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絶滅する煙草


煙る草。

さて今日、私は休日で夫は出勤で、夫が帰って来たら一緒に夫の煙草を買いに隣の隣の街のいつもの煙草屋へ行く。待ちに待った給料日である。
その店はモノホンの煙草屋で、世界のあらゆる煙草が揃っているらしい。葉巻もあるしパイプもあるし葉っぱだけがズラリなど、その他諸々煙草に関するものが所狭しと並んでいるらしい。らしい、というのは私は店内まで同行しないから聞いた話。

どんなに家計が苦しくたって、夫から煙草を取り上げる事は出来ません。やめて欲しいとも思いません。私の母もかっこいい喫煙者だったので嫌いではなく寧ろ好きな煙の匂いだし、私もたまには吸うのだし。
一度は禁煙というものを試みた夫だが、なんと味気ない生活だったでしょうその胸中たるや。

夫、煙を愛しているのである、その味を。
決してスパスパ勢いに任せて吸う事をしない。
一本を、それはそれはたっぷりと時間をかけ、大事に大事に吸う。夫が一本吸い終わる間に、他の人ならば四本は吸えるんじゃないだろうか。
いつだったかの喫煙所でも、夫がゆったりと煙草を燻らせている間、七、八人は入れ替わり立ち替わりであった。
美しいなその姿、と見惚れるほど。
それがもう、見れなくなるのかい。

決して人(吸わない人)に迷惑をかけないような吸い方。煙がいかないように、必死に消臭も心掛け、高い税金も納めて。お酒はあんなに事件や事故を招いても禁酒世界にはならないね、ほとんどの喫煙者たちよ。世知辛いね。愚痴愚痴。。

今日行く煙草屋で出会した老女がいつか、
「ここに来る度に世界の色んな葉巻の中からひとつだけ買って、毎日の眠る前に一服するひとときが生きてる楽しみ」と夫に告げた事が忘れられない。

煙を奥に吸いこまず口の中で味わう夫の肺は、とっても綺麗で喫煙者だとは信じられないと健康診断でいつも医者に驚かれる。
他の部位も全く問題無いらしい。
喫煙者の人、参考までに。






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