玲歌

日本に生息する、ごく普通の人畜無害な一般人。 旦那と住んでいるらしい。

玲歌

日本に生息する、ごく普通の人畜無害な一般人。 旦那と住んでいるらしい。

記事一覧

しっぽが生えた話2

旦那にしっぽが生えた次の日。 今日退院できるのかな、何時になるのだろ。 私は連絡を待っていた。 おひる頃、旦那から連絡。 「ごめん、再手術になった…」 「え?」 旦…

玲歌
5日前
2

しっぽが生えた話1

旦那が高熱を出した。 直腸の近くに膿が溜まり、そいつが悪さをしているらしい。 病院に行った。 手術になった。 翌日まで入院。 そう言われた。 驚いても仕方がないので…

玲歌
10日前
3

言葉の違い

さて。 旦那と私は違う県の出身なのですが。 使う言葉が少し違いました。 あ、ふたりとも日本人ですよ。生まれた時から、この国に棲息してます、はい。 ただ、方言てある…

玲歌
2週間前
3

BGM

ある日。 スーパーマーケットに行きました。 お買い物おかいもの。 いい天気。 私、ごきげん。 カートを押して、てくてく歩く。 なんか、店内放送でロックなイントロが流…

玲歌
3週間前
1

証拠写真

ある朝、旦那がカメラを持ち出してきた。 「証拠写真撮った」 「何の?」 「ほらほら」 そう言って、撮った写真を見せてくる。 私の寝顔だ。 「まちがえた。これじゃなくて…

玲歌
3週間前
1

あたたかい

ある日、旦那が具合悪かった。 「ごめん、ちょっと布団で横になってるね」 「はいよ。何かあったら呼んでね」 すると旦那、嬉しそうに、 「嫁ちゃん! ハグしたい!」 「…

玲歌
1か月前
3

三角卵

皆さん、卵焼き好きですか? 私は好きです。作るのが。 くるくる楽しい。 しかし、私の作る卵焼きは、一般的な物とは違います。 一線を画している。一緒にされては困る。…

玲歌
1か月前
3

あひるになる

「ぐわぐわ」 旦那が何やら鳴いている。 「ぐわわ」 どうやら、仕事に集中できないらしい。 これは、相手をしてやるしかないようだ。 「ぐわわわ、ぐわ」 私も鳴いてみた…

玲歌
1か月前
1

かめごはん

皆さんは、味噌汁のわかめをごはんに乗せて食べる事ってありますか? 私はあります。 我が家の味噌汁には、大体わかめが入っているので、それを白米の上に広げて、食べるん…

玲歌
1か月前
1

立ち食い

新婚時代、うちには食卓がありませんでした。 ごはんも立って食べていました。 しかし、やっぱりあれですね。 「ごはん、立って食べるもんじゃないね」 「ん?」 「見ろ、…

玲歌
1か月前
3

悪いやつ

ウルルを蹴飛ばす悪いやつがいる。 私のとなりで寝ていたはずのウルルが、朝起きると、布団の外に蹴り出されているのである。 かわいそうに… もちろん、ウルルはぬいぐ…

玲歌
1か月前
1

はんだごて

「一家に一台、はんだごて」 旦那は時々、そんな事を言う。 手先が器用で工作好きな旦那は、昔からはんだごてを使ってきたらしい。 「私、はんだごてにお世話になったの、…

玲歌
2か月前
1

起こされた

ある朝、私は旦那に起こされた。 甚だ不満である。 「夢の中で、お寿司食べてたのに!」 抗議した。 美味しく食べていたというのに、酷い旦那だ。「回らないお寿司だった!…

玲歌
2か月前
3

旦那起こした

休日。旦那がなかなか起きてこない。 この前、仕事で徹夜してたしな。寝不足ぎみって言ってたしな。 せっかくの休みだし、寝かしといてやるか。 と、思ったのだが… 9時…

玲歌
2か月前
2

いくつずつ?

