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京都の劇団 三浦基/安部聡子/石田大/窪田史恵/小林洋平/田嶋結菜

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    Soundtracks for CHITEN

    『どん底』『地下室の手記』『ファッツァー』『グッド・バイ』、そして『ギャンブラー』の音楽をまとめた渾身の1枚。 1. Go/od/bye 2. Koi 3. Roulettenburg 4. Souzokunin 5. Botayuki 6. Suishokyu 7. Zoko 8. Nindongendon 9. S/B 10. Taiko 11. Tamagawajousui 12. Table 全12曲収録 2,000円+税 *三浦基の寄稿、空間現代メンバーによる楽曲解説あり
    2,200円
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    雑誌『地下室』草号3冊セット

    雑誌「地下室」草1〜3号がお得なセット価格でお求めいただけます。
    2,000円
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    雑誌『地下室』草号3

    松原俊太郎の戯曲「忘れる日本人」、ついに完結。 写真家・石川竜一が、彼の忘却と記憶、過去と未来、意識と無意識、を語りつくす。 初期近代ヨーロッパの記憶術を研究する桑木野幸司と 現代日本の空間にふさわしい忘却術をさぐる。 60年代アングラ演劇の研究者・梅山いつきと、地下室での3日間合宿。 3年後の「レガシー」を忘れるために、食べて、飲んで、しゃべって、ときどき黙る。 三浦基が連載の最終回であらためて芸術を宗教から解放することを訴える。 ....... [文章] 忘れる日本人《三》……松原俊太郎 石川竜一の意識が地下室で語る……石川竜一(聞き手:赤嶺宏介) 現代日本の忘却術=記憶術のために……桑木野幸司(聞き手:赤嶺宏介) あゝ、レガシー……梅山いつき+地下室編集部 信仰とは芸術にとってひとつのさぼりである――なぜスタニスラフスキー・システムではダメなのか?[最終回]……三浦 基 [写真]石川竜一
    825円
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ルールで突き刺す 小林洋平

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ルールで突き刺す 小林洋平

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俳優の小林です。この度地点では、作品ごとのルールブックを作ることになりました。なぜ作るのかというと、どんどん忘れていくからです。どんなことをやっていたか。なぜこんな動きをしていたか。なぜこんな喋り方をするのか。この「なぜ」を今書いておかないと、本当に忘れていくからです。

ルールブック作成に当たっては、私の記憶だけではとても覚束ないので、他の俳優の記憶も総動員して書いていきます。つまり、これは地点

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『どん底』の洋平タイム〜「歌うか?with 名前ラップ」「にん・げんのうた」

『どん底』の洋平タイム〜「歌うか?with 名前ラップ」「にん・げんのうた」

「歌うか?with 名前ラップ」

『どん底』の持つ場末感やなんでもありな感じ、やぶれかぶれな感じに乗じてがっつり歌ってみようと思いつくった。
前半が演歌調、後半がリズム&ブルース調っぽくなっていて、後半の中に登場人物の名前を列挙した「名前ラップ」も入っているというなかなかエンタメな作品。

Yoh(サーチン) おい、おい、五銭くんなよ。おい。
Mid 神様!
(Yoh、Midを起こす)
Yoh 

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『どん底』のルール〜バイーンからバイーンまでのワンマンショー

『どん底』のルール〜バイーンからバイーンまでのワンマンショー

『どん底』
作:マキシム・ゴーリキー
2017年11月初演(2021年8月再創作)
アンダースロー
上演時間約80分
音楽 空間現代

この芝居は、基本的に一人が前に出て行って客席に向かって発語する、ワンマンショーのような形式を取っている。しかし、演技をしている最中に「バイーン」(と呼んでいる。「バタン」とも)という大音響が鳴り響くと発語者は台詞の途中であろうがなんだろうが、ショーを中断して戻らな

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スポーツ劇の洋平タイム〜「シュワちゃんタイム」 小林洋平

スポーツ劇の洋平タイム〜「シュワちゃんタイム」 小林洋平

「シュワちゃんタイム」
久々に台本を見返して、自分で「バカだな……」としみじみ思ってしまった愛すべき作品。
この台本で「シュワちゃん」と言っている部分は原文では「アーニー」となっていて、オーストリアでのアーノルド・シュワルツェネッガーの愛称。
つまり、日本でいう「シュワちゃん」である。

シュワちゃんに憧れ、筋肉増強剤の過剰摂取で死亡したボディビルダー、“アンディ”ことアンドレアス・ムンツァー。

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『スポーツ劇』のルール〜反復横跳び+反り返るコート=再演不可!?

