加藤大夢|病院課題解決プロジェクト管理|事務長業務支援

企業でのチームマネージメント・病院の事務長・ITコンサルの経験から、運営をうまくやろう…

加藤大夢|病院課題解決プロジェクト管理|事務長業務支援

企業でのチームマネージメント・病院の事務長・ITコンサルの経験から、運営をうまくやろうと懸命な病院事務長や看護部長寄りの立場で、実践的な施策立案とノウハウを共有し、知識・ご意見を共有・吸収し、私どもも成長したいと考えています。

マガジン

  • リアルドキュメント 病院事務長の悩み

     病院事務長の悩みは尽きません。手元には常に10から20の課題があり、ひとつ解決してもひとつ増える、解決したと思ったらまた再発している、の繰り返しで気の休む日がありません。  そんな病院事務長のリアルな課題を共有し、解決の方向性を探っていければと考えます。

  • R6年診療報酬改定 生活習慣病管理料(Ⅱ)

     R6年診療報酬改定の主要施策は、厚労省の準備不足でいずれも手段が目的化しかかっているようです。  生活習慣病管理料(Ⅱ)は、コロナ禍以降なかなか回復しない外来の救世主か、はたまた死刑執行人なのか。外来が本来の目的を取り戻し、地域医療が正常化するように、具体的な施策立案方法を示します。

  • 事務長業務実践書を作成してみる

     病院事務長業務を実践的にかつ体系的に述べた文章は殆ど見ないので、作成しようという試みてす。  アプローチ手法としては、ラディカルとナラティブが混沌とした病院運営を整理・解決する際に有効と考えています。これらの手法の詳細は詳しくは説明しませんが、目的を見失わす、ぶれないことが肝要ということだと認識しています。

  • R6年診療報酬改定 ベースアップ評価料

     R6年診療報酬改定の主要施策は、厚労省の準備不足でいずれも手段が目的化しかかっているようです。  特にベースアップ評価料は、病院収益構造を破壊する諸刃の剣になりかねません。ベースアップ評価料収益と病院支出の合理的なバランスを維持する具体的な施策立案方法を示します。

記事一覧

固定された記事

【R6年診療報酬改定 ベースアップ評価料】⑩賃金改善計画作成のコツとシミュレーション資料の公開

1.賃金改善計画策定の基盤になる3つの定義ベースアップ評価料を正しく理解し、確実で合理的な賃金改善計画を作成するには、以下の3つの情報をどう理解するか、がとても…

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【病院事務長の悩み】病院労務管理の課題あるある (延長戦)~定年後再雇用

 前半後半編に引き続き、顧問レベルの社労士では、現場の実態が把握がむずかしいい、または把握できていたとしても具体的な解決策の実施に至らず、なかなか解決まで進まな…

【事務長業務実践書を作成してみる】⑦採用活動において人材紹介会社とどうつきあうか

1.対人材紹介会社対策は? 人材紹介業者が病院運営の悩みの種であることは、上記記事でしっかり述べました。では、どう対応するのか、道はふたつです。 A案 うまくコ…

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【病院事務長の悩み】経営コンサルタントとの付き合い方 第三章 落しどころ

(前回まで)  経営コンサルタントと会議室で対峙する事務長は、苦戦しつつイニシアティブを握ることができ、今日限りか次回に繋げるかの宣告をするところまで持ち込んだ…

【R6年診療報酬改定】【生活習慣病管理料(Ⅱ)】生活習慣病にかかる疾病管理の見直し~生活慣習病療養計画書(初回)様式9を検…

 多くの診療所・病院では、【生活習慣病管理料(Ⅱ)】を算定するための文書「療養計画書」には、厚労省のひな型をベースにしていると思います。 6月からの開始ですので…

【R6年診療報酬改定】【生活習慣病管理料(Ⅱ)】生活習慣病にかかる疾病管理の見直し~予想通りに混乱中

1.外来機能における生活習慣病にかかる疾病管理の見直し 「高血圧症」「糖尿病」「脂質異常症」の三大生活習慣病が、【特定疾患管理料および特定疾患処方管理加算】の対…

【事務長業務実践書を作成してみる】⑤事務長と病院コンサルの業務の狭間は?