昔々、私の実家では、ポテチの取り合いが起きていました。 3人きょうだいなのですが、母がお皿にポテチを出したら、即争奪戦が勃発です。 そこで、母は言いました。 「み…

玲歌
2か月前
1

嫁の悩み

ある日、私は悩んでいた。 「どうしようねぇ」 近くにいた旦那が顔を上げる。 「どしたの嫁ちゃん。悩んでるの?」 私は神妙な顔でうなずいた。 「嫁の悩み。深刻な悩み」…

玲歌
2か月前

しっぽが生えた話2

旦那にしっぽが生えた次の日。
今日退院できるのかな、何時になるのだろ。
私は連絡を待っていた。

おひる頃、旦那から連絡。
「ごめん、再手術になった…」
「え?」
旦那、また40℃近い熱を出してしまったらしい。
管を入れたものの、膿を出しきるのが難しかったそう。
「あらまー」
なんて言っている場合ではない。
心配してるんだよ、これでも。

旦那が家にいないと寂しいし、つまらない。
ひとりの家は静か

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しっぽが生えた話1

旦那が高熱を出した。
直腸の近くに膿が溜まり、そいつが悪さをしているらしい。

病院に行った。
手術になった。
翌日まで入院。
そう言われた。

驚いても仕方がないので、旦那を置いて帰宅。
感染症対策のため、家族も病室には入れないらしい。
この御時世、仕方ないとしか言えないね。

数時間後、手術を終えた旦那から電話が掛かってきた。
「しっぽ生えちゃった…」

そうか。とうとう旦那は人間をやめてしま

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言葉の違い

さて。
旦那と私は違う県の出身なのですが。
使う言葉が少し違いました。
あ、ふたりとも日本人ですよ。生まれた時から、この国に棲息してます、はい。

ただ、方言てあるじゃないですか。
となりの県のはずなのに、それが少しありまして。

「旦那の言ってる事が、分かりそうで分からない!」
私は母に相談しました。
「通じない言葉があるなんて、思わなかった。どうしよう」
母は言いました。
「大丈夫だよ、いるみ

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BGM

ある日。
スーパーマーケットに行きました。
お買い物おかいもの。

いい天気。
私、ごきげん。
カートを押して、てくてく歩く。

なんか、店内放送でロックなイントロが流れてきて。
いいね、私はロックが好きだ。
気分上々。

あまりにもポップでロックな感じだったので、聴いていた。

すると、前奏に続いてメインメロディー登場。

まさかの唱歌、『茶摘み』。
『夏も近付く八十八夜~…』の、あれ。

いや

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証拠写真

ある朝、旦那がカメラを持ち出してきた。
「証拠写真撮った」
「何の?」
「ほらほら」
そう言って、撮った写真を見せてくる。
私の寝顔だ。
「まちがえた。これじゃなくて…」
「いや、今の何?」
「嫁ちゃんの寝顔」
それは見りゃ分かる。訊いているのはそういう事ではない。
「あった、これだ」
見せてきたのは、私の寝姿である。
「玲歌がウルル蹴飛ばしてる、証拠写真」
「えー?」
私はウルルを蹴飛ばしたりし

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あたたかい

ある日、旦那が具合悪かった。
「ごめん、ちょっと布団で横になってるね」
「はいよ。何かあったら呼んでね」
すると旦那、嬉しそうに、
「嫁ちゃん! ハグしたい!」
「はいはい」
洗い物中だったので、テキトーにあしらった。

「嫁が冷たい…」
旦那、不満げ。
嫁、反論。
「私は冷たくなんかないぞ。大体36.8℃くらいある」
「いや、体温の話じゃないんだよ」
旦那のツッコミ、今日も健在。

なんだ、元気

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三角卵

皆さん、卵焼き好きですか?
私は好きです。作るのが。
くるくる楽しい。

しかし、私の作る卵焼きは、一般的な物とは違います。
一線を画している。一緒にされては困る。ふはは。

まあ、三角形なんです、何故か。
切り口が楕円にならずに、だいたい直角三角形になっております。

これでは、卵焼きを斜めに切ってハート型に盛り付ける、かの有名な愛妻弁当が作れないではないか…
なんたる失策。

なんでですかね?

