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ぼくゼロ監督と母の往復書簡

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『ぼくが性別「ゼロ」に戻るとき 〜空と木の実の9年間〜』監督の常井美幸です。これから、主人公のお母様の小林美由起さんと、9年間のできごとを振り返っていくエッセーを始めます。同じで…
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#LGBTQ

母から監督へ。スパイスは人生を味わい深くするよね。

前回のとこちょ。の回では9年間という長い時間をかけた撮影が終わり、いよいよそれを映画にするというステップに進もうとした直後に、ど〜んとあらわれた大きな壁(その時はそう感じるものです)について書かれていました。
その出来事を私は、スパイシーな出来事と受け取っていました。
とこちょ。もちろん覚えていますよ。とこちょ。が抱えていた、あの時の不安、焦りの感情、全部覚えています。

映画を作るってとても大変

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監督から母へ。スパイシーな出来事は もっとおいしくなる合図

ずいぶんと閑話休題が続きました。でも「くみちょ。」と「とこちょ。」の生い立ちや、人となりが伝わったら嬉しいです。今日からは、映画ができあがるまでのお話をしていこうと思います。文字通り「映画を生み出す」までには何ヶ月もの胎生期間があったのです…。

映画のプロデューサーだったミミさんがこの世からいなくなって、くみちょ。が私の背中を押してくれるまではこちら↓

「ひとりっきりでも映画を作るんだ!」と腹

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もっと幸せになろう!自分なりの幸せの形を大切にしよう

もっと幸せになろう!自分なりの幸せの形を大切にしよう

先週は久しぶりにとこちょ。が書いてくれました。
今、ちょっと本題から外れていますが、今週まではこんな感じでw
来週からまた「ぼくゼロ」制作秘話に戻ります。多分w

今週はくみちょ。のエッセイ。
もっと幸せになろうシリーズ3回目です。
3回目と言ってもこの noteに書くのは初めてです。
*くみちょ。が20年近く前に書いていた文章です。

1回目ではもっともっと幸せを目指しましょう。
宣言しましょう

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監督から母へその7~「いきぽんの言い訳」

今年(2021年)の5月末、私は自宅で途方に暮れていました。

「キッチンの掃除しなくちゃ」「庭の花を植え替えなきゃ」「玄関のドアを磨かなきゃ」どこから手をつけていいかわからないほど、やることは山積。

テレビ局でディレクターとして20年間働いてきて、たくさんの方を取材してきました。そのうち取材相手の自宅にもカメラを持って乗り込んだことも多々あります。でもまさか、自分が取材される側になるとは、さら

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