 「病院経営コンサルに思うこと」で述べたように、コンサルは事務長の日々のトラブルバスター的なお仕事を助けてはくれません。コンサルの仕事は、経営者から経営方針や課…

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【事務長業務実践書を作成してみる】③トラブルバスターとしての事務長のお仕事【改訂】

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【事務長業務実践書を作成してみる】②事務長のやるべき目的的テーマ【改訂】

病院事務長業務について、ざっくりとした定義と業務体系および目的テーマについて、以下の記事でお話ししました。続いて、目的的なテーマをもう少し具体的に述べていきます…

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【病院事務長の悩み】人材紹介業者をいかに●●するか

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【病院事務長実践書を作成してみる】④事務長から見た病院経営コンサルとは

 この記事は、決して病院経営コンサルタント(以下、コンサル)のすべてに対して、決めつけで苦言を呈しているわけではありません。しかし、どうも病院とミスマッチである…

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【事務長業務実践書を作成してみる】①病院事務長業務について(改訂)

 病院事務長業務の実践書が見当たらないので作成を試みます。 先ずは、事務長業務とはなんぞやからスタートです。  ちなみに、この記事は、事務長業務について書かれた文…

どんな組織でもそうですが、特に病院は医師を頂点としたヒエラルキーがあるため、「既得権」と「被害者意識」という組織の成長や公平性を阻害する2大要因が非常に強く存在し、なかなか消えてくれません。「既得権」と「被害者意識」との戦いが病院の運営課題解決の本質です。

運営の課題を抱えている病院経営者に、職員の意識改革を強く勧めるコンサルタントが多いけれど、意識が改革されたらオートマチックに課題がみるみる解決されるなんてことはありません、やるべきことは、目的に沿った具体的な解決方法を立案し牽引するリーダー体制(ひとりじゃ難しい)の構築です。

【R6診療報酬改定ベースアップ評価料】④ベースアップ評価料が謎すぎる その4 5/20診療報酬オンラインセミナー」を視聴して

1.「診療報酬オンラインセミナー」の開催 2024.5.20厚生労働省保険局医療課主催でベースアップ評価料に係る「診療報酬オンラインセミナー」が開催されました。 ベースア…

【R6年診療報酬改定 ベースアップ評価料】⑩賃金改善計画作成のコツとシミュレーション資料の公開

【R6年診療報酬改定 ベースアップ評価料】⑩賃金改善計画作成のコツとシミュレーション資料の公開

1.賃金改善計画策定の基盤になる3つの定義ベースアップ評価料を正しく理解し、確実で合理的な賃金改善計画を作成するには、以下の3つの情報をどう理解するか、がとても重要です。

①令和6年度診療報酬改定の概要

【賃上げ・基本料等の引き上げ】の令和6年度及び令和7年度における賃上げのイメージ

②基本給等(基本給又は決まって毎月支払われる手当)に係る事項」

別添_計画書(病院及び有床診療所)および(

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【病院事務長の悩み】病院労務管理の課題あるある (延長戦)~定年後再雇用

【病院事務長の悩み】病院労務管理の課題あるある (延長戦)~定年後再雇用

 前半後半編に引き続き、顧問レベルの社労士では、現場の実態が把握がむずかしいい、または把握できていたとしても具体的な解決策の実施に至らず、なかなか解決まで進まない課題のあるあるをとりあげます。
 延長戦の今回は、まさに延長戦「定年後再雇問題」をとりあげます。

年の為ですが、以下はすべて適正でないか、改めるのがよい運用です。

①定年前の意思確認時の病院側の意思表示

 定年後に再雇用希望か否かの

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【事務長業務実践書を作成してみる】⑦採用活動において人材紹介会社とどうつきあうか

【事務長業務実践書を作成してみる】⑦採用活動において人材紹介会社とどうつきあうか

1.対人材紹介会社対策は? 人材紹介業者が病院運営の悩みの種であることは、上記記事でしっかり述べました。では、どう対応するのか、道はふたつです。

A案 うまくコントロールする

B案 きっぱり縁を切って、自前で仕組みで採用する

 B案は、ある程度常時採用数が見込める規模があり、かつHPの運営も自前で行える体制を有した病院グループであれば、きっぱり人材紹介業者と縁を切って、この方法に取り組めます

