加藤大夢|病院課題解決プロジェクト管理|事務長業務支援

企業でのチームマネージメント・病院の事務長・ITコンサルの経験から、ロック魂を少しのス…

加藤大夢|病院課題解決プロジェクト管理|事務長業務支援

企業でのチームマネージメント・病院の事務長・ITコンサルの経験から、ロック魂を少しのスパイスに、運営をうまくやろうと懸命な病院事務長や看護部長寄りの立場で、実践的な施策立案とノウハウを共有し、知識・ご意見を共有・吸収し、私どもも成長したいと考えています。

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記事一覧

【事務長業務実践書を作成してみる】経営戦略・事業計画策定の実践的手順

 「事務長の実践書を作成してみる」試みも記事を重ねてきましたが、私の頭の中のマップは、視点やノウハウなどを示した後、テーマ別の具体的な実践手法を示していくという…

何をしたかよりも何をしなかったかに目を向けてみよう。
何をしたかばかりが注目される時代です。
そんな中、結果はどうあれ、意識したいのは、やるべきことをやったのか。
自省することで客観的に自分を分析できるので、無駄な努力をしなくてすみます。自分を甘やかしてもどこへもいけないよ。

【事務長業務実践書を作成してみる】⑫収益向上策アクションプランの実践的手順

 医療法人は非営利法人ですが、継続の為には安定した経営で安定した利益を確保する事が最重要になります。従って、「営業収益の増加」は最重要戦略のひとつであり、合理的…

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【事務長業務実践書を作成してみる】⑪損益計算書から利益構造上の課題を検証するのも事務長の業務

 事務長業務はトラブルバスターと強調してきましたが、延髄反射的な業務だけでは経営を支えられません。頭脳プレーも重要です。 1.損益計算書を検証するのも事務長の業…

【事務長業務実践書を作成してみる】(番外)電子カルテの導入について

1.IT導入支援という業務  多くの病院では、電子カルテ(以下、電カル)について導入済みか導入準備を進められているかと思います。政府の動きもあり、「導入しないリ…

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「人間関係」「風土」「コミュニケーション」という言葉を安易に使って思考が停止しているケースがあまりに多い。私は課題抽出や対策検討の際にこれらの言葉を極力使わない。けれど、これらの言葉を用いてわかった気になっている人が多い。「それはコミュニケーション不足ってことですよね」(-_-)

【事務長業務実践書作成してみる】⑩病院の経営戦略の構築について(改訂)

 病院経営戦略についての記事は、実践書のどこに位置付けるのか、非常に迷うところです。 【事務長業務実践書作成してみる】の構成構想を説明すると、①から③までは病院…

【病院事務長の悩み】医療機器卸売業と医業機器メーカーって独特ですよね

 この記事は、医療機器卸業者(以下、医療卸)を単にこき下ろしているわけではありません。むしろ彼らもメーカーの価格戦略の被害者かもしれません。しかし他業種から見る…

【R6年診療報酬改定】【生活習慣病管理料(Ⅱ)】まず内容を理解するところから

1.生活習慣病の疾病管理の見直し R6年診療報酬改定において、三大生活習慣病(脂質異常症、高血圧症、糖尿病)について、「特定疾患療養管理料の対象疾病」から外され…

【病院事務長の悩み】病院労務管理の課題あるある (延長戦)~定年後再雇用

 前半後半編に引き続き、顧問レベルの社労士では、現場の実態が把握がむずかしいい、または把握できていたとしても具体的な解決策の実施に至らず、なかなか解決まで進まな…

【事務長業務実践書を作成してみる】⑦採用活動において人材紹介会社とどうつきあうか

1.対人材紹介会社対策は? 人材紹介業者が病院運営の悩みの種であることは、上記記事でしっかり述べました。では、どう対応するのか、道はふたつです。 A案 うまくコ…

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【事務長業務実践書作成してみる】⑥病院経営コンサルをうまく使いこなす

 他の記事で、病院経営コンサルには厳しい意見を述べていますが、良いコンサルも多数います。また、コンサルを使ったけどうまくいかないという話の多くは、病院側が目的と…

【病院事務長の悩み】経営コンサルタントとの付き合い方 第三章 落しどころ

(前回まで)  経営コンサルタントと会議室で対峙する事務長は、苦戦しつつイニシアティブを握ることができ、今日限りか次回に繋げるかの宣告をするところまで持ち込んだ…

