山田ゆり

セルフコーチングで人生を変えたい。毎日連続投稿コミット中。kindle4冊出版。継続の…

山田ゆり

セルフコーチングで人生を変えたい。毎日連続投稿コミット中。kindle4冊出版。継続の人。アルツハイマー型認知症の実母10年介護。3姉妹の母。60代。この30年間で、父、母、独り身の伯母、弟、夫を見送った。生きろ。あり方。無意味な「スキ」「フォロー」はしないでね。

マガジン

  • 66日ライティング×ランニング〜シーズン2

    • 6,079本

    書く習慣をつけたい、何かあたらしいことに挑戦したいみなさん、お祭り騒ぎが好きなあなた!66日間、毎日投稿をしましょう。6月27日から8月31日まで。字数のハードルはありません。何文字の記事でもOK。ただし! 1日でも書けなかったらマガジンから追放します

  • ショートショート

    「こうだったらいいな」「ああなりたいなぁ」「もしもこうだったら怖いなぁ」たくさんの「もしも」の世界です。

  • 残しておきたいnote  家族編

    父、母、伯母、弟、夫、長女、次女、三女、そして私。 家族の思い出を残しておきたい。

  • やりたいこと、やってみよう

    これまでの私は、子ども・夫・家族・仕事が優先で、自分のやりたいことをずっと後回しにしてきました。それでみんなが幸せになるならと思っていました。でも、自分が満たされていない状態でのギブは片手落ちと分かってきました。winwinの関係が理想です。だから、まずは自分を大事にして、小さいことからやりたいことをやってみます。やりたいことは一回限りでも勿論OK。軽い気持ちでやりたいことをやってみます。

  • 過去

ウィジェット

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    わたしだけじゃないんだ: 突然、アルツハイマー型認知症になった同居の実母を介護した、子育てOLの10年と10日の記録

    山田ゆり
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    わたしだけじゃないんだ②: 母のデイサービスデビュー

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    わたしだけじゃないんだ③: 母の介護は10年と10日で突然幕を閉じた

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最後の家族ドライブ【音声と文章】

出棺の時間を伝えるクラクションと共に 夫の棺が我が家を出発した。 霊柩車の助手席に私 その後ろに二女が乗る。 霊柩車の後ろに続くカタチで 長女が運転する車がついてくる。 助手席には三女が座っている。 霊柩車は信号機で後ろの車とはぐれないように ゆっくり進んでいく。 出発して最初の数分間 おしゃべりしていた二女が 「お母さん、曲、聴いていい?」 と聞いてきた。 そうだよね。 娘のお気に入りの いつものNEWSの曲を聴きながら行きたいよね。 私も聴きたかった。 ところが、娘のアイフォンから流れてきたのは ビートルズの She loves you 夫がレコードでいつも聞いていた曲が流れる。 嬉しい。 ビートルズの曲が何曲か続き、 その次がABBAのダンシングクイーンから始まり いくつかの曲が流れた。 夫がご機嫌な時にいつも好んで聴いていた曲が続く。 二女はこの時のために 夫の好きな曲をアイフォンに入れておいたようだ。 ありがとう。 夫の嬉しそうな顔が思い浮かぶ。 出会いから今日まで26年間の 夫との思い出がよみがえる。 胸がいっぱいになる。 信号機の色が涙でかすむ。 火葬場までの数十分間。 私、三人の娘たち そして夫の家族5人。 大好きな曲を聴きながら 最後のドライブを楽しんだ。