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【事務長業務実践書作成してみる】⑥病院経営コンサルをうまく使いこなす

【事務長業務実践書作成してみる】⑥病院経営コンサルをうまく使いこなす

 他の記事で、病院経営コンサルには厳しい意見を述べていますが、良いコンサルも多数います。また、コンサルを使ったけどうまくいかないという話の多くは、病院側が目的と要件を正しく示せていないからです。

 まず、目的を明確にして、それからどれが可能なコンサルを探すという、あたりまえの手順が大事です。具体的な目的別課題の方向性と注意点を記してみます。

1.課題はほぼ把握しているが、今後の取組のの為に、正

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【病院事務長の悩み】経営コンサルタントとの付き合い方 第三章 落しどころ

【病院事務長の悩み】経営コンサルタントとの付き合い方 第三章 落しどころ

(前回まで)
 経営コンサルタントと会議室で対峙する事務長は、苦戦しつつイニシアティブを握ることができ、今日限りか次回に繋げるかの宣告をするところまで持ち込んだが・・・

 打ち合わせが始まる前に理事長室に呼び出された事務長は、理事長にこのように言われます。
「使えるようなら、事務長の判断、でなんか短期の小さめの依頼を渡してもいいぞ」
 事務長は、”使える”も”短期”も”小さめ”も判断基準が曖昧で

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【R6年診療報酬改定】【生活習慣病管理料(Ⅱ)】生活習慣病にかかる疾病管理の見直し~生活慣習病療養計画書(初回)様式9を検証する

【R6年診療報酬改定】【生活習慣病管理料(Ⅱ)】生活習慣病にかかる疾病管理の見直し~生活慣習病療養計画書(初回)様式9を検証する

 多くの診療所・病院では、【生活習慣病管理料(Ⅱ)】を算定するための文書「療養計画書」には、厚労省のひな型をベースにしていると思います。
6月からの開始ですので、まずは初回用の療養計画書を検証しましょう。

今までの療養計画書は以下の通りです。

 新しいバージョンは旧バージョンと比べて、検査・問診が簡素化されています。
 また、重点を置く領域と指導項目は、多職種の担当者がサインするように
担当者

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【R6年診療報酬改定】【生活習慣病管理料(Ⅱ)】生活習慣病にかかる疾病管理の見直し~予想通りに混乱中

【R6年診療報酬改定】【生活習慣病管理料(Ⅱ)】生活習慣病にかかる疾病管理の見直し~予想通りに混乱中

1.外来機能における生活習慣病にかかる疾病管理の見直し 「高血圧症」「糖尿病」「脂質異常症」の三大生活習慣病が、【特定疾患管理料および特定疾患処方管理加算】の対象から外され、新設される【生活習慣病管理料(Ⅱ)】の対象となりました。これは再診回数に占める特定疾患管理料の算定回数割合が高いため、特に内科系のクリニックや病院に大きな影響が出ています。今まで算定が簡易だった特定疾患管理料から外されると、外

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【事務長業務実践書を作成してみる】⑤事務長と病院コンサルの業務の狭間は?

【事務長業務実践書を作成してみる】⑤事務長と病院コンサルの業務の狭間は?

 「病院経営コンサルに思うこと」で述べたように、コンサルは事務長の日々のトラブルバスター的なお仕事を助けてはくれません。コンサルの仕事は、経営者から経営方針や課題認識を聞き出し、商材として有している解決手法を「戦略テーマ」として売り込むことです。
 それは、およそ以下のようなテーマです。

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【事務長業務実践書を作成してみる】③トラブルバスターとしての事務長のお仕事【改訂】

【事務長業務実践書を作成してみる】③トラブルバスターとしての事務長のお仕事【改訂】

 「事務長のやるべき目的的テーマ」記事で、事務長が推進する目的別の経営・運営テーマについて述べましたが、今回はトラブル分類で何をすべきか述べます。
 少しややこしいかもしれませんが、目的的なテーマは全体を俯瞰して進める中長期テーマ、トラブル対応は喫緊の課題を解決する短期中期テーマと考えてください。
 日々さまざまな問題が生じるため、その都度、現状を把握し問題発生の要因を分析し、あり姿とのギャップを