【R6年診療報酬改定】【生活習慣病管理料(Ⅱ)】新しい生活慣習病療養計画書(初回)様式9を検証する

 多くの診療所・病院では、【生活習慣病管理料(Ⅱ)】を算定するための文書「療養計画書」には、厚労省のひな型をベースにしていると思います。 6月からの開始ですので…

【R6年診療報酬改定】【生活習慣病管理料(Ⅱ)】予想通りに混乱中

1.外来機能における生活習慣病にかかる疾病管理の見直し 「高血圧症」「糖尿病」「脂質異常症」の三大生活習慣病が、【特定疾患管理料および特定疾患処方管理加算】の…

【事務長業務実践書を作成してみる】⑤事務長と病院コンサルの業務の狭間と事務長の責任について

 「病院経営コンサルに思うこと」で述べたように、コンサルは事務長の日々のトラブルバスター的なお仕事を助けてはくれません。コンサルの仕事は、経営者から経営方針や課…

【事務長業務実践書を作成してみる】経営戦略・事業計画策定の実践的手順

【事務長業務実践書を作成してみる】経営戦略・事業計画策定の実践的手順

 「事務長の実践書を作成してみる」試みも記事を重ねてきましたが、私の頭の中のマップは、視点やノウハウなどを示した後、テーマ別の具体的な実践手法を示していくというのものです。まだ、視点やノウハウなどの説明は語りつくせていませんが、そろそろ具体的な実践手法の説明を始めたいと思います。経営戦略と事業計画策定の実践的手順を最初のテーマとします。

経営戦略と事業計画策定の実践的手順は以下の3つのSTEPに

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何をしたかよりも何をしなかったかに目を向けてみよう。
何をしたかばかりが注目される時代です。
そんな中、結果はどうあれ、意識したいのは、やるべきことをやったのか。
自省することで客観的に自分を分析できるので、無駄な努力をしなくてすみます。自分を甘やかしてもどこへもいけないよ。

【事務長業務実践書を作成してみる】⑫収益向上策アクションプランの実践的手順

【事務長業務実践書を作成してみる】⑫収益向上策アクションプランの実践的手順

 医療法人は非営利法人ですが、継続の為には安定した経営で安定した利益を確保する事が最重要になります。従って、「営業収益の増加」は最重要戦略のひとつであり、合理的な課題解決手法を用いた、弛まぬ取り組みが必要になります。ここでは、収益向上に対して、今すぐ対策を打たなくてはいけない状況になった際のアクションプラン立案の実践的手順を示します。

1.定量的なアプローチを理解する 収益について、定性的な理由

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【事務長業務実践書を作成してみる】⑪損益計算書から利益構造上の課題を検証するのも事務長の業務

【事務長業務実践書を作成してみる】⑪損益計算書から利益構造上の課題を検証するのも事務長の業務

 事務長業務はトラブルバスターと強調してきましたが、延髄反射的な業務だけでは経営を支えられません。頭脳プレーも重要です。

1.損益計算書を検証するのも事務長の業務  事務長業務は課題対応が重要な業務です。課題抽出においては、もちろん現場からの声がとても重要です。そして、現場の声に対して対応しているだけで、時間がどんどん過ぎていくのもまた事実です。しかし、課題抽出は現場課題以外にもさまざまあります

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【事務長業務実践書を作成してみる】(番外)電子カルテの導入について

【事務長業務実践書を作成してみる】(番外)電子カルテの導入について

1.IT導入支援という業務
 多くの病院では、電子カルテ(以下、電カル)について導入済みか導入準備を進められているかと思います。政府の動きもあり、「導入しないリスク」となっている感もあるので、導入の是非については、横に置いておきます。
 IT導入について業務及びコンサルで長年上流工程(課題解決企画、業務への適用検討、パッケージシステムの評価(FIT&GAP)、要件定義、基本設計、導入前教育企画、導

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「人間関係」「風土」「コミュニケーション」という言葉を安易に使って思考が停止しているケースがあまりに多い。私は課題抽出や対策検討の際にこれらの言葉を極力使わない。けれど、これらの言葉を用いてわかった気になっている人が多い。「それはコミュニケーション不足ってことですよね」(-_-)

【事務長業務実践書作成してみる】⑩病院の経営戦略の構築について(改訂)

【事務長業務実践書作成してみる】⑩病院の経営戦略の構築について(改訂)

 病院経営戦略についての記事は、実践書のどこに位置付けるのか、非常に迷うところです。
【事務長業務実践書作成してみる】の構成構想を説明すると、①から③までは病院事務長の業務についての体系的なアプローチ【第1章】、④から⑨までは、事務長にとってのステークホルダー【第2章】について述べます。以降は【第3章】として、①から③までの業務における主要なカテゴリー・テーマを対象に、事務長による実践的な行動につ

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【病院事務長の悩み】医療機器卸売業と医業機器メーカーって独特ですよね

【病院事務長の悩み】医療機器卸売業と医業機器メーカーって独特ですよね

 この記事は、医療機器卸業者(以下、医療卸)を単にこき下ろしているわけではありません。むしろ彼らもメーカーの価格戦略の被害者かもしれません。しかし他業種から見ると異常としか思えない医療機器卸の掟に病院が従わざるを得ない状況において、病院の視点では、医療卸なのですは加害者の立ち位置にいます。したがって医療卸の皆様は、業界の掟をとっぱらって、医療機関と共にメーカーと闘う覚悟がないのなら、わざわざこの記

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【R6年診療報酬改定】【生活習慣病管理料(Ⅱ)】まず内容を理解するところから

