玲歌

日本に生息する、ごく普通の人畜無害な一般人。 旦那と住んでいるらしい。

玲歌

日本に生息する、ごく普通の人畜無害な一般人。 旦那と住んでいるらしい。

最近の記事

証拠写真

ある朝、旦那がカメラを持ち出してきた。 「証拠写真撮った」 「何の?」 「ほらほら」 そう言って、撮った写真を見せてくる。 私の寝顔だ。 「まちがえた。これじゃなくて…」 「いや、今の何?」 「嫁ちゃんの寝顔」 それは見りゃ分かる。訊いているのはそういう事ではない。 「あった、これだ」 見せてきたのは、私の寝姿である。 「玲歌がウルル蹴飛ばしてる、証拠写真」 「えー?」 私はウルルを蹴飛ばしたりしない。 確かに寝相は悪いけれども。 「ウルルを布団から蹴り出しているのは、玲歌

    • あたたかい

      ある日、旦那が具合悪かった。 「ごめん、ちょっと布団で横になってるね」 「はいよ。何かあったら呼んでね」 すると旦那、嬉しそうに、 「嫁ちゃん! ハグしたい!」 「はいはい」 洗い物中だったので、テキトーにあしらった。 「嫁が冷たい…」 旦那、不満げ。 嫁、反論。 「私は冷たくなんかないぞ。大体36.8℃くらいある」 「いや、体温の話じゃないんだよ」 旦那のツッコミ、今日も健在。 なんだ、元気そうで良かった。

      • 三角卵

        皆さん、卵焼き好きですか? 私は好きです。作るのが。 くるくる楽しい。 しかし、私の作る卵焼きは、一般的な物とは違います。 一線を画している。一緒にされては困る。ふはは。 まあ、三角形なんです、何故か。 切り口が楕円にならずに、だいたい直角三角形になっております。 これでは、卵焼きを斜めに切ってハート型に盛り付ける、かの有名な愛妻弁当が作れないではないか… なんたる失策。 なんでですかね? いろいろ工夫してみても、私の卵焼きはやはり三角形。 「逆に器用だよね」 旦那

        • あひるになる

          「ぐわぐわ」 旦那が何やら鳴いている。 「ぐわわ」 どうやら、仕事に集中できないらしい。 これは、相手をしてやるしかないようだ。 「ぐわわわ、ぐわ」 私も鳴いてみた。 「…」 え、何? なんか、旦那に変な人を見るような目付きで、見られたんですが…? 「…何してるの?」 いや、何してるのじゃないよ。 「旦那が、あひるになってしまったようだからね、私もあひるになろうかと思って」 「…なんで?」 「何があっても添い遂げるって決めたから…。旦那があひるになるなら、私も覚悟を決めて、

        証拠写真

          かめごはん

          皆さんは、味噌汁のわかめをごはんに乗せて食べる事ってありますか? 私はあります。 我が家の味噌汁には、大体わかめが入っているので、それを白米の上に広げて、食べるんです。 初めて旦那の前でやった時、 「食べ物で遊ばないの」 と注意されました。 びっくりでしたねー。 実は子どもの頃、母がよくやってくれたんです。 わかめをごはんの上に広げて、 「わっかめかめかめ♪︎かめごはん♪︎」 とオリジナルの歌と共に食べさせてくれました。 行儀の悪い事と思わず、未だにやります。 「あー、

          かめごはん

          立ち食い

          新婚時代、うちには食卓がありませんでした。 ごはんも立って食べていました。 しかし、やっぱりあれですね。 「ごはん、立って食べるもんじゃないね」 「ん?」 「見ろ、旦那が踊りだしてしまった」 踊っていた旦那は、それを聞いて止まった。 「ごめん、なんか、てもちぶたさで…」 「てもちぶさたでは…?」 てもちぶたさって言うと、何だか手持ちブタさんみたい。 ミニブタ? かわいいのかな? きゅいきゅい鳴きそう。 「ごはん中は、踊りません」 「はーい」 旦那は素直に返事をする。 こ

          立ち食い

          悪いやつ

          ウルルを蹴飛ばす悪いやつがいる。 私のとなりで寝ていたはずのウルルが、朝起きると、布団の外に蹴り出されているのである。 かわいそうに… もちろん、ウルルはぬいぐるみなので、自分からは動かない。 旦那は別の布団で寝ているし… 謎だ。 誰がウルルを私の布団から蹴り出しているのだろう。 まったく、悪いやつである。 見つけたら、とっちめてやるつもりでいる。

          悪いやつ

          はんだごて

          「一家に一台、はんだごて」 旦那は時々、そんな事を言う。 手先が器用で工作好きな旦那は、昔からはんだごてを使ってきたらしい。 「私、はんだごてにお世話になったの、中学の技術の時間だけだよ…」 「女子はそれでも良いんだよ」 男子はどうなんだ? 気になったので訊いてみた。 「はんだごてを使えない男は、男じゃない」 すごい差別だなぁ。 「君の定義する『男』って何だい?」 「それは、『漢』ですよ」 ふほん。よう分からん。 旦那の事はよう分からんけど、まあ、長く家族をやっていれば、

