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せいかつ

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生活の中からこんにちは。
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#日記

メモ

メモ

『僕が殺したひとことを
君はあっさり生き返らせ
僕にはなんの意味もない
意味なんてあるわけない
僕に意味が
あるわけない
価値はあるけどね』

スマホのメモを繰っていたらこんな事が書いてあった。全く覚えてないけれどたった一年前のもの。

これはいったい何?
私が残したの?
最後がいいねぇ。
スパンッとして。

橙色

橙色

昨日の出勤途中。歩く道沿いの古い家の庭に柿の木があって、こぼれ落ちそうな沢山の橙色が視界に入る。柿、いいな、分けてくれないかな私に全く見ず知らずの私に、くれるわけないだろが、ならぽろんとこっちに一個くらい落っこちてこないかな道に落ちたの拾って貰うぶんには犯罪にはならんよね柿泥棒にはならんよねと、心の中でしょーもない事をブツブツブツブツ言いながら歩く。

だって柿って甘くって美味しいからさぁ、
好き

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さよならの向う側

さよならの向う側

夕食後、ポカンと口を開けながらYouTubeで山口百恵の夜ヒットラストステージを見た。
素晴らしいね、ちょっと涙出たし。
周りの歌い手達も全員プロ。本物。歌手。
和田アキ子とか高田みづえとか西城秀樹とかアンルイスとか桜田淳子とかその他諸々プロしかいない。
そんな人達がメドレーで山口百恵のヒット曲を順番に歌う。百恵の肩を抱きながら、百恵の頭を包み込みながら、百恵も泣き、プロの仲間達も泣く。俺も泣く。

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窓から見えるもの

窓から見えるもの

夕飯後の食器を洗い終えると
茶の間から聞こえる高速の手拍子
何事かと尋ねると
「十二拍子の練習」
なんのために?
「フラメンコが十二拍子だから」

ふーん、面白いね君は本当に

世界は沈黙と喧騒でぐるぐる回り
アタシは一層くるくる働く
クリスマスやお正月

その部屋が暖かいという理由だけで
生きていてもいいのだ
それのみ

ところで
明かりの正体に理由や罪はなく
ただ綺麗だねと動く心
それのみ

踏めない

踏めない

落ち葉が踏めない。
子供の頃や若い頃、なんならほんの数年前までは寧ろ好んでカサカサジャクジャクあの音や感触を味わいたくて踏みに行っていたが。

今年になって踏めなくなった。
それは「落ち葉が可哀想」という優しく乙女な少女の心持ちを含んでそうで大きく違い。

「蜘蛛を殺したら悪い事が起きそう」と同じ類いの「落ち葉を踏んだら悪い事が起きそう」な心持ち。踏まれたら痛いと訴える生き物のように見えるのだ。職

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世界

世界

河童色のシャツをゆるっと身につけジーパンは右膝と右尻に小さな穴。数年前に古着屋で買った重宝しまくりぬくぬくボロボロカーディガンを羽織り頭は寝癖、の私がキッチンのシンクに寄りかかりハッピーターンを齧っていると夫が震える声で
「カッコいい。。。」

私はカッコいい。
夫もカッコいい。
お互いだけがそう思う世界。
狭い世界。
狭くて、もしかしたら、広いそれ。

ムーンライト

ムーンライト

今日は夫が歯医者で歯を一本抜いて来た。
抜歯。
帰宅後段々と痛みがやって来てそれはまるで刃物か何かでザクザク歯茎を刺されてるような痛みだと言う。
痛み止めを飲んだけれど効かず、その後はただ黙って静かに耐える人が4時間ソファに居る図。これが私なら痛い痛いと転げ回っての大騒ぎだ、痛みに弱過ぎるので。