    • ご主人様を待つ湯飲み【音声と文章】

      「のり子さん、ちょっといいかしら。」 仕事が始まってそうそう、のり子は上司に呼ばれた。 上司はアイコンタクトをしただけで、くるりとのり子に背を向けて歩き出した。 のり子はこのまま社長室に行くと思っていた。 ところが社長室を素通りし会議室に入った。 ドアを開けた上司が会議室をぐるりと見渡した。 誰も居ない事を確認した上司はのり子に話しかけた。 「あのね、前社長が昨日、お亡くなりになったの。」 のり子は最初、何のことか呑み込めなかった。 前社長は2年前に退任された。 70代後半ではあるが、まだまだお元気な方だったから、 社長がお亡くなりになったことを脳がすぐには受け入れなかった。 「それでね。毎月前社長にお支払いしている地代家賃だけれど、明日が振込予定で、ネットバンキングでそれは既に操作済みでしょ。それをキャンセルしてほしいの。そのように先ほどご遺族から連絡がはいったの。」 のり子は事の重要性をすぐに把握した。 のり子はネットバンキングの担当であり、その振込は2日前に完了させていたのを上司は知っていた。 「あ、あと、全社員向けに訃報はメールするけれど、今のところは誰にも口外しないでね。」 それは分かり切っている事である。口の堅いのり子はその点はわきまえている。 のり子は自分の席に戻り、早速、デスクトップ型のPCに向かった。 ネットバンキングのマニュアルを見たところ、一旦、総合振込が完結してしまっているものをキャンセルできる時とそうでない時があるらしいことが分かった。 そして、キャンセルできる方法で画面を開けていったが、引き戻しができる一覧にそれはなかった。 そこでのり子は、ネットバンキングのお問合せのフリーダイヤルに電話をした。 電話に出られた方に概要をお話し、専用の方に電話が変わり、一緒に画面を見ながら操作をしてみた。そして、今回の件は、ネット上ではキャンセルできないということが分かった。 一度振込確定したものを引き戻すには手書きの書類が必要で、その書類はネット上にはなく、銀行窓口まで取りに行かなければいけないことが分かった。 しかも、明日が振込指定日の為、遅くても今日昼前の11時までには銀行側の引き戻し作業が終わっていないといけないとのことだった。 11時まであと1時間ちょっとしかない。 のり子はすぐに上司にこれまでの経緯を報告した。 上司は快諾し、事務係のAさんに銀行窓口に行ってもらうよう指示をした。 そして引き戻し請求の書類に記入し、銀行にお渡しして明日の総合振込をストップすることができた。 引き戻しが完了したと銀行から電話を受けて安堵し、そこで初めて前社長のご逝去に気持ちが向いた。 懐かしいお顔が思い浮かぶ。 叱られたことがたくさんあった。 のり子は社会人になって、あれほど強く叱られたことはなかった。 それだけ前社長は「人を育てる」ことに注力されていらっしゃった。 相手が50代、60代であろうが、「ここは直してほしい」と前社長が思われた時は まっすぐに注意をしてくださる、ありがたい方だった。 給湯室にある棚の中に、前社長の湯飲み茶わんが置いてある。 いつかふらりとお寄りになったらお渡ししようと思っていたのだ。 のり子はその湯飲みをあたらしいハンドタオルで包んだ。 前社長のご自宅へお悔やみに上がった時にお返しできるように。 連日、酷暑が続いた夏も終わり、時折降る雨が秋を深くしていった。 note毎日連続投稿2000日をコミット中!  1967日目。 ※聴くだけ・読むだけ・聴きながら読む。 どちらでも数分で楽しめます。#ad #66日ライラン

