宝石があった
雨の湿気でバサバサに広がりクリンクリンにとっ散らかった髪の私を見て、職場の若い女の子が哀れみを持った目で「お疲れ様でーす」と挨拶をする。彼女の髪は潤いに満ちたつるんつるん。
綺麗だな、と単純に思う。
かつての私もそうでした、若い私の髪はたっぷりの水分を保ちまた、手入れも行き届きいつだって艶ピカでしたと心の中で報告をする。
段々と、まあまあの速度で、こういう老いゆえの変化に抗わなくなって来ている。むしろ嫌だわもうーと口にしながらも、今のこの自由な姿が好きだったりもする。全てこういう領域とは言わないけれど。
夕方のレジで会計を終えた人の肩を見ればそこには宝石。お通夜にでも行くのだろうその初老の男性の喪服の肩に、撥水で弾かれた小さな小さな雨粒がパラパラパラーっと乗っかり、まるで砕いたダイヤモンドのよう。
真っ黒の綺麗な生地の上でキラキラ光るそれは本当に美しく、思わずじっと見つめてしまいました雨の日のレジ。
雨で寒いのに、エッセルスーパーカップバニラ味を買って帰ってしまいました。
休日前のお疲れ様でしたアイスだから。
帰って夫と食べ
さっむ!と言って食べ終え暖房を入れてしまいました。電気代も高いのに。考えよう。
今日は買い出し。束の間の良い天気らしい。
てくてく歩いて坂道を下り
また上って帰って来ようね、私。
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