って、いい具合に出ていく。 大島智

        • 暗澹としているだけの、断片

          ・「慣れれば、大丈夫」が嫌い。 アルコールも。 視覚も聴覚も使わなければならない映画も。 決して慣れないものがあることを知らない人が嫌い。 それをわかろうとしない人が嫌い。 いつまでも慣れない側の自分が嫌い。 ・慣れた土地より、まだ不慣れな土地にいる方が、安心する不思議。 ・住み始めてから、一悶着も二悶着もあったけど、立地や家そのものは気に入っている。ぼくを脅かすものは、何もない。 ・玄関に入るか入らないかのところで、蟻が行列をなしていた。ぼくは列に沿って殺虫剤を噴射し

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        • それは、あまりにも小さなことだけど
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        記事

          ぼくの足元は、水に浸かったまま

          爪先に、触れる感触。 水に。 水中の線路に。 知っている感触は、しっかり脳に根付いているらしい。 夢の話。 少し前から、目が覚めてからも、感触がしっかり残っている夢を見る。 よく眠ってはいる、と思う。新しい家に住み始めてから、中途覚醒は減った。寝つきもよくなった。 現実で実際に触れたようなそれは、たぶん、眠りが浅いときだから、目が覚める寸前、なのだと思う。 (現実の5分が、夢の中では1時間だと体感することがある。らしい。) それはさておき、そんなに、悪い夢じ

          ぼくの足元は、水に浸かったまま

          エミリー・ブレントは(たぶん)そうじゃなかった

          指先が痛かった。 一昨日、一日中、家具を組み立てていたから。一人で。 右の、人さし指と中指の先が、すりむいたような、皮膚が固くなっているような、よくわからない感じになっている。 今はもう、痛みはなくなっているけど、見た目は少しだけ痛々しい。 だから、説明書に軍手を使え、って書いてあるのか。 それ以前に、一人でするものじゃないと思うけど。 昨日は、来客が一人もいなかった。よかった。 一昨日は、二人、というか、二組来た。 最初は、郵便局員。 ただのハガキだったけ

          エミリー・ブレントは(たぶん)そうじゃなかった

          眠くなくなってから、考えることにする

          5月になった。 ぼくは、1日中、組み立てていた。 カラーボックス(5段)が4台、スライドシェルフが1台。 組み立てを行うのは、2人以上推奨。 1人しかいないので、1人でやったけど。 パートナーは仕事で、べつに、1人でやれと言われたわけじゃない。 (そういうことを言う人ではない。) 説明書を見て、1人でもできそうなら、1台くらいやろうかな、と思っていたのだけど。 カラーボックスを2台、スライドシェルフを1台完成させたら、気付けば14時になっていた。たしか、始めた

          眠くなくなってから、考えることにする

          悲しいいつかを、思い描いたとしても

          くたくたになった。 体が。 心が。 悪い疲れじゃない。 心地いい疲れだと思う。がんばった、というか。 心の方は、色んなことを、悲しいことを考えて、泣くことも増えたけど。 悪くはないんじゃないかと、そう思った。 アルネは、肩をすくめて、それから、少し笑った。 ぼくにしか見えない、ぼくだけの女の子。 ぼくは、濡らしたタオルを固く絞って、目元を覆った。 もしかしたら、明日も、泣いてしまうかもしれないけど。 いつか来る未来があるとしても。 それまで、大切にでき

          悲しいいつかを、思い描いたとしても

          嫌だ、嫌だ、と思うのは

          「戦争で、大切な人が連れて行かれるとしたら、」 そんな始まりのMCがあった。 昨日参加したライブの。 ぼくは、すぐに、パートナーのことを思い出した。 新しい家に住み始めて、眠れるようになったぼくは、早起きできるようになって。 仕事に出かけるパートナーを、玄関先で見送ることもできるようになった。 角を曲がるまで手をふるぼくに、パートナーは少し車を止めて、窓から腕を出して、ふってくれた。 あの、腕のふり方を思い出した。 MCで予告された通りに、戦争で大切な人を失っ

          嫌だ、嫌だ、と思うのは

          ようやく訪れた(はずの)安寧に、

          昨日、帰宅して鏡を見ると、血色がよくなっていた。 歌会に参加していた。 どこかに所属しているわけじゃないぼくは、ときどき、書店が主催するそれに訪れていた。(とはいえ、まだ2回目だったけど。) いい会だった。 しばらく、パートナーを除けば、ほとんどだれかと話していなかったから。 (新しい家の大家と不動産屋は数に入れていない。入れたくない。) 憔悴しきっていたぼくが、少しでも回復したのだと、鏡を見て思った。 コンタクトを外すために、左腕を上げると、シャツの袖から、大

          ようやく訪れた(はずの)安寧に、

          そして、ようやく静かになる?

