マガジンのカバー画像

11013の手紙に寄せて

772
11013でなければならない理由も、ないのだけれど。
運営しているクリエイター

2020年4月の記事一覧

苦悩と思考は別物

苦悩と思考は別物

食事をするとき、つい、一点を見つめ、黙って咀嚼をしてしまいます。考えてしまうのです。悩んでいることを、その解決の答えを、考えてしまうのです。その様子を、いつも妻に指摘されます。「どっか行ってるよ」と。行き先を訊かれることもあって、その時はそれについて話します。ただ単にぼーっとしているだけのこともあるのですけれど。家族のみんながいる食卓で、そんなふうになりがちな私。夫がそんなだったら、嫌かもなぁ。妻

もっとみる
写すんです

写すんです

遠足に、「写ルンです」を持って行った思い出があります。私が中学生くらいのときのことだったか。1986年うまれの私なので、〜2000年くらいのことだったでしょうか。

フィルムが中に入っていて、一枚撮るたびに、「ジキッ ジキッ ジキッ…」と音を立てて、本体のショルダーに付いた、フィルムを送るための歯車のような部品を、親指で外側に滑らせるように熱心に回しました。

写真は、現像が済まなきゃ、ど

もっとみる
それぞれの匙

それぞれの匙

「お風呂の温度は41度」といったらどうでしょうか。それじゃ熱いよという人もいれば、いいや42度だろうという人もいるかもしれません。水風呂だとか、(私からしたら)拷問のような熱湯を好む人もいるかもしれません。そもそも、温度なんか知らないよという人も多そうです。言っといて、私も知りません。湯温を計ったことがありません。給湯器の温度設定は知れますけれど、実際に浴槽に張られた湯の温度はそのときによるでしょ

もっとみる
福神漬けか、たこわさか。〜ライブ配信してみてわかったこと〜

福神漬けか、たこわさか。〜ライブ配信してみてわかったこと〜

最近私は、さまざまなプラットフォームをつかってのライブストリーミングを試していました。家での弾き語り演奏の様子を、各SNSのライブ機能や、動画サイトやライブストリーミングを主目的としたサイトでネット中継してみたのです。

これが不思議なもんでですね。家にいて、ひとりの部屋なのに「配信開始ボタン」を押すだけで、めっちゃ緊張しまくるんですね。もう不思議でなりません。いつもの家の、いつもの部屋にいつ

もっとみる
桜の道を通って

桜の道を通って

昨日、桜を見ました。

私は東京に住んでいます。だったら、桜は季節はずれのはずだと思われるでしょうか。

すこし、種類の違う桜のようなのです。

いわゆる桜、ソメイヨシノというのでしょうか。確かにあれのピークは、見頃は、とっくに過ぎてしまいました。

いま、この頃の関東で見ることのできる桜は、ソメイヨシノとはいくぶんちがう桜なのかもしれません。葉っぱの緑と花の淡いピンクの割合が半々

もっとみる
やっかみ(仮)の代弁

やっかみ(仮)の代弁

家で歌うとか踊るとかする。なんだったら、「歌おう」「踊ろう」という呼びかけ、メッセージとして発信する。メッセージにしたつもりがなくても、メッセージ、「意思」だと受け取られることもあるだろう。

そこらじゅうに、「家では踊れないし歌えない」という人がいる。自分の家はそんな環境じゃないよということかもしれない。騒音を嫌う人が、壁や床・天井の隔たりひとつの向こうに住んでいる、という部屋に住んでいる人

もっとみる
究極の草野球

究極の草野球

私は、自作曲の演奏や歌唱を10代からやってきた30代男です。で、そうした曲の演奏や歌唱の録音もずっとやってきました。どういう録音かといいますと、ひとりで複数の(すべての)パート(楽器や歌)を演奏するものです。多重録音ですね。先に自分が演じたパートを聴きながら、あとからあとからどんどん自分の演奏や歌を追加していくのです。スティーヴィー・ワンダーさんもポール・マッカートニーさんも、奥田民生さんも斉藤和

もっとみる
時は、規模なり。

時は、規模なり。

私はこの頃、家にいる時間が長くなりました。そのように自分でさしむけたところもありますし、私を含んだ社会がそのような方向に流れているところもあると思います。家で過ごす時間が長くなり、時間について考える時間も増えたかもしれませんし、時間について考える視点も増えたかもしれません。

時は金なりということばがあります。私はあまり口にしたり記したりはしませんが、よく接する機会のあることばかもしれません。

もっとみる
空想を実像にする行動

空想を実像にする行動

ここのところ、風邪をひきにくくなったように思います。以前でしたら、たとえばちょっと体に負担をかけて働いた日だとか、つい夜更かししてしまった日だとかを過ごして、眠って起きると、すぐに喉が痛くなったり鼻が詰まったりしていました。それが最近、ないのです。どうやら、注目の新型ウィルス以外の、あらゆる一般的な風邪の原因になる雑多な菌やらウィルスの往来も、このところの人々の動向(その少なさ)のおかげで減ってい

もっとみる
解釈とか脳内映像とか

解釈とか脳内映像とか

ああ、なんか、グっときたし、染みました。信じている。信じたい。それと並行して敷かれる「正しさ」がある。どちらも無視できない、おれがいる。

歌をとらえていると、頭の中(かどうかわかりませんが)にビジョンが立ち上がります。特に歌詞ですかね。もちろん、サウンドから立ち上がるビジョンもあるでしょう。人によって比重はさまざまでしょうね。

そのビジョンというのは、私が勝手に立ち上げたものです。たと

もっとみる
歌と生花と給食用野菜

歌と生花と給食用野菜

イベントごと、お祝いごとで、毎年たくさんの需要がある、生花。それが余ってしまっているとも聞きます。需要がなくなり、お金にかえることもできない。しおらせ、枯らせてしまうくらいなら…自由に持っていっていただくというのもあるのかなと思います。平時なら、命と同等の「商品」。それを、無償で差し出すこと。それは、思念・思想を差し出すようなことかもしれません。もはや「お金」には替わらないのだから、せめて「思い」

もっとみる
ことばの利器

ことばの利器

風聞は、回るし、転じます。伝言ゲームの要領で、どんどん原型から変化してしまいます。それで変化済みのものをまた元ネタにして、新たな風聞も回るでしょう。もはや、何が真実かわかりません。そうして、一番の「始祖」となるネタ元でさえ、「真実」である保証などどこにもないのです。

少なくとも、「私自身の体験と感性、知識・教養によって真実だと確信していること」だけを根拠にして語る人がひとりでも増えることを願

もっとみる
What's this?

What's this?

地震が起きると、私はまず止まります。何か、直ちに危険なことになるような大きい変化が周囲にないか、その観察のために全身全霊をかけるのです。なんていうと大げさかもしれません。何かと、私は、反応が遅いのです。反応や対策を後回しにしがちな癖があるのです。

いえ、もちろん、地震の発生を察知して、「ただちに観察体勢に入ること」を評して、「反応が素早い」「対応が迅速」ということもできるでしょう。そう、私は

もっとみる
大木の根元をすり抜ける小動物

大木の根元をすり抜ける小動物

この柱に寄せる稚拙な小文を書くための時間を、朝に取っています。その習慣を続けて、3年ちょっとになります。無茶してかなり余計に早起きしていたこともありましたが、今はほどほどの早起きに落ち着いています。私の現在の早起きは、人によっては早起きとは言えない程度の早起きかもしれません。

上の子どもが2016年の5月に誕生して、それからしばらくして今の朝の習慣がつきました。とにかく子どもが覚醒している間

もっとみる