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ハナダチサトー雑記

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記事一覧

【現代詩】ミント

【現代詩】ミント

やっすいミントの味がする
午後10時の洗面台

チョコミントもモヒートも
僕はミントを受け付けない

パフェの上にお高くとまって
君も僕が嫌いだろう?

唯一僕が口にする
ペースト状のヤツの味

自分で選ぶことない味は
少しスリリングでスパイシー

僕らの時間を味にするなら
ちょうどおんなじミント味

【現代詩】足りない夜

【現代詩】足りない夜

まどろみ

たゆたう

ぼく一人

きみの手

足りずに

寂しいね

くらやみ

さまよう

ぼく一人

きみの手

足りずに

寂しいね

【現代詩】ほどける夏の果実

【現代詩】ほどける夏の果実

波音も潮風もない夏
恋人も友人もない夏

僕は熱冷却装置のついたこの部屋
ネットの海に溺れることにする

あっという間の夏だった
高校球児の夏も終わった

夏の果実がほどけていく
死ぬことも生きることもできぬまま

果実はいずれ種となり
また次の夏に実を結ぶ

次はかじることができるだろうか
酸味と苦味と甘味のひとときを

【現代詩】命日

【現代詩】命日

あっけなく終わりは来た

人間社会に悪影響を及ぼす私
手術台へと連れてかれ
この身にメスがいれられた

親にもらった大切な体
それを侮辱するのなら
とことん抗ってやろう

手術台の上で私は死んだ
手のひら返し受け入れても
もはやそれは私ではなく

私は今日を命日にして
ダレカの体で明日を生きる
ワタシみたいな風をして

【現代詩】ネバネバネバーランド

【現代詩】ネバネバネバーランド

今日の晩ごはんは
オクラのお汁と納豆
ネバネバネバーランドへ
ようこそ

人生ねばり気が大事
ポキッと折れずにねばり強く
折れそうになったらまた
ネバネバネバーランドで
待ってます

折れる前に来るんだよ

【現代詩】梅酒のあるていねいな暮らし

【現代詩】梅酒のあるていねいな暮らし

私は気づいた
私はていねいな暮らしが
したいのだ

梅酒を作るのではなく
梅酒に合う器を求め
本や店に旅をし
あげく器を多く持つのは
ちがうなと小さな家に
戻ってくるそんな暮らし

そういう私は梅酒が
飲めない

ていねいな暮らしに憧れるが、ていねいは苦手だ

【現代詩】芸術作家志望生

【現代詩】芸術作家志望生

ああARTがしたい
この上もなく
唯一神でなけりゃ
美の女神にみいられて
しまったのだろう

芸術がしたい
誰かのマネごとでなく
私にしかできないこと
この世に魔法があれば
美の魔女にまどわされて
しまったのだろう

したい、のに、できない、魔女のせいだ

【現代詩】私たちのなりたかったもの

【現代詩】私たちのなりたかったもの

声優になりたかった
あこがれの世界で生きたかった

ボカロPになりたかった
あの歌声で心をふるわせたかった

神絵師になりたかった
命を世界を創り上げたかった

私たちはなりたかった創造神に
2次元で生きようとしていた

それがさ令和になっても
この次元で生きている一人の人間

みんな普通の創造しない仕事についてしまった

【現代詩】たぽたぽおなかバイバイバイ

【現代詩】たぽたぽおなかバイバイバイ

たぶんたぶんね
いやきっと
うつだから太ったんだ
ねたきりと薬とストレスと

でも私はやせるんだ
そう決めたからやせるんだ

カッコ良くキレイにかわいく
私の青春まだおわりじゃない
たぽたぽおなかバイバイバイ

まずは歩くのとお茶生活それから今はジムとプロテイン

【現代詩】リラックスの勝利

【現代詩】リラックスの勝利

リラックス
リラックス
そしたら必ず
うまくいく

何かに負けたと
しても
リラックスした
時点で
君の勝ちだ

体にぎゅっと力を込めてこめて「フッ」と抜くのがポイント

【現代詩】おわった日

【現代詩】おわった日

おわった日なのに
おわってない

自由を得た日なのに
悪い方にばっかり使ってさ

色を変え形を変え
たたかいは今でも

すべての命をとむらう日
毎年平和を始める日

終戦日は後ろばかりじゃなく前を向く日

【現代詩】ラテ

【現代詩】ラテ

アイス抹茶ラテ
ホットほうじ茶ラテ
全然ちがうのに
まざりあう

都会のお姉さんと
いなかの私

全然ちがうのに
まざりあう

それはかくされた
エスプレッソのせい

ラテも私たちも苦めのエスプレッソが隠し味