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【備忘録】アウトスキリング再考

世界経済フォーラムのレポートに拠れば、国内外の企業は、時代の先端を行くため、急ぎ人材に求めるスキルの再評価を行っています。

最も競争力のある海外の企業は、現在の社員のリスキルやアップスキルに力をいれており、重要だとされている以下の5つのスキルの内、一番重要視されるスキルとして、「デジタルフルエンシー」を挙げています。

①デジタルフルエンシー:

デジタル化が進む世界で効果的に活動するために今や社会人にとっては必要なテクノロジースキル。

マッキンゼー社によると、世界で最も急成長しているスキルの70%をデジタルスキルが占めていると報告していました。

②コミュニケーション :

より個人的なレベルでは、強力なコミュニケーションスキルが仕事のパフォーマンス、生産性、および自己主張を高めてくれます。

③ストーリーテリング:

人間は、明白な事実やデータよりもストーリーを受け入れやすいと言われています。

ストーリーは共感を呼び、記憶するのに役立つ。

④グロースマインドセット:

自分の能力が時間の経過とともに構築され発展することを信じる成長思考が重要です。

⑤チェンジマネジメント:

「柔軟性」と「適応力」。

簡単に言うと、目的を達成するために、適切なデジタルテクノロジーやツールを個人で選択し、活用する能力がデジタルフルーエンシー(デジタルの流暢さ)です。

また、世界最大級の経営コンサルティングファームであるアクセンチュアは、優秀なデジタル人材について、いくつかのタイプがあることを明らかにしています。

さらに、そこから統計学的に異なる以下の4種類のデジタルペルソナを見いだしていました。

リモート・コラボレーター(帰属意識が高く協力的)

ディシプリンド・アチーバー(真面目で意欲的)

アダプティブ・チームプレーヤー(柔軟性が高い)

リレントレス・イノベーター(専門性が高い)

この結果、更に、知識は専門家され、その先には、表層をなぞった浅い知識だけで生きる人間の頽廃を生むシステムが構築されてしまう危険性もあるのではないかと危惧しています。

個人的には、人間は、少なくとも一方に、ローカルな世界をとり戻さなければいけないのではないかと考えています。

「キャリアの大部分は、予想外の出来事によって決定づけられる」

これが、20世紀末に提唱されたクランボルツの「計画的偶発性理論」の主張でした。

主な理論の内容は、以下の通りです。

①予期せぬ出来事がキャリアを左右する。

②偶然の出来事が起きたとき、行動や努力で新たなキャリアにつながる。

③何か起きるのを待つのではなく、意図的に行動することでチャンスが増える。

実際、近年は、新型コ○ナウイルスの流行やウ○ライナ紛争など、予想だにしなかった出来事が連続しています。

先読みの難しい社会情勢においては、プライベートでもしかり。

組織のひとりひとりに、将来の目標を明確に決めさせることは困難な状況になっています。

だからこそ、いかに偶然を引き寄せる努力を個人や社員に促せるかが、個人及び企業の命運を決めると言っても過言ではありません。

計画的偶発性理論では、偶然をチャンスにするために、以下に示す5つのスキルが必要だと述べています。

・好奇心(Curiosity):興味を持つ

・持続性(Persistence):簡単にあきらめない

・柔軟性(Flexibility):柔軟にチャンスを活かす

・楽観性(Optimism):前向きに取り組む

・リスクテイク(Risk taking):結果が分からなくても、 行動を起こす。

この様な学び直しの世界的な気運に対して、日本の現状は、とても良い状況とは言えない様です。

アウトスキリングに関しては、ある程度の財務体力があるうちにしか、企業は実行に移せない点がボトルネックとなってしまいます。

また、財務体力に応じて、提供される教育資料の質に影響を与えます。

その点を踏まえた上で、企業と従業員の共倒れを防ぐために、追い込まれる前のアウトスキリング対策が個人のレベルでも必要となるのではないかと推定されます。

でも、多忙なビジネスパーソンの場合、目の前の仕事をこなすだけで精いっぱいという人がほとんどではないでしょうか?

そのため、日々の業務の効率化によって、リスキリングにあてられる時間をいかに捻出するかが大きな鍵となります。

【参考記事①】

つまり、短い学習時間で変化に対応できるため、以下に記載した各学びなおしを、個人の判断で、適宜または適時、選択して、

・リスキリング(いま持っていない新しいスキルを身につけること。)

・アップスキリング(すでに持っているスキルを改善したり、より強力にすること。)

・クロススキリング(今持っているスキルとは別の分野のスキルを身につけること。)

・アウトスキリング(企業が従業員に対して用意・実施する教育・転職支援プログラム。)

今、自分が一番必要としているスキルを学ぶことで、個々の土台(基盤)となる考え方を強化及び認知の歪みを補正したり、より高い専門スキルを身に付けることが、生き残るための近道だと思います。

