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フランスでショコラトリー販売員になる

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フランスのショコラトリーで販売員として働くまでの話や、フランス語、お菓子にまつわる話。その他フランス一周あちこちの地方の話などお届けします。
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2021年8月の記事一覧

フランス・季節の仕事~葡萄摘み③~

フランス・季節の仕事~葡萄摘み③~



葡萄摘み2日目。

初日と打って変わって、雨…そしてかなり寒かった。

この時期のアルザスは、朝晩は息が白くなるほど寒いのに、日中は、タンクトップ一枚で仕事していた程暑かった。しかし、雨となると気温は上がらず…。私は、日本にいる両親から”輸入”した、日本によくある、半透明の白いカッパを着て集合場所に向かった。

「それじゃ寒いよ。」

と、ムッシュが私を見るなり、分厚いカッパを貸してくれた。

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フランス・季節の仕事~葡萄摘み⑧Final~

フランス・季節の仕事~葡萄摘み⑧Final~

葡萄摘みも、2週間目に入ると大分慣れてきた。

自分達の持ち場の列が終わると、まだ終わっていない列に行って葡萄を摘んだ。隣の列に、葡萄の木の下をくぐって移動していた私を見て、従業員の一人が、私のことをシュトロンフェットと呼ぶようになった。なんのことかと思ったらベルギーのアニメ、スマーフ(仏名:シュトロンフ)に出てくる、青い顔した小人の女の子のことだった。

体格の良いそのムッシュは、いつも海パンひ

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フランス・季節の仕事~葡萄摘み⑦ストラスブールへ~

フランス・季節の仕事~葡萄摘み⑦ストラスブールへ~

葡萄摘みの仕事が始まって、2回目の週末がやって来た。

先週は、コルマールと、二―デルモルシュヴィルへ行った。

以前にも書いたが、週末になると住み込みをしていたフランス人達は、自分の家へと帰り、週末を過ごしていた。

それで、今回は独りぼっちになってしまう私を、相部屋のフランス人女性が

「ウチくる?」

と、誘ってくれたので、いくいく!とお言葉に甘えたのだった。

彼女の自宅は、ストラスブール

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フランス・季節の仕事~葡萄摘み⑥

フランス・季節の仕事~葡萄摘み⑥

朝の食堂では、いつもラジオのニュースが流れていた。

パトロンが読むアルザスの地方紙を横目に見ながら頂く焼きたてバゲットは、私のお楽しみだった。私はフランス語のニュースが好きだ。全部意味が解らなくても、好きだ。ニュースならではの話し方があるように思うのだが、流れるようなフランス語が好きなのだと思う。

以前にも書いたが、ここでの朝食がきっかけで、私はバターが大好きになった。ノルマンディ産のビオの無

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フランス・季節の仕事~葡萄摘み⑤妖精の村へ~

フランス・季節の仕事~葡萄摘み⑤妖精の村へ~

葡萄摘みの仕事が始まってから、初めての日曜日。

どうしても訪れたかった村へ、オーナーが車で連れて行ってくれた。

5年ぶりに来たその村は、Niedermorschwihr(二―デルモルシュヴィル)。

コンフィチュールの妖精と言われている、フェルベールさんのお店がある村だ。当時、そこで働いていた日本の職場の先輩を尋ねたのだ。

初めて訪れたのは2002年。

その後、サロン・デュ・ショコラでフェ

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フランス・季節の仕事~葡萄摘み④休日のコルマール散策~

フランス・季節の仕事~葡萄摘み④休日のコルマール散策~

週末になると、住み込みで働いているフランス人達は、それぞれの家へと帰り、思い思いの休暇を過ごした。

静まり返った部屋に残ると、何だか寂しい気持ちになったが、丁度オーナーがコルマールのマルシェに買い出しに行くと言うので、駅まで送ってもらい、散策することにしたのだった。

コルマールは、これで2回目だった。

初めて旅行で訪れてから、5年の月日が流れていた。

今回は一人で散策だ。

私は、このフラ

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フランス・季節の仕事~葡萄摘み②~

フランス・季節の仕事~葡萄摘み②~

朝8時前、私達を乗せたトラックは、村を出ると広大な葡萄畑の中を走った。

ブルルン!

