サヴァラン、あと、自分について
『貧乏サヴァラン』の「サヴァラン」は、あの、洋酒を染み込ませたケーキのことだと思っていた。
いや、書き出しが、「マリアは貧乏な、ブリア・サヴァランである。」なのだから、人名と考えるべきだったのだけど。
食のエッセイであるのと、「ブリア」と頭に付いたサヴァランがあるものだと、なぜか思い込んでいた。
でも、くり返し、マリアこと森茉莉は、『貧乏サヴァラン』であると自称するのだから、菓子の方ではなく、人名の方ではないか、とようやく思い至った。
それだけの話。
小さな薔薇園の