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REBORN。

女は、触れられただけで、すぐに解る。
こんな触れ方をする男なのだから、相性がいいはずだと。
勿論、身体も。

渋谷区の事務所に所属していた頃、イベント等には、必ず2人のマネージャーが付いた。
そのひとりをご紹介したい。
髭眼鏡で、妻子持ち。年齢30代半ば〜小林賢太郎似。中肉中背タイプ。

梅雨の晴れ間のある日、密室。
衣装のサイズを把握する為に、スリーサイズを、
髭眼鏡に採寸されていた。
使い古したメジャーは、使い勝手が悪いのか、引き出した瞬間に戻ろうと抗う。
「あれれ、おかしいな…ちょっとそのままね、なるべく急ぐから」髭眼鏡が少し慌てている。

マネージャーという職業は、その仕事柄、付かず離れずの距離を、絶妙な感覚で保つものだ。まして、中年男と、若い女、(しかも会社の商品)ならば、尚更のこと。

慌てているから、いつもより距離が近い。
こっちは、ほぼ下着状態で、両手まで挙げているのだから…
遠慮という遠慮をうしなう状況で、わたしは髭眼鏡の手先が、身体に擦れる度に(あっ…)と【快感】というものを知ってしまう。
もっと、触れて欲しい…

意識してしまったら、止まらない。
髭眼鏡の息づかい、優しい瞳、うっすらと額から首筋に浮かぶ汗、焦っている表情、「正面から顔をみたことなかったけど、髭の生え方にクセがある」「間近で嗅ぐと、この人、こんな匂いがするんだ」
奴隷のような妄想に底なしで落ちて行く。

相手は、中年の既婚者だ。イケナイ、イケナイ、でも…イキタイカモ…

これが、わたしが「眼鏡男子」に偏愛を生じた瞬間だった。


採寸が終わったら、上がったグラフも急降下したのだけれど…

今でも…不意に思い出して、ひとり身体の奥が蠢いて、熱を放つ時がある。

ま、ほどほどにね。


(眼福🤭)


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