あさ

PN:あさの凪 Twitter→@asa_umum

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記事一覧

地図アプリを見ずに多摩ニュータウンを歩いた日のこと

清原惟監督の映画『すべての夜を思いだす』(多摩ニュータウンが舞台)を観て、街と記憶と時間を実感したくて多摩ニュータウンに行くことにした。 作品のパンフレットに地図…

あさ
3か月前
3

下北沢、スケボー男

下北沢のスケボー乗りは一人で転びそうになる。 道は狭いし歩く人は多いし(みんなおしゃれ!自分が恥ずかしくなる)スケボーには向いていないんじゃないかと思う。教えて…

あさ
3か月前
3

【10/12(夢)日記】ヤクザに襲われて寿命二週間

友人の結婚式の帰り道、怖い人に攫われた。 四万円を盗られていたので、取り返そうとしたら殴られた。 痛いのは嫌いだから泣いた。泣いたけど、四万円は返して欲しかった。…

あさ
9か月前

私とゾンビと彼の三角関係

 理由は分かりませんがゾンビに恋を壊されました。  ゾンビに噛まれた人はゾンビになります。  噛まれたゾンビが人を噛むと、その人もゾンビになります。  なんか偉い…

あさ
11か月前
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僕をいじめてた女子が死んだことを同窓会で知るまでの話

 左手を見るたびに思い出す。雨の音。煙の匂い。遠くで見ている彼女の笑顔。サッカー部の部室はコンクリートが打ちっぱなしで灰色で、男臭い匂いが剥き出しになっていた。…

あさ
1年前
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夜の海を思い出して

 三年という長いような短いような、中途半端な期間を一緒に過ごした彼女が死んだ。彼女は僕より一つ年上で、バイト先で出会った人だった。  僕はあまり会話を好まなかっ…

あさ
1年前
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「こちらあみ子」のあみ子になりたかった。

今村夏子さんの書く小説が好きだ。 『木になった亜沙』も『むらさきのスカートの女』も、暴力に対する捉え方が異質だから。 いや異質なのは、こんなに平然と存在するはずの…

あさ
2年前
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地図アプリを見ずに多摩ニュータウンを歩いた日のこと

地図アプリを見ずに多摩ニュータウンを歩いた日のこと

清原惟監督の映画『すべての夜を思いだす』(多摩ニュータウンが舞台)を観て、街と記憶と時間を実感したくて多摩ニュータウンに行くことにした。
作品のパンフレットに地図が付属していたので、その地図だけを頼りに。

土偶やら石器やらが展示されている場所で、土鈴の音を聞くシーンがとても印象的だった。
東京都埋蔵文化財センターというそれっぽい名前が地図に書いていたので、そこに向かう。

大体の方向は地図を見れ

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下北沢、スケボー男

下北沢、スケボー男

下北沢のスケボー乗りは一人で転びそうになる。
道は狭いし歩く人は多いし(みんなおしゃれ!自分が恥ずかしくなる)スケボーには向いていないんじゃないかと思う。教えてあげたらどうなるだろう。もっとふさわしい場所があるよ。
「ふさわしい場所って?」
「例えば広い公園で、人がいることも珍しいような。」
「退屈じゃないですか?」
「そうかな?君は好きなようにスケボーできるし、カメラだって回せるし、その場で映像

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【10/12(夢)日記】ヤクザに襲われて寿命二週間

【10/12(夢)日記】ヤクザに襲われて寿命二週間

友人の結婚式の帰り道、怖い人に攫われた。
四万円を盗られていたので、取り返そうとしたら殴られた。
痛いのは嫌いだから泣いた。泣いたけど、四万円は返して欲しかった。
遠くから大きい音が聞こえた。
怖い人が笑った。
「アニキが来た。お前終わり。」
「発砲音だよ。今の。」
えー。怖い。無理じゃん。
ビビりまくってたらちゃんと撃たれた。しかもいっぱい撃たれた。
撃たれている僕の顔を見たアニキは
「可愛い顔

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私とゾンビと彼の三角関係

 理由は分かりませんがゾンビに恋を壊されました。
 ゾンビに噛まれた人はゾンビになります。
 噛まれたゾンビが人を噛むと、その人もゾンビになります。
 なんか偉い国の偉い人が、なんか知らない薬か兵器かを作って、なんかやらかしたんでしょうか。
 迷惑な話。楽しみにしていた修学旅行は中止になった。一緒に東京を観光する予定だった友達もゾンビになった。多分。原宿はオシャレよりも死の香りが立ち込める街になっ

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僕をいじめてた女子が死んだことを同窓会で知るまでの話

 左手を見るたびに思い出す。雨の音。煙の匂い。遠くで見ている彼女の笑顔。サッカー部の部室はコンクリートが打ちっぱなしで灰色で、男臭い匂いが剥き出しになっていた。6人の筋肉質な、眉毛の細い男たちは笑っていた。僕はそいつらに服を脱がされる。剣道の竹刀が僕の性器をしつこく突いた。竹刀は性器に触れた後、僕の顔の前に近づいた。竹刀を舐めると、彼女は笑った。扉が開いた。光が見えた。
 帰り道に目が合ったから、

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夜の海を思い出して

夜の海を思い出して

 三年という長いような短いような、中途半端な期間を一緒に過ごした彼女が死んだ。彼女は僕より一つ年上で、バイト先で出会った人だった。
 僕はあまり会話を好まなかったが、彼女はよく喋りよく笑う。僕とは別の臆病さを持った人だった。
 僕は就職して、元々社会人だった彼女と会う機会は減っていった。大学生だった頃は毎週のように会って、僕の家に彼女がきて、飽きるまでセックスをして、飽きたら飽きたで会話をした。

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「こちらあみ子」のあみ子になりたかった。

「こちらあみ子」のあみ子になりたかった。

今村夏子さんの書く小説が好きだ。
『木になった亜沙』も『むらさきのスカートの女』も、暴力に対する捉え方が異質だから。
いや異質なのは、こんなに平然と存在するはずの暴力に、敏感になってしまっている僕たちの方かも?と価値観が揺さぶられる。

とにかく、暴力が真顔。証明写真撮られてる時とか、大学の気まずい飲み会の時とか、それぐらい、真顔。
小説や映画だから嘘をつけるのに、逃げない。
暴力に誠実。

だっ

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