#節供
小満;第22候・蚕起食桑(かいこおきてくわをはむ)
生まれ育った地域はかつて養蚕がとても盛んな土地柄で、小学生の頃は隣もお向かいも裏の家も田畑と養蚕を営んでいた。
隠し部屋のようになっていて使うときだけ降ろす階段が、土間続きに設えられていて、それを不思議な感覚で登った記憶がある。登ると蚕室は囲炉裏や寝室のある一階の上ほぼ全てという広さで、そんな板張りのガランとした「お蚕さん」の蚕室に何度か入れてもらったことがあるけど、何百匹といる蚕が草を食む音に
立夏;第20候・蚯蚓出(みみずいづる)
分解者の代表 蚯蚓。特にこの時期、彼らの役割を改めて思い出す。
場所は世田谷ものづくり学校。
ぽくぽくと土を耕してくれて、年々土は豊かになっていく。
人の手は最小限にしている都市では珍しい場所。足元に広がっている見えない営みが命を支えている。
蚯蚓もまた死んだら次の命の場所になる。
啓蟄 第8候・桃始笑(ももはじめてさく)3/11
桃の花が咲く 桃が笑う。
あんなにも明るいピンクを放つことがすなわち笑うことなのだ。
春空に透き通る桃色。
次々と笑い声が大気に満ちて晴れ晴れと遥かな空の春。 笑顔が弾ける春。
spring 発条 のように、発ル ハル。 何度来ても初めてのはる。
桃色は若々しい色。薄絹に染められた淡い赤が「紅」。「紅」は「べに」と読めば妖艶な感じがするが、旁の「工」は虹(にじ)とも通じ、音は光と通じる。