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あひるになる

「ぐわぐわ」
旦那が何やら鳴いている。
「ぐわわ」
どうやら、仕事に集中できないらしい。
これは、相手をしてやるしかないようだ。

「ぐわわわ、ぐわ」
私も鳴いてみた。
「…」
え、何?
なんか、旦那に変な人を見るような目付きで、見られたんですが…?
「…何してるの?」
いや、何してるのじゃないよ。
「旦那が、あひるになってしまったようだからね、私もあひるになろうかと思って」
「…なんで?」
「何

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かめごはん

皆さんは、味噌汁のわかめをごはんに乗せて食べる事ってありますか?
私はあります。
我が家の味噌汁には、大体わかめが入っているので、それを白米の上に広げて、食べるんです。

初めて旦那の前でやった時、
「食べ物で遊ばないの」
と注意されました。
びっくりでしたねー。

実は子どもの頃、母がよくやってくれたんです。
わかめをごはんの上に広げて、
「わっかめかめかめ♪︎かめごはん♪︎」
とオリジナルの歌

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立ち食い

新婚時代、うちには食卓がありませんでした。
ごはんも立って食べていました。

しかし、やっぱりあれですね。
「ごはん、立って食べるもんじゃないね」
「ん?」
「見ろ、旦那が踊りだしてしまった」
踊っていた旦那は、それを聞いて止まった。

「ごめん、なんか、てもちぶたさで…」
「てもちぶさたでは…?」
てもちぶたさって言うと、何だか手持ちブタさんみたい。
ミニブタ? かわいいのかな? きゅいきゅい鳴

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悪いやつ

ウルルを蹴飛ばす悪いやつがいる。

私のとなりで寝ていたはずのウルルが、朝起きると、布団の外に蹴り出されているのである。
かわいそうに…

もちろん、ウルルはぬいぐるみなので、自分からは動かない。
旦那は別の布団で寝ているし…

謎だ。
誰がウルルを私の布団から蹴り出しているのだろう。

まったく、悪いやつである。
見つけたら、とっちめてやるつもりでいる。

はんだごて

「一家に一台、はんだごて」
旦那は時々、そんな事を言う。
手先が器用で工作好きな旦那は、昔からはんだごてを使ってきたらしい。

「私、はんだごてにお世話になったの、中学の技術の時間だけだよ…」
「女子はそれでも良いんだよ」
男子はどうなんだ?
気になったので訊いてみた。
「はんだごてを使えない男は、男じゃない」
すごい差別だなぁ。
「君の定義する『男』って何だい?」
「それは、『漢』ですよ」
ふほ

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起こされた

ある朝、私は旦那に起こされた。
甚だ不満である。
「夢の中で、お寿司食べてたのに!」
抗議した。
美味しく食べていたというのに、酷い旦那だ。「回らないお寿司だった!」

旦那は少し困った顔をしつつ、
「パックのやつ?」
とか訊いてきた。
確かに、スーパーで売ってるパックのお寿司も回らないが。
「違うよ。職人さんが目の前で握ってくれるやつ。美味しかったのに!」

それを聞いた旦那が一言。
「お会計の

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旦那起こした

休日。旦那がなかなか起きてこない。

この前、仕事で徹夜してたしな。寝不足ぎみって言ってたしな。
せっかくの休みだし、寝かしといてやるか。

と、思ったのだが…
9時、10時になっても、寝室から出てこない。
お腹空いたな~、先に朝ごはんしちゃおうかな~、でもできれば一緒に食べたいな~…

待ちきれず、10:30過ぎに声をかけに行った。

寝室の戸を開けると、旦那はまだ布団の中。
ちょっと、顔をのぞ

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いくつずつ?

昔々、私の実家では、ポテチの取り合いが起きていました。
3人きょうだいなのですが、母がお皿にポテチを出したら、即争奪戦が勃発です。

そこで、母は言いました。
「みんなで食べるから、1枚ずつ取ろうね」
それに従っていた結果、私は今も、1つずつ食べます。
ポテチはもちろん、フライドポテトや、細かく切ったおかず等、1つずつ箸でつまみます。

ところが、うちの旦那さんは、2つ、3つくらい同時に箸で取るん

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嫁の悩み

ある日、私は悩んでいた。

「どうしようねぇ」
近くにいた旦那が顔を上げる。
「どしたの嫁ちゃん。悩んでるの?」
私は神妙な顔でうなずいた。
「嫁の悩み。深刻な悩み」
「あれ、そうなの?」
旦那が不安そうな顔をする。
能天気な私が悩む事が、珍しいからだ。

私は、冷蔵庫の前で溜め息をついた。
「そうなの。踊っちゃうくらいの悩みなんだ」

「それ、大して悩んでないでしょ…」
まあ、そうとも言う。

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