また、例えば、リスキリングは、なにより安心を自分にもたらしてくれるものだと思います。

リスキリングによって、これまでもっていなかったスキルを新たに身につけること等は、それだけ将来の選択肢が増えるということでもあります。

変化が早い時代では、変化に対応できることが大切です。

だからデジタルフルエンシーが重要なスキルになるのだと言えます。

但し、学習の機会は、日常生活の思わぬ局面で訪れます。

例えば、街を歩いていて、ふと耳にした言葉や、何かの研修や講演会で偶然出会った人の話。

また、ネット・ニュース、雑誌や新聞でたまたま目にした記事。

家の近所を散歩していて気づいたこと、等々。

日常の行為を繰り返す中で、偶然出会う体験の中に隠れている偶有性を、私たちの脳が整理する中で、思わぬ発見があります。

その発見が”私”を変えていき、ときには、自分自身の人生を変える劇的な変化をもたらす可能性を秘めていると考えられます。

そのような、人生における絶えざる学習のプロセスの中に埋め込まれているのが、セレンディピティです。

今日のように、急速に変化する時代には、ある一定の知識を身につけておけば、それで一生十分ということはありえません。

むしろ、自分の脳をオープンにしておいて、いつでも生きるうえで必要な何かが入ってくるように、スペースを空けておく必要があると考えています。

また、こんな時代だからこそ、見えてきた近々の課題は、以下の項目ではないかと考えています。

①即時対応言語最適能力

②思考の瞬発力・集中力・持続力

③高い視座と広い視野

④たゆまぬ知的好奇心

⑤人間に対する深い洞察

⑥脱「どちらか一方思考」

要は、どこまで素で勝負できるか。

言い換えると、自分が知り得たことを、自分の言葉で話せるか。

その時、どれだけ立論(議論の筋道を組み立てること。)となっているかを、

「論」点(何が言いたいのか?)

「論」拠(なんで?)

「論」脈(ロジックの流れ)

の三つを意識して論理(言葉と言葉の流れを繋げる事)トレーニングを行う事を心掛けています。

その心構えを言語化すると「考える」ではなくて「考え抜く」が適切だと考えています。

そして、間違えてはいけない点として、「わかる(知識)」≠「できる(スキル)」です(^^;

そのトレーニングの一貫として、何の脈絡もない「お題」を日々設定して、文章を書く習慣を自分に科していた時期を設けていました。

この書く行為での気付きとしては、自分が誤り得る事(そのレンジとリスク)についての査定能力に基づいて判断する(=知性)ことが出来ているのか?

自分の馬鹿さ加減について、どのくらいリアルでクールな判断(自己評価)が出来るかを基準にして、自分の知性の足りなさを判定できる仕組み作り(自分が間違っている可能性を吟味する能力を優先的に自身に具備する)をしておけば、面白いと思います。

要は、

「正しい答え」に拘るのか?

「現実的な解」を探すのか?

これらの判断要素に不可欠な教養が、以下の4つの”C”だと言われています。

①C:コミュニケーション

②C:コミットメント

③C:クリエイション

④C:ケア

つまり、人間は、自分で思うほど自由に物事を考えているのではなく、周囲の環境や社会的規則―言い換えると「構造」によって、実は、「無意識にそのように考えさせられている」のだと、構造主義では、そう捉えています。

言い換えると、アウトプットは前提条件に左右され、且つ、初期入力(罠の元)がフレームになり易いことから、話ながら考えるクセを付加することで、適宜、感「情」と「情」報をリンクさせて修正することが必要となってきます。

ここで、注意して欲しい点としては、学び直しだと、企業の戦略や時代の変化で求められるスキルの変化に応じて、という視点が緩んでいないか?、注意する必要があります。

社会の要請で行うリスキリングと企業のリスキリング、それと個人が自らのキャリアを設計していくキャリア自律という文脈のリスキリングを交ぜてしまっているのが、私の理解です。

これらは、主語も必要となる時間軸も異なると考えます。

これまで企業が個人のキャリアを主導してきた日本で(多くの企業では、今でもそうですが・・・・・・)、キャリア自律とそれに基づくリスキリングができるようになるには、早くても、10年くらいかかるのではないでしょうか?