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【事務長業務実践書を作成してみる】②事務長のやるべき目的的テーマ【改訂】

【事務長業務実践書を作成してみる】②事務長のやるべき目的的テーマ【改訂】

病院事務長業務について、ざっくりとした定義と業務体系および目的テーマについて、以下の記事でお話ししました。続いて、目的的なテーマをもう少し具体的に述べていきます。

 目的的なテーマは以下の5つになります。これらのテーマは相互に関係しています。ですから、どこから優先的に始めるのかは、全体を俯瞰してみることがとても重要になります。しかし、のんびりもできないのが、病院事務長の業務ですから、運営上喫緊の

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【病院事務長の悩み】人材紹介業者をいかに●●するか

【病院事務長の悩み】人材紹介業者をいかに●●するか

 この記事は、決して医療人材紹介業者(以下、人材紹介業者)のすべてに対して、決めつけで苦言を呈しているわけではありません。しかし、腹立たしい人材紹介業者が存在することも事実です。したがって、人材紹介業者の関係者諸氏は、電話を手当たり次第にかけたり乱発したメール管理にお忙しいでしょうから、わざわざこの記事を読む必要はございません。病院関係者、特に事務長や採用担当者の皆様はこの苦悩を共有していただき乗

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【病院事務長実践書を作成してみる】④事務長から見た病院経営コンサルとは

【病院事務長実践書を作成してみる】④事務長から見た病院経営コンサルとは

 この記事は、決して病院経営コンサルタント(以下、コンサル)のすべてに対して、決めつけで苦言を呈しているわけではありません。しかし、どうも病院とミスマッチであることを自覚していない質の低いコンサルが存在することも事実です。ですから、コンサルの皆様は、以下の記事をわざわざお忙しい時間を割いてまで読む必要はありません。コンサル以外の読者さま(特に医療機関関係者の皆様)は、この記事に該当しない優良なコン

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【事務長業務実践書を作成してみる】①病院事務長業務について(改訂)

【事務長業務実践書を作成してみる】①病院事務長業務について(改訂)

 病院事務長業務の実践書が見当たらないので作成を試みます。
先ずは、事務長業務とはなんぞやからスタートです。 
ちなみに、この記事は、事務長業務について書かれた文章によくある、「事務長はとても多忙で大変です(事実ですが)」という苦労話や、「事務長としてこれだけは覚えとけば大丈夫(それで済むわけがない)」という怪しい指南書のような内容ではありません。合理的に円滑に業務を遂行する目的で、事務長業務を、

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どんな組織でもそうですが、特に病院は医師を頂点としたヒエラルキーがあるため、「既得権」と「被害者意識」という組織の成長や公平性を阻害する2大要因が非常に強く存在し、なかなか消えてくれません。「既得権」と「被害者意識」との戦いが病院の運営課題解決の本質です。

運営の課題を抱えている病院経営者に、職員の意識改革を強く勧めるコンサルタントが多いけれど、意識が改革されたらオートマチックに課題がみるみる解決されるなんてことはありません、やるべきことは、目的に沿った具体的な解決方法を立案し牽引するリーダー体制(ひとりじゃ難しい)の構築です。

【R6診療報酬改定ベースアップ評価料】④ベースアップ評価料が謎すぎる その4  5/20診療報酬オンラインセミナー」を視聴して

【R6診療報酬改定ベースアップ評価料】④ベースアップ評価料が謎すぎる その4 5/20診療報酬オンラインセミナー」を視聴して

1.「診療報酬オンラインセミナー」の開催

2024.5.20厚生労働省保険局医療課主催でベースアップ評価料に係る「診療報酬オンラインセミナー」が開催されました。
ベースアップ評価料について理解を深めるものと期待しましたが、かえって違和感を深めるものでしたが、同時に今までの迷走の原因も判明しました。

2.ベースアップとは何をさすのか

そもそも「ベースアップとはなにか」を考えることが重要です。ベ

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