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2023年10月の記事一覧

童話/動物たちの夜

童話/動物たちの夜

 夜空に輝く星たちは、自分がいままでに食べた動物たちの目らしいです。
 自分がどれだけの動物を食べたのか、もう数えきれないほど食べています。
 昨日も食べました。
 あの右のほうに二つならんでいる星が、昨日食べた鶏の目かもしれません。そう思うと、肉髭をふるわせながら、朝を告げるその姿さえ夜空に浮かんできます。
 わたしの左手に鼻先を押しつけるようにして、この地球上でもっとも愛すべき犬種であるジャマ

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AYA (短編小説・後編)

AYA (短編小説・後編)

私は夢の中にいた。
今となっては、望むよりも拒むことの方が難しいくらいに、現実世界で眠りに落ちると次に意識を取り戻すのは夢の中、つまりアヤの居る世界であった。

私はアヤの住む居住区と例の崖のちょうど中間辺りに立っていた。何も無い平原の先に見える赤い建物。いくつか並ぶ同じ家家は、異様な雰囲気を出している。かつて誰かが生活していた痕跡を残しつつ廃墟となったこの土地が、現実世界に存在するのかどうかわか

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AYA (短編小説・中編)

AYA (短編小説・中編)

「アヤ。君はいつからここにいる?」
出会った頃は知る必要もないと思っていた、アヤという人物への興味は日に日に増していく。現実世界と同じように過ぎていく時の中で、アヤだけと過ごすこの異様な世界に於いては、彼女のことを知ることは重要だと思うようになった。それはまるで、自分を知ることのように。
「さあ。気付いたらここにいた。ある日、突然ね」
アヤは、なにかの建設予定地であったであろう更地の、ところどころ

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AYA  (短編小説・前編)

AYA (短編小説・前編)

「本当の貴方は今、夢の中なのでしょう?」
私の隣に横たわる裸の女は半身を起こし、長い髪をかきあげる。女は汗ばんだ体にまとわりついていた髪を、肩より後ろへ送りながら私に尋ねた。
「あぁ、多分ね」
私はまだ息が上がっているのに、女は涼しい顔だ。夢の中でも私の体力の無さは変わらない。ここは私の理想が反映される世界ではなく、限りなく現実に近い。
「ここが貴方の夢の中なら、貴方は一体いつ寝ているのよ」
女は

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