      • 前社長の訃報を知る【音声と文章】

        会社の経理事務員の募集があり、面接を受けた。 入口付近の待合室は20代~30代くらいの女性で溢れていた。 どうやら面接の時間が長引いているようだ。 待っている人の中にミズハさんがいた。のり子たちは小さくお辞儀をした。 あー、彼女も受けるのか。 実務経験では私が負けるなぁ。 面接が終わり会社を出たらミズハさんが待っていた。 「久しぶり~。時間ある?ちょっとお茶しない?」 二人はミズハの行きつけの喫茶店に入り、あれからどうしていたかをお互い話し合った。 彼女とのり子はつい1年前まで同じ会計事務所で働いていた。 仕事では彼女の方が経験は長い。 「あぁ、一般事務ではなく、決算までできるから今日の会社を受けたけれど きっと、ミズハに軍配が上がるかも。ま、仕方ないか。次、探そう。」 彼女と別れて小物のショップに入ろうとしたら、携帯電話がなった。 それは、先ほど面接を受けた会社からだった。 面接官の真ん中に座っていた専務さんからだった。 そして、なんと、のり子が選ばれたとのこと。 やっと決算ができる。普通の事務では物足りなかったから嬉しさがこみ上げてきた。 しかし、電話口で、「では、来週の月曜日から来てください。」と言われた。 面接の時に、入社日のことは言われなかったので 3週間くらいの猶予はあると思っていた。 今のり子は会社に勤めている。突然、数日で会社を辞められるほど、半端な気持ちで仕事はしていない。 いくら就職したい会社からOKをいただいても、今の会社に不義理をする事はできない。 のり子は専務さんにお伝えした。 「申し訳ございません。入社日がそれほど早いとは思っても見ませんでした。 今の会社を突然辞めるわけにはいきません。 とても嬉しいお話ではございますが、今回のお話は無かったことにしていただけませんか。」 あーぁ、きっと、ミズハになるかもな。 落胆して電話を切ろうとしたら、電話口から次の言葉が出てきた。 「いやいや。私はあなたに来てほしいんだ。」 「今の会社をすぐに辞められないのなら、社長さんにお願いしてみてください。 なんなら、私から社長さんに話してもいいんだよ。」 いくらなんでもそれでは大人として恥ずかしいから、自分から言いますとお答えした。 次の日、社長へご相談をした。どうやら、社長と面接先の専務さんとは一緒にゴルフをされる仲のようだ。 そして、社長に快諾していただき、のり子は晴れて面接先の会社へ入社することができた。 人事や財務関係を担当されている専務は社長と同等くらいの権威がある方だった。 のり子は専務からたくさんの仕事を任され、たくさんの事を教えていただいた。 やがて専務は社長になられ、のり子は秘書的立場になった。 社長はお話が好きな方で、経営のことで思いついたことをよくお話されていた。 長い時は2~3時間、話が続いた。 たぶん、自分の考えをアウトプットするたたき台の段階でのり子に話をされていらっしゃるのだろう。 社長のお話が終わり、のり子が社長室を出る時、足が棒のようになり、ロボットのような歩き方をしていたのが今では笑い話になっている。 のり子は13年くらい社長にお仕えし、そして社長は退任された。 その後は社長にお会いすることはなかった。 毎日の慌ただしさに流され、あっという間に2年が過ぎた秋、社長の訃報を知った。 頑固な方で、怒ると頭からやかんの湯気がのぼっているようだった。 社長は旅行が好きで、社員旅行の行程には必ず社長のご意向が入っていた。 叱られたことも何度かあった。なぜか無視された冷たい期間もあった。 でも、今は丸いお顔に薄い髪が左から右に流れて、目じりにたくさん皺をよせて 微笑んでいる社長のお顔が思い出される。 良い時代だったと思う。 前社長のご冥福をお祈りいたします。 note毎日連続投稿2000日をコミット中!  1966日目。 ※聴くだけ・読むだけ・聴きながら読む。 どちらでも数分で楽しめます。#ad #66日ライラン

        • あなたが僕を嫌いでも、構わない(妄想の世界)【音声と文章】

          「がっかりだ」 「君がそんな人だとは知らなかった」 分からなくていい。 それは僕があなたの思い通りの人になっていないってことですよね。 僕の人生の主役は僕なんだ。 あなたに指図されるいわれはない。 人の顔色ばかりうかがって、自分を押さえる人にはなりたくない。 だから、あなたが僕を嫌いでも、構わない。 僕は自分を信頼しているから。 note毎日連続投稿2000日をコミット中!  1965日目。 ※聴くだけ・読むだけ・聴きながら読む。 どちらでも数分で楽しめます。#ad #66日ライラン

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        最後の家族ドライブ【音声と文章】

        最後の家族ドライブ【音声と文章】

        マガジン

        • 66日ライティング×ランニング〜シーズン2
          6,079本
        • ショートショート
          73本
        • 残しておきたいnote  家族編
          102本
        • やりたいこと、やってみよう
          5本
        • 過去
          39本
        • 田畑を相続した我が家の場合
          12本

        記事

          僕の自己紹介(ショートショート)

          あ~っ。 僕は大きなあくびをした。 ドカッとベッドに身体をまかせ、ちらりと覗いたアプリが面白すぎて、つい、後追いしてしまい、気付いたら夜中の2時を回っていた。 いい加減、寝ないといけない。 僕はスマホの電源を切り、裏返して枕の隣に置いた。 でも、今まで白っぽい光を眺めていたせいか、目をつぶってもまだその残像が僕を寝かせてくれなかった。 やがて僕は別世界へ落ちていった。 大音量の目覚ましで僕はたたき起こされた。 首の周りが痛い。肩の凝りも酷い。 多分、3時間も寝てい

          僕の自己紹介(ショートショート)