車が停車し、エンジンが止まった。

私達は次々にトラックの荷台から飛び降り、一斉にバケツや大きなキューブ型の樽を降ろすと、パトロン(オーナー)の周りに集まった。

パトロンが次々に従業員たちに支持を出し、私達(Les filles/ 同じ部屋のフランス人女性と私)はペアになってパトロンの指さした列に配置された。

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フランス・季節の仕事~葡萄摘み①~

フランス・季節の仕事~葡萄摘み①~

2007年9月16日…

2か月過ごしたリヨンから、電車で揺られること5時間以上…。

私はようやくリヨンからずっと北北東にある、アルザス地方・コルマールの駅に辿り着いた。ここで私は、葡萄農家さんと待ち合わせをしていた。

わざわざ車で迎えに来てくれたのだ。

今日が初対面。いや、もしかしたら、以前に会っていたかもしれない。

実は以前、こちらのワイナリーに旅行で訪れており、今回お願いしたのも、そ

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新たな目的地へ

新たな目的地へ

8月末―。

今となっては住み慣れたホームステイ先を後に、私は荷物が入ったダンボ―ルを抱え、こちらで知り合った日本人の知人宅へと歩き出した。車なら何ということのない距離だが、段ボールを抱えて徒歩で移動するとなると話は別だ。

1人で引っ越しをするには、少々荷物が多すぎた。

1年間いて良いというステイ先のムッシュの言葉を真に受け、日本から沢山のものを送ってもらい過ぎていた。

息を切らしながらベル

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フランスでショコラトリー店員になる#10 全てを失った日

フランスでショコラトリー店員になる#10 全てを失った日

秋から始まるヴァンダンジュ(葡萄摘み)…その後始まるショコラトリーでの仕事に、私は意欲を燃やしていた。

ヴァンダンジュから戻ったら、すぐに仕事が始まるから、今のうちに商品知識を身に着けておかないと…

そう思い、予め準備をしたい旨を、ショコラトリーにメールした。

小さな、街のショコラトリー。

プライス等をメモしに行きたいところではあるが、狭い店内にいつまでもいると、他のお客様の迷惑になってし

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フランスでショコラトリー店員になる#9 契約

フランスでショコラトリー店員になる#9 契約

私は、部屋探しに明け暮れていた。

Perrache駅の近くのシェアハウスは予算オーバーで断念。それから、リヨンの端にあるGrange-Blanche駅のアパルトマンも内覧した。

埃まみれのがらんどうの部屋を見て、改めて気付いた。

そうだ、家具なしに住んだら、一から揃えないといけないんだ…。

途方に暮れ、ガードレールに寄りかかり、道路を行き交う車を暫く眺めていた。

1年以上住むなら家具なし

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フランスでショコラトリー店員になる#8 部屋探し②

フランスでショコラトリー店員になる#8 部屋探し②

中国人の友人から、”Colocation(共同借家)"の話が持ち上がった頃、語学学校の友人からも、同じ提案があった。

中心地でアクセスが良く、動きやすいという点で魅力があった。

しかし、問題があった。

彼女の友人が退居後に入る人を探していたのだが、同居者も退居をする為、私は誰と共同生活を送るかわからなかった。その上、部屋の仕切りは薄いカーテンが一枚あるだけで、ほぼ丸見えだった。それで新しい入

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フランスでショコラトリー店員になる#7 部屋探し①

フランスでショコラトリー店員になる#7 部屋探し①

2週間後に出て行って欲しい――。

突然のことに、私は動揺を隠せなかった。

「いやぁ、息子夫婦が帰ってくることになってね。場所がなくなるんだ。悪いんだが、当初の契約通り、今月いっぱいはいて構わないから、部屋を探してくれ。」

「そんなこと急に言われても困ります!」

気付いたら、涙がボロボロとこおぼれ落ちていた。

「だからこうして、早く言っているじゃないか。まだ2週間もあるんだぞ?」

2週間

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フランスでショコラトリー店員になる#6突然の嵐

フランスでショコラトリー店員になる#6突然の嵐

こうして、地方のパティスリーでの販売の仕事が白紙になった私は、残りの内定先、つまり、ムッシュが紹介してくれた近所のショコラトリーでの仕事を考え始めていた。

葡萄摘みの仕事から帰って来たら、すぐに仕事が始まるだろう。だったらそれまでに、ある程度の商品を少しずつ味見して覚えておいた方が良い。

そう思って、時間を見つけてはちょくちょくと通い、食べていないケーキを少しずつ購入して、ノートに書き留めてい

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