けれど夫は違う。
本当にただただ静かに顔を歪め目をつむり、じっと居る。
いつもそう。
何が起きても愚

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夏の、はじまりのような終わりのような

夏の、はじまりのような終わりのような

夫が死なないで帰って来る事を願う日々だ。
大袈裟でなく真面目なはなし。
部屋の神棚に居る神様に毎日手を合わせている。

夫の仕事は高校の用務(殆どが屋外の修繕や草刈り)と、その後は副業で農園の草刈り。
暑い、暑いのだ。とにかく死ぬほど暑いのだ。死ぬほどという事は死ぬかもしれないのだ。

夕方になっても熱風が吹くこの季節、炎天下。身体中の水分が持っていかれその先には脱水が待ち受ける。これだけ毎日バッ

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 口内炎

 口内炎

前歯の下の唇をベロンとめくればそこにはデッカい口内炎。物を食べて立て続けに噛んで噛んで噛み倒してしまいそれだけでも痛いのにその後案の定口内炎になり今に至る。

痛い、沁みる、口を閉じていても歯が微妙に当たり寝てても痛い。数日すれば勝手に治ると分かっていても、たったこれっぽっちの事が憂鬱の種に。
軟弱め。

はて、紅茶は殺菌作用があったんじゃなかろうか、風邪だのインフルエンザだのに効果的だという。な

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宝石があった

宝石があった

雨の湿気でバサバサに広がりクリンクリンにとっ散らかった髪の私を見て、職場の若い女の子が哀れみを持った目で「お疲れ様でーす」と挨拶をする。彼女の髪は潤いに満ちたつるんつるん。
綺麗だな、と単純に思う。
かつての私もそうでした、若い私の髪はたっぷりの水分を保ちまた、手入れも行き届きいつだって艶ピカでしたと心の中で報告をする。

段々と、まあまあの速度で、こういう老いゆえの変化に抗わなくなって来ている。

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芽吹き

芽吹き

ゴミ出しに出てみれば
桜が咲き乱れ
菜の花は黄色
最後の収穫を待つ近所の庭にはオレンジめいた金柑
芽吹く春
様々が芽吹いて鼻から入り
身体の死んでる場所をさらりとノックしてゆく

数歩後ろにどこかの猫
白線の内側を守りゆっくりと進む
一ミリもはみ出さない優秀さよ
振り向けば止まり
振り向かなければついてくる内側を守りながら

どこかの馬鹿車が
この住宅街の細いスクールゾーンを猛スピードで走り抜ける

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有り難い

有り難い

一ヶ月くらい前の事、このようになりまして。

結局のところ、様々な要因が重なった結果大きく自律神経が乱れたのであろうという事。更年期だというのが大きいのかもしれない、絶対そうだ。それ以来生活のあれこれを、もっと言えば染みついた思考回路を自分なりに改善してみてる途中。行きつ戻りつだけれども、今までよりいい。ちょっとずつでいいんです、今までよりはいいからね。

月並みですが、健康が一番。
この年齢にな

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絶滅する煙草

絶滅する煙草

煙る草。

さて今日、私は休日で夫は出勤で、夫が帰って来たら一緒に夫の煙草を買いに隣の隣の街のいつもの煙草屋へ行く。待ちに待った給料日である。
その店はモノホンの煙草屋で、世界のあらゆる煙草が揃っているらしい。葉巻もあるしパイプもあるし葉っぱだけがズラリなど、その他諸々煙草に関するものが所狭しと並んでいるらしい。らしい、というのは私は店内まで同行しないから聞いた話。

どんなに家計が苦しくたって、

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誰の為

誰の為

夫が観たいと言ったから、この為にわざわざDisney +に加入して三日間連続で観た。
夫は、自分の人生を変えたもののひとつがビートルズだといつも言っているのだ。

とてもよかった。
最後は胸がいっぱい。せつないし。

ところで。
ビートルズが解散したのはオノヨーコのせい、いつもジョンの側に居て邪魔でしかない、あの人がいなければもっとずっと長くビートルズの曲を聴けたかもしれないのに!などと言っている

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