          新入社員リョウスケ(ショートショート)【音声と文章】

          またあの上司に叱られた。 上司はどうでもいいことで僕を非難する。 いつも渋い顔をしているが あんな冷たい言い方ないだろ。 あの冷酷な態度、直したらいいのに。 でも、僕が上司を変えることはできないよな。 朝、人事部の憧れのリョウコさんと エレベーターで一緒になった。 やったぁ。 しかも二人っきり。 彼女は右側のボタンの前に立ち、僕は斜め左を向いていた。 エレベーターは静かに上に吸い込まれていく。 まるで僕の天にも昇る気持ちを表しているようだった。 やがてエレベーターが開き、彼女はこちらに一礼し、ほのかな香りを残して下りて行った。 僕の身体の周りに彼女のエネルギーの輪が発生し、僕が動くと同時に その輪も付いてきている気がした。 まるで彼女と世界を共有しているような感覚だ。 たったそれだけで、僕は今日一日、良いことがありそうな気がした。 少しにやけた顔で営業二課のドアを勢いよく開けた。 すると丁度、上司と目が合った。 僕は満面の笑みで「おはようございます!」と元気に挨拶をした。 いつもは下を向いてボソボソ挨拶をするのだが 僕は今、リョウコさんと一緒に居るのだと思うと相手があの上司だろうが嬉しくてしょうがなかった。 朝礼が終わり、上司に呼ばれ仕事の指示を受けた。 僕ははきはきと答え、机に戻った。 概ね終わり一部不明点があったので僕は上司に確認をした。 上司は「おっ!」という顔をされ、目じりに皺をよせて優しいまなざしで僕を見ていた。 それはこれまでに見たことのない笑顔だった。 その後、出来上がった書類を上司に提出した。 上司は書類に目を通し、にっこり微笑みながら「良くできているね。ありがとう。」とおっしゃった。 あれ? あのいつも怒ってばかりの上司が僕にありがとうって言っている。 どうしたんだ? 人を変えることはできないって言われるけれど できるじゃん! 僕が変わるだけで、相手を変えることができるじゃん! note毎日連続投稿2000日をコミット中!  1963日目。 ※聴くだけ・読むだけ・聴きながら読む。 どちらでも数分で楽しめます。#ad #66日ライラン

          新入社員リョウスケ(ショートショート)【音声と文章】

          新入社員リョウスケ(ショートショート)【音声と文章】

          幸せの絶好調の時だけが幸福なのではない【音声と文章】

          久しぶりに雨が降った。 連日の猛暑でお疲れ気味な木々の葉が、ふっくら膨らんだ水玉を葉に乗せて その瑞々しさを楽しんでいるかのようである。 心なしかいつもより緑の色が濃く感じられる。 しっとり濡れた葉。虫たちの音色も今日はワントーン低い気がする。 晴れの日ばかりに幸せを感じるのではない。 曇りの日、雨の日、台風、地震、水害などの変わりゆく状態の中にも、幸福を感じるもの。 人生も同じである。 健康で家族関係がうまくいっている時ばかりではなく、例えば病気で入退院したり、離婚、死別、離職などのはた目には不運と思われる時でも、日々のちょっとした変化の中に幸福を感じるものである。 例えば、夫が急逝してまだ3日しか経っていない頃に 笑い声が絶えなかったこちらのnote 【悲しみの中にも楽しく過ごす】 https://note.com/tukuda/n/n1efd513ddcf8 幸せの絶好調の時だけが幸福なのではなく、人は日々の些細な変化に幸福を感じるものなのである。 note毎日連続投稿2000日をコミット中!  1962日目。 ※聴くだけ・読むだけ・聴きながら読む。 どちらでも数分で楽しめます。#ad #66日ライラン