『スポーツ劇』のルール〜反復横跳び+反り返るコート=再演不可!?

地点『スポーツ劇』
作:エルフリーデ・イェリネク 翻訳:津崎正行
初演:2016年3月、ロームシアター京都 サウスホール
KAAT 神奈川芸術劇場 大スタジオ
上演時間 120分
音楽監督:三輪眞弘

地点の俳優は決して、運動神経は悪くありません。
ただ、すごく良くもないです。
ふつう、です。
秀でたところといえば、一般の人より少し声が大きいことくらいでしょうか。
そして当たり前ですが、世界にはも

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ハムレット・マシーンの洋平タイム〜「ハムレットラップ」「マシーンラップ」 小林洋平

ハムレット・マシーンの洋平タイム〜「ハムレットラップ」「マシーンラップ」 小林洋平

「ハムレットラップ」(9.連想ゲーム)
シェイクスピアのハムレットから印象的な単語を抜き出し、韻を踏みつつ物語をイメージできる様に構成した。
途中から「畜生」や「懺悔」が繰り返し挿入されることでリズムが生まれる様にした。

見張り ねずみ 怪異 世界 形見 忘れ 形見
王子 黒い 上着 柩 かたき 誰に 父に 叔父に たとえばなし
輩 誰だ 輩 今夜 噂 結果 栄華 ローマ 玉座 挽歌
墓場 立派

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『ハムレットマシーン』のルール〜上演不可能と言われる戯曲を上演したらこうなった

『ハムレットマシーン』のルール〜上演不可能と言われる戯曲を上演したらこうなった

作:ハイナー・ミュラー 翻訳:谷川道子
初演:2019年10月、THEATRE E9 KYOTO
上演時間 75分

『ハムレットマシーン』は15ページしかない戯曲である。しかし、隠喩や比喩やダブルイメージやらハムレットからの引用とか政治とかその他あらゆる難解で意味深な表現を総動員して書かれている。密度はとても濃い。
でも15ページはどうしたって15ページなので喋れる言葉は少ない。そこで、シェイク

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洋平タイムとは 小林洋平

洋平タイムとは 小林洋平

洋平タイム、または洋平ショーなどと呼ばれる。
主に小林洋平が台詞を喋る時間。
しかし、ただ台詞を喋ればいいというものではない。
自らが方向性を決め、言葉を選び、手法を考える。
大抵は個人的に勝手に作り始める。基本的に原作の言葉のみを使い、その言葉を組み立て、覚えて、練習し、こんなのできましたと言って発表する。やりたいことを明確に見せるために台本を外した状態で見せる。なので結構練習する。3週間くらい

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罪と罰の洋平タイム〜「ラスコ情緒不安定MIX」(不採用) 小林洋平

罪と罰の洋平タイム〜「ラスコ情緒不安定MIX」(不採用) 小林洋平

『罪と罰』の洋平タイム、なし(しいて言えばラストの手斧と対決しながらの台詞だが、これはほぼ演出の指示なのでやはり厳密に言うとなし)。

「ラスコ情緒不安定MIX」(不採用)
ラスコーリニコフの台詞の断片をつなぎ合わせることで思考や気持ちの不安定さ、状況の全く異なる台詞が繰り返されるおかしみを狙った。
登場人物の名前を入れることで他己紹介を狙った。
しかし入るタイミングがなく不採用。

悪いけど、腸

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『罪と罰』のルール〜本当にできるのか?台詞の分断の最高峰!

『罪と罰』のルール〜本当にできるのか?台詞の分断の最高峰!

