相地

あいじ。もしくは、八ヶ崎 薫。コーヒーを淹れるもの書き。OFUSE( https://…

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あいじ。もしくは、八ヶ崎 薫。コーヒーを淹れるもの書き。OFUSE( https://ofuse.me/aizi8gasaki

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  • cider.

    サンダー、サイダー、サバイバー。まっとうに生きるって、大変だ。

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    100文字で案外書ける小説は(5・7・5)

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「cider.」もしくは、その泡たち。(538字)

・僕相地。 もちろん、本名ではない。 「cider.」の語り手。 性別は、どっちつかず。 自称ライター。お仕事ください。 本と音楽が好き。 吉田篤弘さん、haruka nakamuraさんの作品をこよなく愛している。 憧れの人は、ロックバンド・女王蜂のアヴちゃん。 よく白湯をすすっている。 ・パートナー伴侶。 コーヒーが好き。 メガネがよく似合う。 僕のありのままを受け止めてくれる、唯一の人。 寝起きは、とびっきりかわいい。 (でも、これは僕だけが知っていれば

    • 年中、「絶望と一緒にねている」けど、

      森茉莉は、この後、「夏の間は」と語っているのだけど、ぼくは、「夏の間」に限らないので、よくない。 でも、夏になると、絶望が一等深まる気がする。 ぼくは、8月が嫌いだ。 8月そのものが、というより、嫌なものが、たくさんつめ込まれているから。 まず、学生は夏休みなので、平日と土日祝に関係なく、どこへ行っても人ごみがひどくなる。 (すでに、夏休みが始まっているなら、なおさらだ。) それに、盆がある。 ぼくはもう、帰省しないと決めている。 し、帰省しなくなって、3年か

      • 目尻の小川と、ぼんやりする珈琲屋

        目尻が汚れていた。 頬を伝ったような跡、ではなく。 眠っていたから、まるで、メガネのつるに沿うように。 もちろん、メガネはかけていなかったけど。 あくびの涙にしては、ずいぶんこびりついている。 眠っている最中に、泣いたとしか。 泣くような夢は、見ていないはずだけど。 それとも、覚えていないだけかな。 わからない。 昨日の朝のこと。 昨日の日中は、珈琲屋になっていた。 ぼくは、ときどき珈琲屋になる。 今のところ、ときたまにしかできないから、仕事とは言いに

        • 雨の檻の中の、数刻

          玄関の、外の方のドアノブには、虫除けがかかっている。 ので、よく、カタカタ鳴る。 風が強いと。 が、それがかき消されるほど、昨日は、雨音が強かった。 雨粒が、窓ガラスに叩き付けられる。頭に浮かぶ。浮かばせようとしなくても。 新しい家に住み始めて、一番強いんじゃないか。弱々しい家が、吹き飛ぶみたいだ。 吹き飛んでしまえばいい。 ぼくは丁度、翌日の、珈琲屋の出店準備を済ませたところだった。 天気も悪くないし、気晴らしにでも行こうか、と思ったところだった。 予報は

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          健康になろうとしているぼくの、そこそこ健康な一日

          二度寝しないコツは、パートナーを玄関先で見送ることなのだ。 たぶん。 よほど、具合を悪くしていなければ。 仕事へ出かけるパートナーに手をふって、それから、鉄瓶で白湯を沸かす。 すすりながら、何にもしない。 本を読むことはある。今は、『貧乏サヴァラン』が楽しくて仕方ない。 大抵は、ぼんやりしている。 ぼんやりするのに飽きると、朝食の用意をし始める。 朝食といっても、簡単なもの。 食パンにマヨネーズを塗り、ベーコンを乗せ、卵を乗せ、塩こしょうをふり、オーブンレン

          健康になろうとしているぼくの、そこそこ健康な一日

          ぼんやり、しすぎる朝は(今朝は、白湯)

          ぼんやりしていた。 ぼんやりするのは、いつものことのはずだけど。 寝不足だったのは、昨日だったはずだけど。 夜ふかしをしたのは、一昨日だったはずだけど。 ぼくは、変わらず、懲りずに、ぼんやりしていた。 眠たいのかもしれない。 わからない。 アルネは、肩をすくめて、呆れたような顔を見せた。 ぼくにしか見えない、ぼくだけの女の子。 ぼんやりと、ふらふらとしながら、台所へ。 五徳の上の鉄瓶、の中の水分は、蒸発しきっている。 じゃあ、大丈夫か。 水を注いで、火

          ぼんやり、しすぎる朝は(今朝は、白湯)

          サヴァラン、あと、自分について

          『貧乏サヴァラン』の「サヴァラン」は、あの、洋酒を染み込ませたケーキのことだと思っていた。 いや、書き出しが、「マリアは貧乏な、ブリア・サヴァランである。」なのだから、人名と考えるべきだったのだけど。 食のエッセイであるのと、「ブリア」と頭に付いたサヴァランがあるものだと、なぜか思い込んでいた。 でも、くり返し、マリアこと森茉莉は、『貧乏サヴァラン』であると自称するのだから、菓子の方ではなく、人名の方ではないか、とようやく思い至った。 それだけの話。 小さな薔薇園の

          サヴァラン、あと、自分について

          常に、ぼくの中は、渦巻いている

          ピッ、ピッ、ピッ。 「今、行くよ」 思わず、返事をした。 満水になった除湿機に。 洗濯物を片付けている最中だった。 ちゃんと早起きできた日だった。 朝食も食べた。 (その後、昼食も食べた。) 虫垂炎の疑いをかけられてから、特に悪化はしていない。 食事をする度に、おなかを壊してはいるけど。 治ってもいない。 注文していたコーヒーの生豆が届くから、自宅にいた方がよかった。 から、できる範囲の家事を終わらせて、手持ちの生豆を選り分けていた。 確認しなくても