          幸せの絶好調の時だけが幸福なのではない【音声と文章】

          幸せの絶好調の時だけが幸福なのではない【音声と文章】

          来年の手帳を買いました【音声と文章】

          きのう、帰宅途中に来年の手帳を購入しました。 あなたはどのようなカタチの手帳がお好みですか? 私はBOX型を好んで使っています。 https://yamayuri58.com/tyoubo/wp-content/uploads/2024/09/20240914_073856-scaled.jpg (手前は今年の手帳です) いつも鞄に入れておくために、サイズはA5で、今回も優しい色のピンクを選びました。 「月曜始まり」と「日曜始まり」 あなたはどちらを選びますか? 私にとって日曜日は「終わりの日」ではなく「週の始まりの日」。 だからスケジュール帳は「日曜始まり」でないと、落ち着きません。 「まだ9月じゃない。来年の事でしょ。早すぎない?」 そんな声が聞こえてきます^^ 全体的に「月曜始まり」が主流のようなので、「日曜始まり」が無くならないうちに、私は早めに購入するようにしています。 note毎日連続投稿2000日をコミット中!  1961日目。 ※聴くだけ・読むだけ・聴きながら読む。 どちらでも数分で楽しめます。#ad #66日ライラン

          来年の手帳を買いました【音声と文章】

          来年の手帳を買いました【音声と文章】

          人生で一番真剣に続けた時【音声と文章】

          「俺は○子が一番好きだ。」 あなたは私にいつも言っていた。 途端に私の胸の真ん中が、ジワーッと熱くなる。 でも、思春期の子どもたちの手前、恥ずかしくて 「何言ってんのよ。」とつけ放していた。 あなたの愛情表現はいつも直球だった。 そして、あなたが投げてきたボールを私がよけても、何度もめげずに投げてきた。 表面上は「困った人。」と受け流していたが、本当は嬉しかった。 あなたが突然この世からいなくなってもうすぐ5年になる。 あの時は本当に驚いたわ。 致死性不整脈で亡くなっていたあなたの第一発見者は私だった。 そして私は救急車が到着するまで、電話口の消防隊員の掛け声を聞きながら心臓マッサージを続けた。 数回やっただけですぐに疲れてしまったけれど、手を止めたらあなたが戻ってこないかもしれないと思うと止められなかった。 けたたましいサイレンと共に救急車が到着するまでの短くて長い時間。 あの時、たぶん、私はそれまでの人生で「続けること」の真剣度を一番感じていたと思う。 だから夫がなくなった直後のnoteの題名が、「今は続ける事が目標」という言葉になったのだと思う。 https://note.com/tukuda/n/n44fb2c3c4976 https://note.com/tukuda/n/n33891a194ed8 それまで私は「続けられない」人だった。勉強でも人間関係でも、続けられない弱い人間だった。 だから、人生の中で真剣に続けたのは、救急車が来るまでにやり続けていた心臓マッサージだけなのだ。そして「続ける事」が私の今後の信念に変わった。 続ける意味は人それぞれだ。 私は最期の日まで前向きに生きることを続けたい。 note毎日連続投稿2000日をコミット中!  1960日目。 ※聴くだけ・読むだけ・聴きながら読む。 どちらでも数分で楽しめます。#ad #66日ライラン

