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エッセイ集

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2024年2月の記事一覧

汚れてしまえ

汚れてしまえ

どんなに幸せにしても
君の白目はまっしろなの
それが美しくて
憎くて
憧れで
君のからだから引きちぎって
今日に掲げて
未来へ駆け抜けていきたい
そうすればこの目も汚れてぼく色になる
キラキラな未来も
汚れてしまえ

茶埜子尋子

内宇宙的恋愛観

内宇宙的恋愛観

恋愛するなら夜がいいねって
恋人に言ったの
今度はなにを言い出すんだと
頭を傾げて、いつもどうりの、


夜であれば
きみは見えなくて
誰のものでもなくなって、
僕のものでもなくなるの

同じくぼくも見えなくて
誰のものでもなくなって、
君のものでもなくなるの

地球から放り出された星の粒みたいに

夜は小さな内宇宙

もう目を開けても
真っ暗闇の世界だ

抱きしめてるのは君?
感触はあるよ

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はじめて田原坂に行った話

はじめて田原坂に行った話

中学校くらいかな、
父が出かけるの好きで
休みの日はしょっちゅうどこかへ連れて行かれていた
ある日のドライブ先が、
田原坂だったのだ

田原坂にはいる向かいの道側に
まんじゅう屋さんがあって、
最後はそこに寄って帰ろうね、なんて
話しながら、
田原坂公園へ続く山道を登った

一の坂、二の坂という看板があって
どんどん上へ登っていくんだけど、
なんかね、すごく厳かな感じっていうか、
重い色をしていて

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ポエムの主人公になりたい、って話

ポエムの主人公になりたい、って話

ながれ星に乗って旅をしたり

(首元がリボンできゅっとなってるワンピース着て)

都会が見渡せる窓にブランコみたいに腰掛けて夜にかえる光をみつめたり

(傍らには珈琲、カラフルな部屋のソファーに茶トラの猫が眠ってて)

古いピアノがある教会で17時になったらトロイメライを弾くおじさんに出会って毎日通うようになったり

(イメージはイギリスの田舎町の鄙びた教会、少しずつ教えてもらって弾けるようになっ

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メガネ革命

メガネ革命

ふと思った
って言うか、
言葉になった
っていうか

色眼鏡を付けた方が綺麗にみえるって

夏に母の実家に帰って、
いとこ達と遊びに出かけた時のこと

2台か3台で行って、
わたしは兄貴の車に乗ったんだ
助手席

はい、って

Ray-Banの青色のサングラス

えーかっけー、こんなの持ってんだ
しゃれてるね

やろ

兄貴は別の黒いサングラスをかけた

ちょっとイケイケになれる気がして
うきうき

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透明が好き

透明が好き

好きな色はなに?って
聞かれたら
透明が好きってこたえたい
そんな余裕のある
自分でいたいだけ

いや、ちがうの
本当はもっとちゃんと考えてたけど、
書こうとしたら、止まっちゃった

できるなら、
色も
意味も
形もこえて
透明が好きになりたい

見えないものも
大事にしたいし、
きっとそっちの方が
世界は広い

月日の流れ

気持ちの流れ

枯葉 舗道 自転車

目に留まる色んなものにも
透明

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2024/02/06の話

2024/02/06の話

今日の夜ご飯は豚汁だって
祖母の声が
冷蔵庫でみたちくわを
通り抜けていく
飲み口が知り合いのお父さんに似ている
缶ジュースを取って
コップに注いでいく
まだ野菜が生きている
火にかけられて直ぐのなべ
豚汁のいつものメンバーじゃない
椎茸が真ん中を陣取っている

出た
祖母のお得意の主食が2つの提案
豚汁あるのに
皿うどんって、

やめとこ
どっちかが余るから
やめとこ

じゃあ明日する?

絶対

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1月19日金曜日の話

1月19日金曜日の話

今日の晩御飯は水炊き
私がお皿を拭いている横で
祖母が一生懸命にお肉やら野菜やら
一生懸命にぶった斬っている
81歳、祖母、
わたし同じ歳なったらって考えると
骨付きの鶏肉ぶった斬るなんてできない、

てゆーか誰が食べるのよ、そんな量、、

祖父、祖母、父、母、わたし、妹
人数は足りてるけど、

みんな歳、とったよ、、

わたしの小さい頃から変わらない
晩御飯の量
食卓いっぱいに料理が並ぶのが

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