          常に、ぼくの中は、渦巻いている

          企んだり、苛まれたりする日

          どれが梅雨なのか、わからなくなってきた。 あれも梅雨だし、これも梅雨。 あのときの梅雨は取り下げて、今が梅雨です、とかならないんだろうか。 低気圧による頭痛は、夕方にやってきて、遅かったな、と思いながら、ぼくはEVEを飲んだ。 一日中、引きこもっていようと思っていた日だった。 が、近くの書店(自宅から4kmはある)に、パートナーが欲しがっていた本があるのを知った。 ネット通販をしないパートナーは、その本はなかなか書店に並ばない、と嘆いていた。 ただ、書店は書店で

          企んだり、苛まれたりする日

          ひさしぶりに、めずらしく、の話

          昨日のボランティアは、ぼくだけだった。 自由参加のゆるいボランティアではあるけど、3回か4回は行けていなかったので(週末は、体調を崩しやすい。)ばつが悪かった。 が、どうやら、他の人も、あまり参加していないらしかった。 ボランティア後の感想ノートを見るに、ぼくが参加できなかった日は、せいぜい1人か、誰もいないときもあった。 そういうものなのか。 ぼくも、体調が万全じゃないとはいえ(1日前に、虫垂炎の疑いをかけられた身。)たった1時間の作業はこなせた。 いつもより、

          ひさしぶりに、めずらしく、の話

          頭が錆びついた感覚が、離れない

          引っ越しして、3ヶ月。 手持ちの診察券が、増えた。 主に、この1ヶ月で。 先月は、火傷したり、手首をひねったり、深夜に背中に激痛が走ったり。 で、今度は、一昨日に(省略)があって、昨日、消化器内科を受診した。 血液検査では、少々の炎症反応があるくらいで、大きな問題はなかったけど。 症状が悪化するなら、虫垂炎の疑いがあるらしい。 ……。 たぶん、さっと数えてみても、増えた診察券は4枚。 それだけ、かかったことのないクリニックへ足を運んだということだけど。 ち

          頭が錆びついた感覚が、離れない

          夜の味がする朝に(今朝は、ホットコーヒー)

          ようやく、雨が止んだ。 と思う。 わからない。 この土地の天気予報は、いつも外れる。 雨の匂いのする土地。 雨は止んだ。 けれど、薄ら暗いまま。 曇りなのは、変わらず。 日差しにうなじを焼かれるよりは、いいのかな。 頭痛がしなくなれば、なんでもいい。 ぼくの、生気のない返事に、アルネは肩をすくめた。 ぼくにしか見えない、ぼくだけの女の子。 まあ、朝でも昼でも、飲むときは飲むけど。 (むしろ、眠れなくなるから、夜は飲まないけど。) 夜の飲みもの。

          夜の味がする朝に(今朝は、ホットコーヒー)

          怖い、と、寂しい、を、またいで

          昨日も、一昨日も、引きこもっていた。 雨が降っていたから、なのは、嘘じゃない。 昨日は、一昨日ほどの、どしゃ降りではなかったけど。 不要不急じゃなくても、外出の予定はなかった、一昨日のぼく。 一日中、珈琲豆の焙煎をしていた。 休んだり、途中で勉強したりもしたけど。 一日中、元気だったから。 だから、翌日はきっと、元気じゃないんだろうな、と思った。 経験上。 予想通り、昨日のぼくは、なかなか起きられなかった。 朝の食前薬を服用して、もう一度眠った。 夢の中

          怖い、と、寂しい、を、またいで

          ずっと真夜中でいいのに、の真昼

          暗い日だった。 雨がさんざんに降っていた。 嫌いじゃない。 ずっと、夕方から夜の間のように暗いから。 夜が長いみたいで、うれしい。 ときどき、目くらましのように、光って。 たぶん、結構近くに落ちている雷。 どしゃ降りが、すごくどしゃ降りになったりする。 ぼくは、怖いと思っただろうか。 少しでも。 つくみず氏の『シメジ シミュレーション』で、そう応えたキャラクターがいた。 その台詞を見てから、しなないとは思うけど、万が一のことがあったらしぬかもしれない、と

          ずっと真夜中でいいのに、の真昼

          「苦しいことばかりじゃなくて、よかった」

          自分で自分を見て、驚いた。 のが、1日に2回くらいあった。 3回もあったかもしれない。 顔を洗うとか、明確な意思を以って、洗面台の前に立ったのだけど。 どうしてなのか、驚いてしまった。 自分で思うより、隈が濃くなっていた。 1ヶ月前に比べたら、ずいぶん眠れているはずなのだけど。 隈は、寝不足だけが原因ではないらしいけど。 原因がなんであれ、疲弊していることを、物語っているようだった。 昨日は、パートナーと、水木しげる記念館に行った。 リニューアルオープンし

          「苦しいことばかりじゃなくて、よかった」

          本を読み終えた話と、少しだけ七夕の話

          唐突に終わった。 ように思えた。 いや、本の終わり方としては、そこで終わって、申し分なかったのだ。 ただ、もう少し頁数があったから、後日談があるのだと思っていた。 なので、次の頁をめくって、引用文献一覧を目にしたとき、頭がなかなか切り替わらなかった。 一覧は見開き2頁で、あとは訳者のあとがきだった。 よくあることでは、あるんだけど。 なんというか、油断していた。 ……。 油断、で合っているんだろうか。 少々ぼんやりしてから、あとがきも読んだ。読み終えた。

          本を読み終えた話と、少しだけ七夕の話