【R6年診療報酬改定】【生活習慣病管理料(Ⅱ)】まず内容を理解するところから


1.生活習慣病の疾病管理の見直し R6年診療報酬改定において、三大生活習慣病(脂質異常症、高血圧症、糖尿病)について、「特定疾患療養管理料の対象疾病」から外され、「生活習慣病管理料(Ⅱ)」での算定が推奨されています。この改定は、内科の医療機関には少なからぬ影響が出ると思われます。なぜなら、「特定疾患管理料」は口頭の指示だけで良く算定が簡易でしたが、「生活習慣病管理(Ⅱ)は、診察時に患者さんとお話

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【病院事務長の悩み】病院労務管理の課題あるある (延長戦)~定年後再雇用

【病院事務長の悩み】病院労務管理の課題あるある (延長戦)~定年後再雇用

 前半後半編に引き続き、顧問レベルの社労士では、現場の実態が把握がむずかしいい、または把握できていたとしても具体的な解決策の実施に至らず、なかなか解決まで進まない課題のあるあるをとりあげます。
 延長戦の今回は、まさに延長戦「定年後再雇問題」をとりあげます。

念の為ですが、以下はすべて適正でないか、改めるのがよい運用です。

①定年前の意思確認時の病院側の意思表示

 定年後に再雇用希望か否かの

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【事務長業務実践書を作成してみる】⑦採用活動において人材紹介会社とどうつきあうか

【事務長業務実践書を作成してみる】⑦採用活動において人材紹介会社とどうつきあうか

1.対人材紹介会社対策は? 人材紹介業者が病院運営の悩みの種であることは、上記記事でしっかり述べました。では、どう対応するのか、道はふたつです。

A案 うまくコントロールする

B案 きっぱり縁を切って、自前で仕組みで採用する

 B案は、ある程度常時採用数が見込める規模があり、かつHPで採用運営も自前で行える体制を有した病院グループであれば、きっぱり人材紹介業者と縁を切って、この方法に取り組め

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【事務長業務実践書作成してみる】⑥病院経営コンサルをうまく使いこなす

【事務長業務実践書作成してみる】⑥病院経営コンサルをうまく使いこなす

 他の記事で、病院経営コンサルには厳しい意見を述べていますが、良いコンサルも多数います。また、コンサルを使ったけどうまくいかないという話の多くは、病院側が目的と要件を正しく示せていないからです。

 まず、目的を明確にして、それからどれが可能なコンサルを探すという、あたりまえの手順が大事です。具体的な目的別課題の方向性と注意点を記してみます。

1.課題はほぼ把握しているが、今後の取組のの為に、正

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【病院事務長の悩み】経営コンサルタントとの付き合い方 第三章 落しどころ

【病院事務長の悩み】経営コンサルタントとの付き合い方 第三章 落しどころ

(前回まで)
 経営コンサルタントと会議室で対峙する事務長は、苦戦しつつイニシアティブを握ることができ、今日限りか次回に繋げるかの宣告をするところまで持ち込んだが・・・

 打ち合わせが始まる前に理事長室に呼び出された事務長は、理事長にこのように言われます。
「使えるようなら、事務長の判断、でなんか短期の小さめの依頼を渡してもいいぞ」
 事務長は、”使える”も”短期”も”小さめ”も判断基準が曖昧で

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【R6年診療報酬改定】【生活習慣病管理料(Ⅱ)】新しい生活慣習病療養計画書(初回)様式9を検証する

【R6年診療報酬改定】【生活習慣病管理料(Ⅱ)】新しい生活慣習病療養計画書(初回)様式9を検証する

 多くの診療所・病院では、【生活習慣病管理料(Ⅱ)】を算定するための文書「療養計画書」には、厚労省のひな型をベースにしていると思います。
6月からの開始ですので、まずは初回用の療養計画書を検証しましょう。

今までの療養計画書は以下の通りです。

 新しいバージョンは旧バージョンと比べて、検査・問診が簡素化されています。
 また、重点を置く領域と指導項目は、多職種の担当者がサインするように
担当者

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【R6年診療報酬改定】【生活習慣病管理料(Ⅱ)】予想通りに混乱中

【R6年診療報酬改定】【生活習慣病管理料(Ⅱ)】予想通りに混乱中


1.外来機能における生活習慣病にかかる疾病管理の見直し 「高血圧症」「糖尿病」「脂質異常症」の三大生活習慣病が、【特定疾患管理料および特定疾患処方管理加算】の対象から外され、新設される【生活習慣病管理料(Ⅱ)】の対象となりました。これは再診回数に占める特定疾患管理料の算定回数割合が高いため、特に内科系のクリニックや病院に大きな影響が出ています。今まで算定が簡易だった特定疾患管理料から外されると、

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【事務長業務実践書を作成してみる】⑤事務長と病院コンサルの業務の狭間と事務長の責任について

【事務長業務実践書を作成してみる】⑤事務長と病院コンサルの業務の狭間と事務長の責任について

 「病院経営コンサルに思うこと」で述べたように、コンサルは事務長の日々のトラブルバスター的なお仕事を助けてはくれません。コンサルの仕事は、経営者から経営方針や課題認識を聞き出し、商材として有している解決手法を経営者に買っていただくことです。
 勿論、トップダウン的に、他院での成功事例や、ひな形を流用して試行することには一定の価値はあります。しかし、病院が主体の自律的かつ目的的な取り組みに繋げないと

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