マガジンのカバー画像

ねむねむの森シリーズ

14
運営しているクリエイター

記事一覧

ねむねむの森 〜さいしょのおはなし〜

ねむねむの森 〜さいしょのおはなし〜

~さいしょのおはなし~

わたしのなまえは ねむねむ
「ねむねむさん」
とよんでください
わたしはいつもは ねむねむの森にすんでいます

こうみえても
けっこういそがしく しごとをしています

夜 ねむれない小さな人たちのところに行って
小さな人があんしんしてねむりにつけるように
お母さんのおてつだいをしたり

夜 ねむれない大きな人たちのところに行って
大きな人たちのねむりをジャマするものたちと

もっとみる
ねむねむの森 第一章

ねむねむの森 第一章

(一)

とりさんたちのうたがきこえて
ねむねむさんはうっすらと目をさましました

大きなつばさで 
おそらをとんでいたような いないような

大きなケーキに
うもれていたような いないような

大きなバナナと
おいかけっこをしていたような いないような

つまり
ねむねむさんはゆめをみていたんですが

いっつもいっつも
ねむねむさんが これはゆめだ ときがつき
うっすら目をあけたそのしゅんかんか

もっとみる
ねむねむの森 第二章

ねむねむの森 第二章

(二)

ここでちょっとだけおはなしをとめて

ねむねむさんに
この森についておはなししてもらいましょう
ねむねむさ~ん いいですか?

はいはい いいですよ~

ここ ねむねむの森は
みなさんがしっている森によーくにています
太陽の光がふりそそぎ
あめもふるし
ゆきもふるし
あらしもきます

そして 
たくさんのどうぶつたち
とりたち むしたち 大きな木 小さな木
草 花 池 川 小さな山となが

もっとみる
ねむねむの森 第三章

ねむねむの森 第三章

(三)

「ホ〜ウホゥ
もう うるさくってねていられない
きょうは太陽さんだけじゃなくて
ねむねむさんもおしゃべりしているんだね
そして この 子とりのような声はだれだい?
おやおや これはこれは かわいい小さな人間さん
ねむねむの森へ ようこそ」
と 
みるくの木のねもとの小さなあなから 
かおをだしたのは 
あなほりふくろうさんです

あなほりふくろうさんは その名のとおり 
ふくろうさんのな

もっとみる
ねむねむの森 第四章

ねむねむの森 第四章

(四)

大きなもみの木さんの下のほうの枝にとまって
コンドルのおかみさんは
「長老さん 長老さん」
と声をかけました
すると       
木にあいている大きな穴から ぬーっと顔をだしたのは
大きな大きなしまふくろうのおじいさんです

「フォッフォッフォッフォ
なんじゃい なんじゃい
あさからわしをよぶのは コンドルのおかみさんかい
フォッフォフォッフォ
けさは鳥さんたちが元気に働いておるのう」

もっとみる
ねむねむの森 第五章

ねむねむの森 第五章

(五)

リーシャ村へしゅっぱつするじかんまで 
まだたっぷりあります
みんなはなにをしてすごしているのでしょう

鳥さんたちは
カラスくんがリーダーになって
うみちゃんのベッドをあんぜんにはこぶための
大きなカゴをつくっています

コンドルのおかみさんは
うみちゃんを森でいちばん大きな池につれてきました
ねむねむさんと
あなほりふくろうさんもいっしょです

池のおくには小さな山があって
その山の

もっとみる
ねむねむの森 第六章

ねむねむの森 第六章

(六)

きらきら池からすこしはなれたところにある丘では
カラスくんがリーダーになってちからじまんのふくろうさんたちと
うみちゃんたちをはこぶれんしゅうをしています
鳥さんたちががんばってつくったカゴには
うみちゃんのベッドがすっぽりとおさまり
そこから6本のツルがのびていて
ツルの先はわっかになって
ふくろうさんが足のつめをひっかけやすいようになっています

「よーし これなら このカゴだけでう

もっとみる
ねむねむの森 第七章

ねむねむの森 第七章

(七)