今、日本で語られるリスキリングは、短期間での習得が求められていることが多いので、とても違和感があります。

そんなに簡単にスキルはアップしませんよね。

知識だけ増えても経験値が増えていないので、スキルはアップしようがありません。

人や企業によってリスキリングという言葉を異なる文脈で使うので、聞くほうは混乱してしまうのではないかと思います。

そこで、以下の動画や【参考記事②】の記事等が参考になると思います。

企業講演「日本のリスキリングの現状とUdemyの取り組み」

【参考記事②】

さて、学び直しを行う上で、以前は、いつか使う、「貯蓄型」の学びでしたが、最近は「使いながら学ぶ」もしくは「使う場面を設定した上で学ぶ」といった、今使うための学びへと変化してきています。

正解と思っていたものが急に変化したり、人によって違っていたりする時代の学びは、自分の疑問や気づき、考えを発信しながら他者と一緒に考え、以下のサイクルを意図した新たな考えを創造することになります。

アウトプット:疑問や気づき、考えや仕事の成果を発信する。

フィードバック:発信したものに対する社会や人からの反応を受けとめる。

アンラーニング:反応と自分の考えを融合させ、考えの枠組みを再編集する。

クリエーション:再編集された考えの枠組みをもとに新たなものを創造する。

このアウトプット型の学びの特徴は、前述の学びのすべてのプロセス(アウトプット⇒フィードバック⇒アンラーニング⇒クリエーション)が外部に開かれている点です。

他者の存在を前提にした学びのプロセスのため、周囲から介入しやすいので、アウトプット型の学びサイクルは職場でも、このnoteでも、すぐに実践できると考えられます。

その考え方に則って、現在、note内で「#大切にしている教え」でエピソードを募集していましたので、私が仕事をする上で、期毎、振り返り時にチェックしている項目(“大切にしている教え”)を思いつくままピックアップして、アウトプットしてみましたので、必要に応じて活用頂ければ幸甚です。

この試みの目的としては、書くことを、自分のペースで考え、時間をかけてできること。

また、話すことを、リアルタイムの反応が求められることと定義した上で。

まずは、文字起こし機能付きのICレコーダーを活用(文字起こし後のテキストデータは、推敲した後、加筆修正するため、同起こし機能の精度は低くても良いとの考えです。)し、以下の点に注意しながら、

①即時対応言語最適能力

②思考の瞬発力・集中力・持続力

下記の【私が大切にしている教え】に記載した各テーマに従って、話してみた(ロールプレイ)結果(制限時間:30分)をテキストに変換してみる。

そして、今度は、書き直してみる。

そうすることで、例えば、下記のステップの様に、「書く」「話す」どちらにも共通するポイントに対して齟齬がないか?を確認することにより、自身の足りない点を振り返ってみました(^^;

STEP1: 誰にどんな気持ちになって欲しいかを決める

STEP2:テーマを決める

STEP3:話を組み立てる

STEP4:素材を集める

STEP5:言葉・順番を整える

STEP6:表現を磨く

STEP7:タイトルをつける

このアプローチの利点として、考え方とやり方さえ適切であれば、ロールプレイほどビジネスマンのコミュニケーション・スキルを伸ばすのに効果的な方法はないと考えています。

但し、ポイントは、ロールプレイの主役を、誰に設定するか?というところにあります。

今回の私の例では、その点で適切ではないことから、注意点として記載しておきますね(^^;

本来であれば、周りで見ている方たち(フィードバック担当に役割分担して行う)になるので、可能であれば、その様な状況下で訓練してみてください。

また、会社の状況によって、ケース型ロールプレイングか、問題解決型ロールプレイングかを選択することになると思いますが、できるだけ現実的な設定でロールプレイングをするのが大切なポイントです。

お客様との打ち合わせやプレゼンでの質問に対して、如何に、淀みなく受け答えできるかで印象が変わっていきますので、目の前の相手をファンにするくらいの心意気で挑戦してみてくださいね(^^)

そう「最も個人的なことが、最もクリエイティブだ。」という偉大なる言葉を信じて。

前述の様な感じのアプローチにて、個人的に大切にしている教えのことばかり、話して、そして書き散らしてみた(爆)結果をまとめてみましたので、これは、こうじゃないか?とか、忌憚なきご意見(コメント)頂けると幸甚に存じます(^^)

【「私が大切にしている教え」事例集】

要件定義的思考を、ふだん使いして、色んな場面で活かしてみませんか?
https://note.com/bax36410/n/n93d9e931831e/landing