          人生で一番真剣に続けた時【音声と文章】

          人生で一番真剣に続けた時【音声と文章】

          14段目の階段(ショートショート)【音声と文章】

          カチャリ 控えめにドアが開く音がした。 エミが階段を下りて行った。 マスミはその音を聴きながら部屋の壁時計を見た。 3:02。 今起きたのだろうか。それとも今まで起きていたのだろうか。 連日の残業でさすがに昨夜は疲れ果ててマスミは珍しく早めに床に入った。 エミ。 キッチンでザーザーと音がした。歯磨きをしているようだ。 そして階段を上り、足音が一瞬止まり、そしてすぐにエミの部屋に入って行った。 エミ。 エミが学校に行けなくなってもう2年になる。 同級生は進学したり社会人になったりと青春を謳歌している時期なのに、エミの世界はあの時から止まっている。 二人で心療内科に通った。 心の大事さを発信されている方の講演会を深夜バスに乗って二人で聞きにも行った。 しかし、エミはいまだに自分の意思で家を出ることができない。 深夜にコンビニへでかけて、スナック菓子や飲料を買うのが唯一の外出になっている。 エミ。 私はあなたの味方なの。あなたを責めたりなんかしないから。何でも思っていることを言ってほしい。 そう、エミに言うと 「それ、ウザいから。」と言われそっぽを向かれる。 4:00になった。 マスミは起き上がった。 そして灯りを点けずに13段の階段を下りて行った。 最後のステップが終わったはずなのに、右足が14段目を踏み、マスミは突然、ぐるぐると別世界へ落ちて行った。 気が付くと遥か下にエミがいた。 そして私が帰宅した。 「おかえり」 「ただいま~」 エミが何か言いたげだったが、マスミは疲れたような顔で大きくため息をつき、イヤリングを外しソファにドカッと座った。 それを見たエミは静かにその場を去って行った。 場面が変わった。 悩んでいる私がいた。 私、エミのためなら何でもしたい。でも、どうすればいいのか分からない。 夫のヒロシに相談したくても、「疲れているからその話は今度。」と言われる。 付き合っていた頃は、あんなにおしゃべりしていたのに、結婚したらお互い仕事が忙しくてのんびり話をしている時間がどんどんなくなっていった。 今では、寝るために帰ってきているだけの我が家になってしまった。 ヒロシ。 もっと、あなたと話をしたいの。 エミのことはもちろんだけれど、今日、会社であったことや街並みを歩いていて、ふと、季節を感じたことなど、何気ない日常の会話をしたいの。 ヒロシが帰宅した。 マスミはエミのことでヒロシと話そうとした。 でも、ヒロシは帰宅早々、眉間に皺を寄せてネクタイを緩め、深くため息をつく。 「ゴメン、疲れているんだ。」のあなたのひと言が、マスミの喉まできている言葉に蓋をした。 あなたともっと話したい。 でも、お疲れのあなたを労い、それ以上の会話を諦めてしまう。 それはあなたに愛情が無くなったのではなく、愛情があるから話せなくなったの。 足元で悩むマスミを眺めているマスミ。 そうか。エミには「何でも話を聞くから」と言っておきながら、言えない雰囲気をマスミが作り出していたことに気が付いた。 これだったら、エミが言いたいことがあっても言えないのは当たり前。エミが言えないようにしているのは私だったんだ。エミは優しさから私に何も言わないんだ。 それはヒロシに対する私と同じ。 私たちはお互いを大事に思っている家族なのだということを改めて実感した。 それに気づいたマスミはふっと微笑んだ。 note毎日連続投稿2000日をコミット中!  1959日目。 ※聴くだけ・読むだけ・聴きながら読む。 どちらでも数分で楽しめます。#ad #66日ライラン

          14段目の階段(ショートショート)【音声と文章】

          14段目の階段(ショートショート)【音声と文章】

          駄目かもしれない【音声と文章】

          変だよね。 もう駄目かもしれない。 そう思いながらも まだ間に合うかもしれないと歯を食いしばる。 諦めたら楽になるかもしれないのに。 でも 楽にはなるかもしれないが その状態が楽しいかは別。 振り返るとあの時間、あんなことをしていなければと悔やまれる。 駄目かもしれない。 でも、まだ間に合うかもしれない。 だから歯を食いしばる。 そして僕はドアが閉まる瞬間 電車の中に滑り込んだ。 ふーっ。 今朝も間に合った。 今日こそは早く寝よう^^ note毎日連続投稿2000日をコミット中!  1958日目。 ※聴くだけ・読むだけ・聴きながら読む。 どちらでも数分で楽しめます。#ad #66日ライラン