          はんだごて

          起こされた

          ある朝、私は旦那に起こされた。 甚だ不満である。 「夢の中で、お寿司食べてたのに!」 抗議した。 美味しく食べていたというのに、酷い旦那だ。「回らないお寿司だった!」 旦那は少し困った顔をしつつ、 「パックのやつ?」 とか訊いてきた。 確かに、スーパーで売ってるパックのお寿司も回らないが。 「違うよ。職人さんが目の前で握ってくれるやつ。美味しかったのに!」 それを聞いた旦那が一言。 「お会計の前に目が覚めて、良かったね」 笑ってしまった。

          起こされた

          旦那起こした

          休日。旦那がなかなか起きてこない。 この前、仕事で徹夜してたしな。寝不足ぎみって言ってたしな。 せっかくの休みだし、寝かしといてやるか。 と、思ったのだが… 9時、10時になっても、寝室から出てこない。 お腹空いたな~、先に朝ごはんしちゃおうかな~、でもできれば一緒に食べたいな~… 待ちきれず、10:30過ぎに声をかけに行った。 寝室の戸を開けると、旦那はまだ布団の中。 ちょっと、顔をのぞいてみた。 「起こしに来るの待ってたのに!」 旦那起きてた。文句言われた。 「

          旦那起こした

          いくつずつ?

          昔々、私の実家では、ポテチの取り合いが起きていました。 3人きょうだいなのですが、母がお皿にポテチを出したら、即争奪戦が勃発です。 そこで、母は言いました。 「みんなで食べるから、1枚ずつ取ろうね」 それに従っていた結果、私は今も、1つずつ食べます。 ポテチはもちろん、フライドポテトや、細かく切ったおかず等、1つずつ箸でつまみます。 ところが、うちの旦那さんは、2つ、3つくらい同時に箸で取るんですね。 最初に見た時、びっくりしました。 そして、もう1つずつ取る必要はないの

          いくつずつ?

          嫁の悩み

          ある日、私は悩んでいた。 「どうしようねぇ」 近くにいた旦那が顔を上げる。 「どしたの嫁ちゃん。悩んでるの?」 私は神妙な顔でうなずいた。 「嫁の悩み。深刻な悩み」 「あれ、そうなの?」 旦那が不安そうな顔をする。 能天気な私が悩む事が、珍しいからだ。 私は、冷蔵庫の前で溜め息をついた。 「そうなの。踊っちゃうくらいの悩みなんだ」 「それ、大して悩んでないでしょ…」 まあ、そうとも言う。 「いやぁ、夕飯どうしようかなーと思って」 「ささやかな悩みだね」 いや、日々の献立

          嫁の悩み

          何食べたい?

          夕方頃に、よくする会話。 「旦那さ、夕飯何食べたい?」 「嫁」 うん、いつも通り。 「嫁はごはんにならないよ。何食べたい?」 「嫁」 「そうか。じゃあ、冷蔵庫にある物でテキトーに作るね」 「お願いします」 会話が成立してるのかしてないのか、実に微妙。 こうして我が家の夕飯は、今日も私の食べたいものになるのであった。

          何食べたい?

          旦那こそこそ

          旦那が私に隠し事をしている。 酷い。 言いたい事は何でも言い合える仲でいようねって、約束したのに(したっけ?)。 1人でこそこそ、とても怪しい。 もう我慢ならん。 夫婦って何だかよく分かってないけど、隠し事はよくないと思う。 喧嘩するぞー。 「旦那、こそこそ何してる!」 こそこそしていた旦那は、びくっと振り向いた。 「あ…その、ええと…」 その手には謎の物体。 「…何それ?」 「炊飯ジャーの、つゆ受けです」 「…何してるの?」 「掃除…」 「…」 「…」 「あ、ありがと

          旦那こそこそ

          旦那と梅干し

          梅干しって、買うと美味しいけどなんか食べきれなくて、冷蔵庫の奥で眠りがちですよね。 我が家もそうです。冷蔵庫の奥、梅干しすやすや。 しかし先日、久し振りに旦那が梅干しを引っ張り出しました。 一口かじって一言。 「ああ…これだ…」 どうした、旦那。 旦那は目を閉じ、梅干しの味に浸る。 「この味だよ…」 つまり、美味しいのか? 「あの頃の味が戻ってきた…」 いや、いつだよ。 「懐かしい…」 …ヨカッタネ。 うちの旦那は不思議さんだなぁ。 まあ、私も人の事言えないんだけどね。

          旦那と梅干し

          まんじゅうこわい

          旦那がまんじゅうをもらってきた。 なんと紅白。2つセット。 わーい。 「どうしたの、このまんじゅう」 「会社の創立記念日です」 「お、めでたい」 私は拍手をしてみたけれど、旦那は何だか浮かない顔。 「どうしたの?」 「このまんじゅう、苦手なんだよ…」 おや、甘いもの好きの旦那が珍しい。 さっそく、おやつに開けてみた。 「意外と大きいね」 「うん。食べてみ」 私、まんじゅう一口がぶり。 「ん…? んん…?」 もぐもぐごきゅんと飲み込んで一言。 「あんこ多いね!」 「そうなん

          まんじゅうこわい