          ようやく終わった。 ようやく。 引っ越して、6日が経って。 新しい家の不具合は、すべて直った。 (たぶん。おそらく。きっと。) 毎日、見知らぬ人が、代わる代わる来て。 (たとえ業者でも、知らない人が家にいると、神経がすり減っていくのを感じる。) 毎日、業者についての連絡をよこしては、さっさと電話を切りたがっている大家。 不具合だらけの借家(施工から問題があった)を、説明なしで話を進めたのに、自分達は一切悪くない顔をする不動産屋。 もう、少なくともしばらくは、

          そして、ようやく静かになる?

          「写真、あるけど見る?」

          咳が出るようになった。 引っ越してから? 引っ越す前から? いずれにせよ、風邪じゃない。 精神的なものだから。 毎年、6月になると、決まって咳が出るようになる。 色々と、不安定にもなる。 もちろん、まだ6月じゃない。 「環境が変化したから」も、あるんだろうけど。 不備がありすぎる(施工の時点で、すでに)家に住み始めて、大家や不動産屋とのやりとりに、疲れてしまった。 入居して、昨日で5日。長すぎる5日。 まだ、解決していない箇所もある。 建築や電気工事そ

          「写真、あるけど見る?」

          憤りと、諦めばかりの新生活

          新しく住み始めた家には、たくさん問題があった。 生活に支障が出るもの。 (トイレやインターホンが壊れている。前者は、昨日=住み始めて4日目で、ようやく直してもらった。後者はまだ。) 命に関わったり、ケガをしかねないもの。 (洗面台の上の方のキャビネットに当たるところが、ネジのせいで、いつ倒れるかわからない状態だったり、 クローゼットの取っ手が、裏側の部分が飛び出るようになっていて、ふとしたときにケガをしかねない状態だったこと。説明しにくいのだけど。) どれも、内見

          憤りと、諦めばかりの新生活

          責められたから、自分を責めた、その次は(今朝は、白湯)

          自分のせいじゃないことを、自分のせいのように扱われること。 何年か前は、よくあったことだけど。 しばらくなかったから、ずいぶんこたえた。 5年以上住んだアパートを離れて、新しく生活が始まる、はずの家。 住み始めて、たった数日のこと、かもしれないけど。 ぼくはもう、疲れてしまったのかもしれない。 アルネは、ぼくの顔を覗き込んで、隈をそっと撫でた。 ぼくにしか見えない、ぼくだけの女の子。 白湯は、毎朝沸かしている。 水があたたまって、その内、鉄瓶は音を立て始めて

          責められたから、自分を責めた、その次は(今朝は、白湯)

          この家、何か変?(施工)

          疲れた。 引っ越しして、今日で3日目。 荷ほどきは、まだ終わっていない。 そういうものだと思うけど、部屋を作ることで疲れたわけじゃなくて。 昨日、一番大変なのは、前のアパートの立ち会いだと思っていた。 体より、心が疲れる方で。 床をずいぶん傷付けてしまったところがあって、なにを言われるかが怖かった。 まあ、それ以前に、入居したときに取り付けた照明器具をそのままにしていたのと、物干し竿もベランダに置きっぱなしだったので、しまった、と思った。 (幸い、担当の人はや

          この家、何か変?(施工)

          自分の場所になるには、まだ遥か彼方

          引っ越した。 ようやく。 この「ようやく」は、2月の最後くらいから、ずっと準備を始めて、満を持して、という意味で。 環境が変わっていくから、なのか、ぼくはずっと不安定だったけど。 今は、アパートじゃなくて、新しい家にいる。借家に。 かなり小さいけど、一戸建てといえば一戸建てだ。住むのは、ずいぶんひさしぶりだな、と思う。 今日は立ち会いに行くけど、あの、何年も住んだアパートに戻ることはないと思うと、今さら、少しだけ寂しい。なにも思うことはないと思っていたけど。 昨

          自分の場所になるには、まだ遥か彼方