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ショートショート

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「こうだったらいいな」「ああなりたいなぁ」「もしもこうだったら怖いなぁ」たくさんの「もしも」の世界です。
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記事一覧

あなたが僕を嫌いでも、構わない(妄想の世界)【音声と文章】

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「がっかりだ」 「君がそんな人だとは知らなかった」 分からなくていい。 それは僕があな…

山田ゆり
1か月前
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僕の自己紹介(ショートショート)

あ~っ。 僕は大きなあくびをした。 ドカッとベッドに身体をまかせ、ちらりと覗いたアプリが…

山田ゆり
1か月前
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新入社員リョウスケ(ショートショート)【音声と文章】

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またあの上司に叱られた。 上司はどうでもいいことで僕を非難する。 いつも渋い顔をしている…

山田ゆり
1か月前
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14段目の階段(ショートショート)【音声と文章】

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カチャリ 控えめにドアが開く音がした。 エミが階段を下りて行った。 マスミはその音を聴きな…

山田ゆり
1か月前
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「生きる」って何なんだろう(妄想の世界)【音声と文章】

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「うるさい!」 隣の部屋から姉ちゃんの怒鳴り声が聞こえた。 やべぇ。 つい、ゲームに夢中…

山田ゆり
2か月前
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私は愛されています【音声と文章】(ショートショート)

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私は愛されています。 大きな愛で包まれています。 失敗してもご迷惑をおかけしても どんな時…

山田ゆり
4か月前
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アイコンの罪(ショートショート)【音声と文章】

アイコンと 少しは違う 言ってたけど 見た目が違う 性が違うわ SNS上の文字だけの交流の「仲間」のA美さんは 髪が長く目がパッチリでグラマラスなアイコン。 私は活発な女子って感じのアイコン。 「私たち、なんか気が合うわね。」 何度もやり取りしているうちに意気投合し、初めて会うことになった。 「実は私、アイコンとは少し違うの。驚かないでね。」と、A美が言う。 誰だって理想の姿をアイコンにしているものよ。 だから、そのあたりは了解済み。 某月某日、A美とあの銅像の前で会った。 始めはA美を探せなかった。 でも、キョロキョロしている私に声を掛けてきた男性がいた。 なんとA美は男性だった! アイコンと少し違うって言ってたけれど まさか男性だとは! 勿論、相手も私のアイコンとの違いに少し驚いていたけれど。 なんだそうだったのか! だから同じ匂いを感じていたのか。 それから僕たちはもっと仲良しになった。 note毎日連続投稿1900日をコミット中!  1879日目。 ※聴くだけ・読むだけ・聴きながら読む。 どちらでも数分で楽しめます。#ad アイコンの罪(ショートショート)

食習慣の違い(短歌もどき)【音声と文章】

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あなたから ランチの誘い 何食べよ コーヒー一時間 そりゃないわ 合コンで知り合った彼…

山田ゆり
4か月前
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あなたの余命知りたい?(ショートショート)【音声と文章】

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20XX年。 政府はある無料サービスを始めた。 「あなたの余命を教えます」 生年月日 首が…

山田ゆり
4か月前
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水田に映し出される枝垂れ桜(ショートショート)【音声と文章】

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「あっ。」 ピンクの蛍光ペンを落としてしまった。 カタカタと音が続き、前列の椅子の下で止…

山田ゆり
4か月前
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プラス1時間を与えられる世界(妄想の世界)【音声と文章】

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どこに居ても 何をしても ひとりで居ても 誰かと居ても 一日は24時間。 しかし、20XX…

山田ゆり
4か月前
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悪夢(ショートショート)【音声と文章】

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大きな歯車が動いている。 そして歯車と歯車の間から大きな布団が出てきて私に覆いかぶさって…

山田ゆり
5か月前
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精米は自分で(ショートショート)【音声と文章】

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「いらっしゃいませ!」 自動ドアが開きいつものお客様がお見えになった。 彼女は棚に置かれ…

山田ゆり
5か月前
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ゆりかごから墓場 まで?(妄想の世界)【音声と文章】

「行ってきまーす」 小学一年生のマミは家の自動ドアを抜け外に出た。入り口に立ちマミのうしろ姿に向かって母親は手を振る。 時々マミが振り返る。 その度に肩から斜めに掛けている小さなポシェットがダンスをするように左右に揺れる。 母親はうんうんと大きく頷きながら手を振る。 マミは右手を空高く上げて軽く振る。 それを2~3度繰り返し、マミは右の角を曲がり見えなくなった。 母親はしばらくそこに立っている。 すると、角から黄色い帽子のマミが顔を出す。 母親は両手をあげて大きく振る。 その姿を見たマミは満足して角に消えた。 母親のヨウコは微笑みながら昨夜の雨に濡れた紫陽花を眺めながら家に入った。 ヨウコが子どもの頃は、小学生と言えばランドセルが定番だった。 小さな体に似合わない大きなランドセルの中にはたくさんの教科書やノートが入れられ、初めての登校の朝は嬉しさでそれほど重さは感じなかった。 しかし、下校時にその絶望的な重さに気が付き、泣きたい思いで家に帰り、夕飯の時間まで、泥のように寝ていたことを思い出す。 その後、世の中はどんどんIT化が進み、4つ折りにたたみ手のひらサイズになるタブレットの中に教科書や辞書が入るようになり、今ではランドセルは廃止になった。 今はタブレットと小物を入れた小さなポシェットを斜め掛けするだけ。 黄色い帽子は周りの車や通行人に小学一年生であることを知らせるための目印としてまだこの習慣は継承されている。 学校の体操着は着脱後に掌認証の個人ロッカーに入れておくと その中で洗濯・乾燥され、綺麗にたたまれて中に入っているから 家に持ち帰る必要はない。 工作セットや絵の具・習字道具などは全て学校で共有するから絵の具の買い足しを親がする必要はない。 給食は完全給食で、夜、帰宅が遅いご家庭の子は、学校で夕食を食べてから帰宅する。 給食費はもちろんタダ。全て国が負担している。 だから、ヨウコが子どもの頃は給食費が払えない子がいたり、おうちで満足に食事をとることができない子がいたが、今の時代、それは無くなった。 「食べる」ことに関して子どもたちの不安は無くなった。 ひと頃、少子高齢化が進み、学校が統廃合されていったが、国政が大きく変わり、 幼稚園・保育園・小学校・中学校・高校・大学までと、老人保健施設が同じ敷地内に建てられるように変わった。 総合大運動会は大きな校庭で行われ、保育園児は自分のお兄ちゃん、お姉ちゃんの活躍を嬉々とした目で見ている。 ご老人たちは 「よちよち歩きだったあの子がかけっこできるようになったのかぁ」と 小さい子どもたちの活躍を目を細めて見守っている。 学校が終わってご家庭の都合で家に誰も居ない学生は、学校の図書ルームにいても、老人施設でお年寄と触れ合っても良いことになっているから、子どもたちの安全は守られ、更にはお年寄たちの楽しみの一つにもなっている。 最近は、学校の施設内に 葬儀場を併設する議論が国会でされている。 ※note毎日連続投稿1900日をコミット中!  1863日目。 ※聴くだけ・読むだけ・聴きながら読む。 どちらでも数分で楽しめます。#ad ゆりかごから墓場 まで?(妄想の世界)