すずしい風がほっぺたをさわって
うみちゃんはめをさましました
いつもみている てんじょうがみえます
(ここはおうち うみのおへや)
うみちゃんはかくにんするように ゆっくりおきあがりました
(やっぱりあれはゆめだったんだ すっごくたのしいゆめだったんだ
うみはずーっとおへやでねていたんだ
あーおなかがすいた!)
と ベッドからとびでたときです
「イタタターッ
なんだなんだ また地球さんが

もっとみる
ねむねむの森 第八章 おわりのおはなし

ねむねむの森 第八章 おわりのおはなし

(八)

「おかえりー」
「よくかえってきたねー」
「ぶじでよかったー」
とつぜんそとがにぎやかになりました
スープとパンをたべおわって
いっしょにえほんをよんでいた
うみちゃんとねむねむさんは
なんだろうと まどからそとをみました
ひとりのわかものが 村へかえってきたようすでした
わかものとかぞくがぶじをよろこんでいます
それをかこむように ほかの村びとたちもでてきて  
わかものがもどってきた

もっとみる
絵本版 ねむねむの森

絵本版 ねむねむの森

(1)
みるくのあまーいかおりで
目をさましたうみちゃんが
おきあがったとたん

ごろごろ ごろろーん
「いたたたたぁ〜!
 なんだなんだ 
 ちきゅうさんがうごいたのかぁ〜?」
ベッドから
ころがりおちたのは
小さなようせいさん

(2)
あたりをみまわすと
なぜかここは森の中
「おかあさーん おとうさーん  
 さみしいよー 
 おなかすいたよー」

「だいじょうぶだよ
 うみちゃん
 ここは

もっとみる
コンドルの里 前半 〜ねむねむの森より〜

コンドルの里 前半 〜ねむねむの森より〜

(あらすじ)
ねむねむの森にはとても仲の良いコンドルの夫婦が住んでいます
ダンナさんコンドルは大きな羽を広げ
いつもねむねむの森を高い空から見守ってくれています
小さな体のおかみさんコンドルはお喋り好きで世話好きです
お菓子を作らせたらここら一帯の森の動物たちで
おかみさんの右に出る者はありません
この夫婦は同じコンドルの里で生まれ育ちました
この二人が夫婦になるまでの小さな恋の物語です
(あらす

もっとみる
コンドルの里 後半

コンドルの里 後半

太陽の光が燦々とコンドルの里を照らしています

今日のごはんさがしは巣立ち間近のオスコンドルがいるお父さん組です
彼らは南の乾いた低地に向かって飛び立ちました
彼らの姿が小さくなっていくのを
一羽のコンドルがじーっと山の上の大きな岩に佇んで見つめています

シャリーです
シャリーは今日はごはん探しに行かず
ひとり残りました
仲間が滑空していく姿を静かに見送っているその目は
輝きを失い深く赤く暗い影

もっとみる
ふくろうのおやつ (前)

ふくろうのおやつ (前)

(あらすじ)
今は「ねむねむの森」と呼ばれるその森は
遠い昔は「あったか池の森」と呼ばれていました
森の奥深くの岩山の上に白い煙に包まれたあったかい池があったからです
その池はくたびれた体や羽が元気になるふしぎな池で
いつもたくさんの動物や鳥たちで賑わっていました
今回はいつになく大賑わいです なぜなら
あの有名なふくろうの家族が来ているからです
「あったか池の森」には昔から亀の家族と白へびの家族

もっとみる
ふくろうのおやつ (後)

ふくろうのおやつ (後)

今朝の森の様子がいつもとちがうことに気がついたのは
この森でどの木よりも大きく元気に育っているもみの木さんでした
もみの木さんは 頭のてっぺんでぐーぐーいびきをかいて寝ている
三人の仲間に声をかけます
「ふくろうくん 亀の子くん 白へびちゃん
おきておきて なんだか面白そうなことが始まっているよ!」

まず目を覚ましたのは早起きの白へびちゃんです
「おはようもみの木さん どうしたの?」
そういいな

もっとみる