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歴史あれこれ

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歴史ウラ話集。表の歴史に隠れたような歴史のこぼれ話が大好物です。 妄想や独自の見解話などの収集帳。
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2021年9月の記事一覧

「帝国キネマと東大阪」郷土史の中のウラ史実②~「あしたづ」第十号より

「帝国キネマと東大阪」郷土史の中のウラ史実②~「あしたづ」第十号より

▼「太秦映画村」は大阪にあった!京都にある太秦映画村を知っていますか?
私も子育て中に訪れた事がありますが、今でも現役の東映映画の撮影所です。
その前進が、かつて「帝国キネマ園芸株式会社」という社名で、大阪にあったという事実を知って驚きました。
私も半世紀をとうに過ぎるぐらい生きてますが、さすがに知らなかった。

まだ映画が「活動写真」と呼ばれ、無声映画に合わせて弁士がセリフを語る時代。日本にそれ

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郷土史には身近でリアルなウラの史実があった①~「あしたづ」第十号より

郷土史には身近でリアルなウラの史実があった①~「あしたづ」第十号より

「あしたづ」との出会い私の紀行サークル「レキジョークル」メンバーであるチコさんから、「あしたづ」という刊行誌を紹介され、図書館にあるよという情報を受けて借りてみました。

主に大阪府東部にあたる河内の歴史の詳細が書かれているのですが、私にとっては何もかもが興味深い歴史のひとコマが切り取られているので、夢中になってしまいました。

チコさんのお父さんは郷土史家であり、発行元である昭和59年11月発足

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石見銀山を守る重要な城、山吹城をご紹介(後編)

石見銀山を守る重要な城、山吹城をご紹介(後編)

こんいちは、ゆうさいです。

今回は、前回の投稿に引き続き、山吹城をご紹介します。
前編をまだお読みでない方は、ぜひこちらを先に読んでから後編に進んでいただければと思います。

1551年、周防国の守護大名の大内義隆(おおうちよしたか)さんが重臣である陶晴賢(すえはるかた)さんの謀反により攻められ自害するという「大寧時の変」が起こります。

陶晴賢さんは、義隆さんの養子となっていた大友義鎮さんの弟

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『鬼滅の刃』の和柄〜泥棒の定番「唐草模様」の世界へつながる装飾ストーリーが深過ぎです

『鬼滅の刃』の和柄〜泥棒の定番「唐草模様」の世界へつながる装飾ストーリーが深過ぎです

テレワークが増えたせいで「自宅での仕事を快適にしたい!」
と思う方が増えてるみたいです。

前はノートPCを使っていたのに、移動しないから逆にウルトラワイドのディスプレイを購入したり、などのデスク周り投資や

生活にメリハリをつけようと
盛り塩をしたり、神棚や神具を家に置きたいという方まで増えてるみたいです。

(↓詳しくはコチラ 有料記事ですが登録すれば無料で読めます)

いえいえ、盛り塩・神棚

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鶴姫(つるひめ)と常山城(つねやまじょう)落城 その1(全3回)

今日はね、戦国時代、岡山県にあった常山城落城のお話しだよ。
ポンと昔。備中(びっちゅう)岡山県の瀬戸内海の海を臨むところに児島富士と呼ばれている標高307メートルの小山があってね、そこに常山城はあったのさ。遠い昔は瀬戸内海に浮かぶ吉備(きび)の小島と呼ばれていた小さな島だったんだけれど、室町時代の頃から川から流れて来た土砂が積もっていって陸続きになったんだ。この常山城の城主お殿さまは上野隆徳(うえ

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鶴姫(つるひめ)と常山城(つねやまじょう)落城 その2(全3回)

鶴姫が、なぎなたを抱えるのを見て、春日局(かすがのつぼね)と女房(にょうぼう)たちがびっくりして、鶴姫の鎧(よろい)のそでに取り付いてね、
「戦うことなど、お止めくださいまし。死後修羅の責め苦(しゅらのせめく)は免れませぬ。成仏できませぬよ。今はただご自害をなされませ」
と止めたんだ。修羅とは地獄にいる鬼のことだよ。すると鶴姫はね、カラカラと笑うと、
「そなたは、女のことゆえ敵も殺しはいたすまい。

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鶴姫(つるひめ)と常山城(つねやまじょう)落城 その3(全3回)

鶴姫は、「駆け破れ、ものども!」
と大勢に声高く駆けあうと、鶴姫と34人の女房たちと83人の家僕たちは、毛利の先陣、浦兵部宗勝(うらのひょうぶむねかつ)たち700騎の真っただ中へと切り込んでいったんだ。女たちの叫び声が、そこここであがる。敵の数十人が倒れていく。鶴姫は馬上に目当ての宗勝(むねかつ)を見つけると、
「我と一勝負つかまつらん」
とただ一文字に切りかかった。これを宗勝はかわすと、
「御身

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石見銀山を守る重要な城、山吹城をご紹介(前編)

石見銀山を守る重要な城、山吹城をご紹介(前編)

おはようございます、ゆうさいです。

今回は、石見銀山を守る城として中国地方の大勢力が奪い合った城、山吹城をご紹介したいと思います。

この山吹城は、島根県大田市の要害山城の山頂にあるのですが、整備はされているものの登り坂が思いのほか急で、登城に苦労した記憶が残っています。

そんな山吹城ですが、昔から石見銀山を支配するための城として重要な役割を担ってきました。
石見銀山といえば世界遺産として海外

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