          駄目かもしれない【音声と文章】

          駄目かもしれない【音声と文章】

          悩みに押しつぶされそうになったら【音声と文章】

          自分は何てちっぽけなんだ。 皆と比べて自分は劣等生だ。 恥ずかしい この場所からすぐにでも逃げ出したい。 誰も居ないあの場所に帰りたい。 自分は駄目な人間だ。 そんな思いに押しつぶされそうになる。 そんな時は目をつぶってみよう。 今の気持ちはどのくらいの大きさ? 握りこぶしくらい。 それは今どのあたりにある? 胸の真ん中の奥にある。 挫折、劣等感、妬み、恨み、疎外感。 それを大事に両手で包み今の気持ちを感じてみる。 それを手のひらにおさめて目をぶつってっみよう。 身体が少しずつ大きくなっていく。 身体がむくむく大きくなって 天井を突き破り屋根を突き抜ける。 身体はどんどん大きくなっていく。 下を見るとご町内が小さく見える。 人が米粒くらいに見え、自動車がおもちゃのミニカーに見える。 身体はもっともっと大きくなっていき 下を見下ろすと日本地図になっている。 もっともっと大きくなって宇宙空間にたどり着く。 先ほどまで握っていた私の感情を見る。 四六時中、私を悩ませていた「大きな苦しみ」が 今は小さなゴマ粒のようになっている。 今、大きくなった自分の身体は幻想である。 そして「ちっぽけな自分」と思っていたことも幻想でしかない。 自分の多くを占めていると思われていた悩みは、身体を大きくするだけでそれは小さなものに変わってしまう。 悩んだ時は目をつぶろう。 そして身体をどんどん大きくしていって、たった一歩で外国に行けるほどの大きさになろう。 大きくなった自分にとって、先ほどの悩みは小さな粒でしかない。 悩みはまぼろし。 悩みは自分が勝手に作ったもの。 勝手に自分を小さくして、悩みに押しつぶされている自分を勝手に妄想しているだけ。 だったらその妄想を逆手にとって、身体情報を大きくしよう。 あの勇者のように大きくなった身体からしてみたら、悩みなんてあまりに小さくてないようなものだと気が付く。 悩んだら目をつぶろう。 そして大きくなった自分を感じよう。 押しつぶされそうなその悩みは幻想でしかない。 大きく見えるのは勘違い。 悩んだら目をつぶって身体を大きくして見よう。 そうしたら、悩みなんて自分の身体と比べてみてとても小さいもので気にしなくていいと分かるから。 note毎日連続投稿2000日をコミット中!  1957日目。 ※聴くだけ・読むだけ・聴きながら読む。 どちらでも数分で楽しめます。#ad #66日ライラン

          悩みに押しつぶされそうになったら【音声と文章】

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          心も真夏から秋へ【音声と文章】

          ガタンゴトン、ガタンゴトン。ガタンゴトン、ガタンゴトン。 ブーン。 ゴトンゴトン、ゴトンゴトン。ザー。 始発の電車が通り、やがて陸橋を駆け抜ける音が遠くに聞こえる。 そうか、もうそんな時間か。 四方八方に開け放した窓からは虫の音が競うように聞こえる。 今朝は東側の軍団の勝ちかな。 赤ちゃんが泣きだし、あやすお母さんの声が聞こえる。 遠くで山鳩が、ホッホーホホーッと鳴いている。 私が小学生の頃、家で鳩を飼っていた事を思い出す。 貧乏だったあの頃、鶏・豚など食用の生き物を両親は飼っていたが なぜ食べられもしない鳩を飼っていたのかは知らない。 ホッホーホホーッ。ホッホーホホーッ。 あの頃の私はその声を聴きながら布団の中でうとうとしていた。 ひんやりした風が白いカーテンを揺らす。 あの頃に戻りたい。 ふっと、そんなことを想う。 何も心配することもなく布団の中にいつまでもいられた幼少期に戻りたい。 お母さんの作ったお味噌汁が飲みたい。 鮭やホッケなど、必ず食卓には焼き魚がテーブルの上に上がっていた。 お母さんの作った、砂糖がたくさん入ったライスカレーが食べたい。 今も十分幸せなのに昔を懐かしんでしまうのは、季節と一緒に心も真夏から秋に移り変わったからかもしれない。 note毎日連続投稿2000日をコミット中!  1956日目。 ※聴くだけ・読むだけ・聴きながら読む。 どちらでも数分で楽しめます。#ad #66日ライラン

