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めがね男子愛好会。

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やっぱり💕好きなものは、好きだと言おう。 声を上げて行こう!【#めがね男子愛好会】 (美しいイラストはyuhei.info) めがね男子👓をこよなく親愛している人達と、別にそれ… もっと読む
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#記憶

それも愛。

それも愛。

 バレンタインデーが近づいて来ると、思い出す記憶がある。

 あの頃は若過ぎて、、、悪戯に傷つけあった2人、なんてsweet memoryな歌詞が流れる。

 恋の終わりは、女が先に気づく。
 そうだった。

 彼の助手席にいつも通りに座り、横顔の眼鏡、ハンドルを持つ手首から指先を眺めていたら、急に意地悪を言いたくなって、「ねぇ、音楽を仕事にしている人とは付き合わない方がいいね。続ける苦しさがよく

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泣く。〈渋谷編〉

泣く。〈渋谷編〉

 渋谷のBunkamuraを、抜けた先の路地に、とあるクラブがあった。そのビルの地下1階に階段を下りて行くと、黒い分厚い扉が開き、大音量で音楽が流れる空間に繋がる通路があり、左右に立つ人集りが、通り過ぎる瞬間から、好奇の目で品定めをする。視線は刺すが、甘美な魅了を放つ。見られる事には慣れている。寧ろそうでなくては、女に生まれた意味が無い。そう疑いもせずに地上8センチに立っていた。

 いつものよう

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加減、手加減。〈下北沢編〉

加減、手加減。〈下北沢編〉

 蝉がしみ入るような、茹だる気温の午後。スーパーから買い物袋を下げて、少年野球のグラウンド前を、日傘をさして、トボトボと歩いていた。
 
 応援の歓声が響く外野席に、視線を向けると、タンクトップの男の子が座っている。

 横顔が「モヤシ」にそっくりだった…。
「モヤシ」は、学生時代の友人だ。

 ハンカチで汗を拭いながら、立ち止まって、横顔のシルエットを抜き取った。やっぱり似てる。

 日差しが強

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distance。〈丸の内編〉

distance。〈丸の内編〉

あの人は優しかった。

 優しい男だから、記憶に残るんだろうか。もう何年も経って、突然に不意に落ちて来た。
梅雨の午後に気づいてしまった気持ち。
さあ、どうしようか…

 たわいもない日々の取るに足らない世間話を、語り合える相手が居るという幸せ。近い未来に恋仲になるかもしれない…と浮き立つ予感も。それを匂わせる時間の流れは、観えるもの全てに【感受性フィルター】を掛け、輝きを増す世界に変えてしまう。

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上昇と無力。〈新橋編〉

上昇と無力。〈新橋編〉

 朝のエレベーターホールは、始業前の騒がしいお喋りで、賑わっていた。扉が開くとすぐにエレベーターガールさながらの定位置に付く。涼しく機械的に利用階数を訊ねて、リズミカルにボタンを押す。

 まだ、この職場に配属されて、二週間。環境の雰囲気、仕事の流れが、把握出来て来た頃だった。わたしのデスクからは、エレベーターホールが見える。社員が各部署に行く為には、この横を通過して行く場所。来客者が来ればすぐに

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REBORN。

REBORN。

女は、触れられただけで、すぐに解る。
こんな触れ方をする男なのだから、相性がいいはずだと。
勿論、身体も。

渋谷区の事務所に所属していた頃、イベント等には、必ず2人のマネージャーが付いた。
そのひとりをご紹介したい。
髭眼鏡で、妻子持ち。年齢30代半ば〜小林賢太郎似。中肉中背タイプ。

梅雨の晴れ間のある日、密室。
衣装のサイズを把握する為に、スリーサイズを、
髭眼鏡に採寸されていた。
使い古し

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