母から監督へ。スパイスは人生を味わい深くするよね。

前回のとこちょ。の回では9年間という長い時間をかけた撮影が終わり、いよいよそれを映画にするというステップに進もうとした直後に、ど〜んとあらわれた大きな壁(その時はそう感じるものです)について書かれていました。
その出来事を私は、スパイシーな出来事と受け取っていました。
とこちょ。もちろん覚えていますよ。とこちょ。が抱えていた、あの時の不安、焦りの感情、全部覚えています。

映画を作るってとても大変な事ですから、本当に悩みながら、迷いながら、暗中模索、試行錯誤、紆余曲折、あれこれありましたね。

「病院のシーンが使えないかもしれない」ととこちょ。に聞いた時、それはあり得ない、そのシーンがなければこの映画は成り立たない。と、私も同じように思いました。
そして、病院の思い、立場、考えもすごくよくわかりました。
病院からのダメ出しは、病院サイドとしての正義、守りたいもの、立場を考えたら当然のことです。
そして、全てを伝えたいMUSUBIチームとしては、そこはやはり譲れない部分でした。
とこちょ。は何度も病院に連絡をして、お願いを続けていましたね。足も運んでいましたよね。

とこちょ。が不安を抱きながら行動しているのを知っていた私ですが、実は「きっと大丈夫。うまくいく」って根拠のない思いを胸に抱いていました。
それは空雅が中学生の時に、性別の扱いを女子から男子にしてもらうお願いに行く時と同じ感覚でした。
妙に安心して「ダメなはずない。絶対に思い通りになる」って思えたんです。

心理カウンセラー、心理セラピスト、メンタルコーチとしてはもちろんですが、私は、そういった勉強をする前から、結局、全ては思い通り、思ったようになる事を知っていました。
人のせい、親のせい、環境のせいにしたとしても、結局、自分で選んで自分でしているという事に、気付いていたんです。

いいことが起こるのは、いい事を考えていたから。
好ましくない望まない事が起こるのは、どこかでそれを考えていたから。
そして、考えていた通りに行動していく。
脳の特性を知れば、それはなるほど!と思えるんですが、もっと胡散臭く言えば宇宙の法則、引き寄せの法則でも同じ事なんです。

今だから言えるし、観望していた私だから言える事ですが、とこちょ。に起こったこの困難は、逆転勝利的にドラマチックに展開して、映画完成までを彩りよく、味わい深いものにしてくれました。

もちろん、その渦中にいた頃のとこちょ。は、撃沈寸前で本当に大変だったと思います。
それでもセラピストは、クライアントを元気づけ、いい状態に整えるお手伝いをするのが仕事です。一緒になって「困った、困った、どうしよう」とか「それは大変ですね。辛いですね」と共感しているだけでは、役に立ちません。

全く別の視点から、必ずうまくいくという希望の光を与えるのが仕事です。
食にこだわりのあるとこちょ。には「スパイス」の例えが効いたんだと思いますよ。

とこちょ。が先生に映画を観てもらい、病院からOKの許可をもらえた、そして先生から素敵な言葉をいただけたと、報告を受けたときに、この映画は、絶対に人の心を動かす力があるとあらためて、自信を持ちました。

さて、次回はとこちょ。
どんなお話しをしてくれますか?

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