          心も真夏から秋へ【音声と文章】

          心も真夏から秋へ【音声と文章】

          ひとつだけ持って行けるとしたら【音声と文章】

          気が付いたらスマホのストレージという画面が真っ赤になっていた。 以前から気にはなっていたが、そろそろ対処しよう。 私はスマホに入れてある音声と写真をPCへ移動した。 以前はウォークマンで音声を聴いていたがそれを持ち歩くのが億劫で、ついつい、スマホに頼ってしまっている。 写真や音声がきちんとコピーされたかどうかを確認してから、元のデータを削除した。 そして画像を見てみる。 https://yamayuri58.com/tyoubo/wp-content/uploads/2024/09/Screenshot_20240908-054915_Gallery.jpg 「画像および動画がありません」 削除したから無くて当たり前なのだが、いままで賑やかだった画面が真っ白になっていたのを見て、覚悟はしていたが胸にズキッと刺さるものがあった。 私はあの世に行くまでに整理しないといけないことが山ほどある。 例えば大学ノート。 毎日書いているからすぐにノートは溜まってしまい、きれいにまとめていればいいのに、「見直すかもしれない」と、つい、そのあたりに積んでおく。 自分が思った事を書き留めているノートを、時々、「残しておく意味はあるのか」と自問自答している。 それには本心を書いているから、誰にも見られたくない内容がたくさん綴られている。 勇気や希望よりも、 屈辱、恥、挫折、絶望、後悔、不安、怯えなど、 マイナスな「気」がいっぱいのノートなのである。 私が旅立った後、これらのノートはゴミとして処分される。 それだったら、1冊終わるごとに処分した方がいいのではないかと毎回思いながら、でも、・・・と思っていつまでも捨てられない。 自分にとって大事なものはなんだろう。 数分後にこの地が破壊されるから逃げなければいけない! 持てる荷物は一つだけと限定されている! あなたなら、何を持って行くか? 数年前にそんな切羽詰まった夢を見た。 夢の中の私は何を持ったのか。 それは、母の靴下だった。 当時、アルツハイマー型認知症の母を私は介護していた。 母は自分が脱いだ靴下を箪笥の中だったり、壁と家具の隙間だったり、農作業小屋に吊るしてある母の割烹着のポケットの中などになぜか入れるようになっていた。 だから、母の靴下はいつもなくなり、購入の頻度が多くなっていた。 夢の中で、緊急事態に唯一持って行くものに母の靴下を選ぶほど、当時の私は慣れない介護で疲弊しながらも、母への愛情が深かったのだと、不思議な夢から目覚めて少し考えていた。 もしも、あの時の夢と同じように、一つだけ持って行けるとしたら私は何を選択するだろうか。 そんな、他愛もない事を考えながら、今日もまた手書きのノートに思いを綴る。 note毎日連続投稿2000日をコミット中!  1955日目。 ※聴くだけ・読むだけ・聴きながら読む。 どちらでも数分で楽しめます。#ad #66日ライラン

          ひとつだけ持って行けるとしたら【音声と文章】

          ひとつだけ持って行けるとしたら【音声と文章】

          自分らしく生きる学びの秋【音声と文章】

          自分らしく生きたい。 でも、自分らしくとはどういう状態なのだろうか。 そして思いついたのが、やりたいと思っていることをやってみること。 いつも家と会社の往復で 私には読書とnote以外、趣味と言えるものが今はないけれど とりあえず、やってみたい事をしてみよう。 今月から新しい勉強を始めることにした。 今日がその初日だ。 睡眠時間確保のため、もっと寝ていたかったが、今朝は5:10に身体が目覚めてしまい諦めて起きた。 遠足の日に早起きする小学生と同等である^^ のんびりお風呂に入り、その後、今日のメールマガジンを予約投稿した。 講義は10:00から18:30までzoomで行われる。 理解できるかどうか心配ではあるが頑張ってみよう。 自分らしく生きる。 学びの秋が始まった。 note毎日連続投稿2000日をコミット中!  1954日目。 ※聴くだけ・読むだけ・聴きながら読む。 どちらでも数分で楽しめます。#ad #66日ライラン

          自分らしく生きる学びの秋【音声と文章】

          自分らしく生きる学びの秋【音声と文章】

          気持ちの持ちようなのだ【音声と文章】

          「昨日、自分のPCが壊れた。 今日、在宅勤務用の会社のPCが壊れた!」 離れて暮らす娘からPCの画像と一緒にラインが届いた。 おー!なんてこと、と、私ならここで残念に思う気持ちを表すが 娘は 「宝くじでも買おっかな!」 という言葉がすぐに届いた。 そうか。 「家電製品が壊れた時は幸運の前触れだ」と誰かが言っていたのを思い出した。 他には、なぜか気分がモヤモヤして気持ちが晴れない時は、次元上昇の兆しだとも言われている。 つまりは気の持ちようなのだ。 目の前の現実に対して不運と感じるか幸運と感じるか、それは自分が決めること。 つまり、幸せはいつも目の前にあり、それを自分が自発的に認識するかしないかなのである。 note毎日連続投稿2000日をコミット中!  1953日目。 ※聴くだけ・読むだけ・聴きながら読む。 どちらでも数分で楽しめます。#ad #66日ライラン

          気持ちの持ちようなのだ【音声と文章】

          気持ちの持ちようなのだ【音声と文章】