【改訂版】システム思考とは?
https://note.com/bax36410/n/n7c0171ed981d

≪前提条件≫
https://note.com/bax36410/n/n5764115229e3

≪自分の中に残るもの?≫
https://note.com/bax36410/n/n4b851b5831f4

≪アドバイスは素直に受け止める≫
https://note.com/bax36410/n/n962e2ad9f2c1

≪工夫する≫
https://note.com/bax36410/n/n68e956bba983

≪あきらめないこと≫
https://note.com/bax36410/n/nef66e3a37bd8

≪正しい定義の仕方≫
https://note.com/bax36410/n/nd2e4bd7ec68d

≪失敗≫
https://note.com/bax36410/n/ncaabc2c90616

≪放っておくと失敗は成長する≫
https://note.com/bax36410/n/nc530497d3962

≪言い訳をせずに≫
https://note.com/bax36410/n/n359ab0e1ea49

≪プラス思考≫
https://note.com/bax36410/n/n2d9dc5c3e899

「現在」形は過去・現在・未来を超越する?
https://note.com/bax36410/n/n2bf5dcff9a7a

≪注意≫
https://note.com/bax36410/n/ne35eebc9aeee

≪批判≫
https://note.com/bax36410/n/na41078a15951

≪見つめ直す≫
https://note.com/bax36410/n/n8126846c05a9

≪攻める≫
https://note.com/bax36410/n/nbf9cc304a036

結束性のある文章を書くには?
https://note.com/bax36410/n/nf0c0d86eda15

≪具体的に≫
https://note.com/bax36410/n/n6205b905dbf6

≪できない≫
https://note.com/bax36410/n/n8014351cd1c4

≪後で≫
https://note.com/bax36410/n/nca81a70cb8f4

≪評価≫
https://note.com/bax36410/n/ne668d2e8e12b

「わけ」
https://note.com/bax36410/n/n134928e7318c

≪忙しい≫
https://note.com/bax36410/n/nb7ea425ccd1a

≪一夜漬け≫
https://note.com/bax36410/n/nacd31a41ec4e

≪チャンス≫
https://note.com/bax36410/n/nec9448eec284

≪捨てる≫
https://note.com/bax36410/n/nf7606e29eb49

≪先手≫
https://note.com/bax36410/n/n3e5df715e07a

≪自信≫
https://note.com/bax36410/n/nf0b2604b2147

≪自分を変える≫
https://note.com/bax36410/n/n1ba3dc83d675

≪やり抜く≫
https://note.com/bax36410/n/n9437423881e5

≪限界≫
https://note.com/bax36410/n/n24e002057c20

≪原因≫
https://note.com/bax36410/n/n9ab6becdc104

≪表裏≫
https://note.com/bax36410/n/nd19cee301971

≪から、からこそ。≫
https://note.com/bax36410/n/n9d7f82783da3

≪愚痴≫
https://note.com/bax36410/n/n1860759242a6

≪でも≫
https://note.com/bax36410/n/n1b926c11c1db

≪積極的≫
https://note.com/bax36410/n/n926d8df33043

≪答え≫
https://note.com/bax36410/n/n7dc35c25c50a

≪信頼 ≫
https://note.com/bax36410/n/n64640df8f4b0

≪難しくする ≫
https://note.com/bax36410/n/n2e25515a885f

≪わかりやすく≫
https://note.com/bax36410/n/nac1ffcca3d57

≪ポイント≫
https://note.com/bax36410/n/n84e3f93d16c7

≪社会人の心得≫
https://note.com/bax36410/n/nac7db849f09c

≪マナー≫
https://note.com/bax36410/n/n1aadb4c732d9

≪時間をつくる≫
https://note.com/bax36410/n/n6140c72ad71f

≪止まる≫
https://note.com/bax36410/n/n80a7c6a3f098

≪朝の10分≫
https://note.com/bax36410/n/n01766be2fc4c

≪マンネリ≫
https://note.com/bax36410/n/n3ac93d950959

≪プロ≫
https://note.com/bax36410/n/nc53d8b5f6fa7

≪3つの「あ」≫
https://note.com/bax36410/n/n5ff8a3b0f8a9

≪固定観念≫
https://note.com/bax36410/n/n7a27715f4bae

≪短い時間≫
https://note.com/bax36410/n/n250e475214db

最後に、アウトプットしさえすれば、他者との会話を始めることができます。

そして、フィードバックをしながら、お互いにこれまでとは違う新たな視点の上で良好な関係を創っていくことができると考えておりますので、皆さんの心に残っている教えが、誰かの背中を押すきっかけになるかもしれません(^^)

それを実行する上で、ポイントとなるのが、「出し惜しみはしない」でしょうか。

仕事は「ギブ アンド ギブ」、与え続けることです。

情報は出し惜しみしないことです。

知識や情報を売っているのだから、やすやすと教えてなるものか、なんて狭い了見ではなく、どんどんアピ-ルして下さい。

相手に伝えると、反応、反論があります。

多少自信がなくても。

不完全であっても。

考えながら話すクセを身につけていたなら、話していくうちに、むしろ自分の理解が深まっていくものです。

知識や情報は持っているだけでは何にもなりません(^^;

使ってこそ、実践してこそ、本物になるのだと、そう考えています。

【参考記事③】
コツコツ努力を継続するための7つの基本動作

「創造する」大人の学びモデル
https://www.works-i.com/research/works-report/item/learningmodel2030.pdf

https://www.works-i.com/research/works-report/item/190329_learningvol2.pdf


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