2023年5月の記事一覧
【毎週ショートショートnote】鋼こむらがえり
「いたたた…」
「少しは反省したか?」
相棒は、かなり怒っていた。
たかが、ティッシュやタオルを持って帰っただけなのに、なぜ、そんなに怒るのか俺には理解できない。
おかげで、相棒の蹴りを避けたときに、足をつってしまった。
痛くて痛くてしょうがない。
「あそこの公園まで歩けるか?」
「無理、痛い」
「ったく、しょうがねえな」
相棒は俺を背負って、公園のベンチまで運んでくれた。
こういう世話焼き
【毎週ショートショートnote】メガネ朝帰り
「ああ、いいメガネだった…!」
「馬鹿が」
俺は相方と眼鏡屋をあとにした。
なんとまあ、徹夜明けだ。
トランプのページワンだけで、ここまで遊べるのは俺と相方ぐらいだろう。
「今日は、その眼鏡を一日かけたままな」
俺は舌打ちする。
あんだけ俺でメガネファッションショーをしたというのに、まだメガネを見足りないというのか。
「生粋のメガネ狂いだよな、てめえは」
「まあね。俺は視力がいいから、見る
[インスタントフィクション] 平均的な凡人の悩み をAIが妄想解説してから、私が感想を書く
みんなのフォトギャラリーよりia19200102様からイラストをお借りしました。ありがとうございます。他にもいろいろな葛藤イラストがありましたが、今回の記事では、これが一番あってそうなので、使わせていただきました。自分にとって、なにが適切でなにがあっているのか? まわりの意見に左右されないようにするためには、迷う時間もきっと大切でしょうね。まわりの意見もいろとりどりだと、さらに迷いそうです。
喋
【毎週ショートショートnote】惰性のエッヘン開放
プラネタリウムの上映がおわり、わたしと高嶺さんは常設されている喫茶店でお茶をしていた。
惑星パフェをつつきながら、プラネタリウムの感想を言う。
「わたしには、ちょっと難しかったです」
「あら、そうなの」
「頭だけが惑星になっている人たちも、かなりシュールで」
「ふんふん」
「星座にはくわしくなった気がしますけど、プラネタリウムに来たのなら、星空をもっとみたかったなと」
「なるほど。今後の参考にさ
【毎週ショートショートnote】火星の別件逮捕
高嶺さんにプラネタリウムに行かないかとさそわれ、わたしは二つ返事で応じたのが昨日のことである。
なんでも、プラネタリウムの会員のみのプレミアム上映なのだとか。
期待に胸をふくらませ、待ちあわせにもなっているプラネタリウムへ行く。
『火星、なぜ、こんなことを』
『わからないのか地球よ』
わたしはなにを見せられているのだろうか。
隣に座る高嶺さんをチラ見すると、暗闇でもわかるほどに目をらんらんと輝
【毎週ショートショートnote】三分豚足
家庭科室にて、僕は調理し終わった豚足をあたためていた。
いや、なんで?
いや、なんでかは、わかっている。
誕生日プレゼントのケーキを食べていたら、林檎ちゃんが豚足を食べたいといったからだ。
豚足はすぐに手に入らないし、処理だって時間がかかるかもしれないと言ったら、いくらでも待つと林檎ちゃんが答えたから、僕は一週間で豚足の煮込みが入ったタッパーを学校にたずさえてきた。
林檎ちゃんは、そろそろ家庭科室
【毎週ショートショートnote】半分ろうそく
誕生日には嫌な思い出しかない。
ケーキを買って、ろうそくをたてたことがない。
もう高校生だから、こだわらなくていいのかもしれないけれど。
あこがれるのは、あこがれる。
「林檎ちゃん。お誕生日おめでとー」
「知ってたんだ。ありがとう」
クラスメートの女の子たちから、プレゼントをいっぱいもらう。
友達にはめぐまれているので、プレゼントへのあこがれはない。
ケーキがほしいけど、そこまで望むのは贅沢だ
[インスタントフィクション] 自己陶酔決意表明 をAIが妄想解説してから、私が感想を書く
みんなのフォトギャラリーより、みきたにし☆イラストレーター様からイラストをお借りしました。ありがとうございます。現実逃避しても、現実はね、待ってくれないんですよね。明日から、がんばろうという気持ちを持ちながら、今日はのんびりする。私もよくします。このまるがお君のイラストは他にもバージョンがあったのですが、違うものも使いたくなるくらい魅力的な言葉がならんでいましたが、今回の記事はこれが一番あっていた
もっとみる【毎週ショートショートnote】風見鶏ローディー
「その笛があれば、盗まれていた伝書鳩もすぐに帰ってきたんじゃないの?」
「下手に笛を吹いたら、暴れた伝書鳩が怪我をするかもしれないでしょ」
「さすが、ボディビルさん。その通りです」
伝書鳩盗難事件も解決し、首謀者は連行された。
パーティーのつづきを楽しむことになったけど、私がいてもいいのかしら?
恋人と二人きりの方がいいんじゃ?
私の心配も知らずに、尾出幸次さんは伝書鳩パーティーの由来をはなしは
【毎週ショートショートnote】伝書鳩パーティー
伝書鳩好きが一堂に会する伝書鳩パーティーに、なぜかバディがいた。
「ボディビルも来るなんて、どうしたの?」
「仕事よ。あんたはなんでここにいるの」
「幸次さんのおじいさんが主催のパーティーだから来たの」
「さらわれないようにしなさいよ」
「事件が起きなければね~」
「大変だ! 伝書鳩が盗まれた!」
早速、事件だ。
「首謀者はあなたですね!」
「くっそっ!」
首謀者は近くにいた女性に手をのばした。