地点『罪と罰』
作:フョードル・ドストエフスキー 翻訳:江川卓
初演:2020年2月、神奈川県立青少年センター紅葉坂ホール
       京都芸術劇場春秋座                

上演時間 125分

地点の稽古場では台詞を分断させる方法を常に考えている。この『罪と罰』での分断のルールはとても複雑だった。とても俳優泣かせだった。開発された時は「喋っている時に

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グッド・バイの洋平タイム〜「飲みましょう。乾杯。グッバイ。」 小林洋平

グッド・バイの洋平タイム〜「飲みましょう。乾杯。グッバイ。」 小林洋平

「飲みましょう。乾杯。グッバイ。」
太宰治=道化なら、スタンダップコメディはどうだろうか。
底なしにネガティブなコメディになるのでは?
一人で舞台に出て行って、挨拶がわりに「生まれてすみません」。二言目には「死にたい、いっそ、死にたい」と飛び跳ねて、「恥の多い生涯を送ってきました」と言いかけてゲロを吐く。志賀直哉を「アマチュアである」と扱き下ろし、川端康成を「刺す」と脅迫する。酔いが回ってきたら、

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『グッド・バイ』のルール〜音楽とともに台詞は発語できるのか?

『グッド・バイ』のルール〜音楽とともに台詞は発語できるのか?

地点『グッド・バイ』
原作:太宰治
初演:2018年12月、吉祥寺シアター
上演時間 75分
音楽:空間現代

今、これを書いているのは『グッド・バイ』の初演、2018年12月の約1年半後なのだが、ルールがさっぱり思い出せない。
なんとなく作品のイメージは分かるのだが、細部のルールがさっぱりだ。
複雑なのだ。
ものすごく手の込んだことをしている。当時の台本を読んだら、台詞がすごく入り組んでいる。台

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これ一行詩で。 安部聡子

これ一行詩で。 安部聡子

これは地点の稽古場で「Oui Non ウィ ノン」(机上で、使うテキストを監査)しているとき、台詞を割り振ってるときに聞かれる言葉です。ちなみに稽古が始まってちょっと行き詰まってくると、「そこ、なんかいい一行詩ない?」という言葉が聞かれるようになります。そうすると俳優たちは自分の持ち台詞の中から最適と思われる一行詩を引っ張りだして試してみます。見事局面を打開する一行詩が選ばれると、やっと稽古が再開

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地点の稽古場でよく出てくる用語集 小林洋平

地点の稽古場でよく出てくる用語集 小林洋平

いわゆる「業界用語」というものがあります。
その業界特有の言葉。
例えば、料理業界では古い食材を「アニキ」と呼び、本屋業界では書店で返品不能となってしまった本を「ショタレ」と呼ぶそうです。
舞台業界の言葉もけっこう特殊です。普段使わない言葉もかなりあります。

上手、下手。
じょうず、へた、ではなく、かみて、しもて、と読みます。客席から舞台を見て右が上手、左が下手です。
これはある程度市民権を得て

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忘れる日本人の洋平タイム〜「お前たち」「忘れるラップ」 小林洋平

忘れる日本人の洋平タイム〜「お前たち」「忘れるラップ」 小林洋平

「お前たち」
自分の台詞の中に「お前たち」という単語がちょうど10個出てくるブロックがあった。「お前たち」と発語するたびに指を出して数えていき、最後に両手を挙げたばんざいの格好になるようにした。「お前たち」を発語するときは観客に向かって「お前のことだぞ」という感じにした。

あったんだよ、残酷な世界が。お前たちのやる気と犠牲者の数は反比例の関係にある、お前たち以上に崇高なゴールキーパーはいない、お

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『忘れる日本人』のルール〜極めて日本人的なスラッシュが誕生した

『忘れる日本人』のルール〜極めて日本人的なスラッシュが誕生した

地点『忘れる日本人』
作:松原俊太郎
初演:2017年4月、KAAT 神奈川芸術劇場 中スタジオ
上演時間90分

このころ、劇団では「舞台の上を普通に歩いてはいけない」もっと言えば「3歩以上歩いてはいけない」という強迫観念が蔓延していた。(これがピークに達するのが『汝、気にすることなかれ』なのだが)で、どうやって普通じゃなく歩くかが模索された。結果、足がつりそうになる歩き方が採用された。
一方、

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